TAVGP611CMLP+Jのヤマセンコー5パターン
「ソフトティップがフッキングに必要な『持たせ時間』を作る」
今シーズンも様々なロッドが発売された。
私達プロスタッフはフェンウィックの各シリーズ(スーパーテクナ、テクナGP、ゴールデンウィング、エリート、スマート)の様々なニューアイテムを使用することになるが、その中で私が使用頻度の高くなっているのはTAVGP611CMLP+Jとなっている。
このロッドは開発担当の鬼形氏が、霞水系での6.5カットテールのネコリグやフラッピングホッグ等でのノーシンカーあるいは超軽量ライトテキサスでの釣りのために開発したものであり、ノーシンカー級のウェイトのルアーをピッチングしやすく、そして、確実にフッキングできるようにバットパワーを持たせており、当然のようにその釣りを必要とする霞水系では人気のアイテムとなっている。
しかし、このロッドは琵琶湖でも使用頻度は非常に高くなりつつある。
現在、琵琶湖でTAVGP611CMLP+Jはヤマセンコー5インチをノーシンカーで使用する際に必要となっており、水深1m~2.5mのシャロー側のウィードパッチなどが活躍の場である。時期はプリスポーン段階からアフタースポーンにかけて、サマーパターンに入る直前までの4月から7月中旬までがメインとなるだろう。
プリスポーンからアフタースポーン期まで活躍したヤマセンコーパターン
このロッドが完成する以前、この手の釣りにはTAVGP69CMJを使用していたのだが、この釣り特有のフッキング時の『持たせ時間』が長くなるためには、よりソフトなティップが必要と感じていた。
そのため、TAVGP69CMJの開発時に渡されたテストサンプルCモデルというティップのソフトなモデルを私は使用していた。そして、機会があるたびに開発担当の鬼形氏に69CMのソフトバージョンは必要ではないか?」と相談していた。
この手のロッドの本質に迫るとどうしても、この『持たせ時間』という概念を理解しなくてはならない。『持たせ時間』というのは私特有の言い回しであるが、それはバイトからフッキングまでの猶予時間、バスがバイトしてからフック部分までを口にするまでの間、バスにワームを加えさせておく時間のこと意味している。世間ではこの『持たせ時間』のあるロッドは「食い込みの良いロッド」と評されることが多い。
さて、この『持たせ時間』があると、実際の釣りにおいて、どのように影響するかというと、圧倒的にフッキングが優位になるのである。
琵琶湖のシャローウィードにおいて、私が実戦しているヤマセンコー5インチのノーシンカーの釣りでは、バイト発生時からフッキングまでバスがワームを放す確率が圧倒的に低くなる。
この釣りは、ヤマセンコーの5インチをロングキャストした後、スローにフリーフォールさせる。そして、ステイ後はわずかに引っ張り、ウィードに引っ掛けて再びステイさせる。その際、バイトは大半がステイ時に出るのだが、必要以上にラインテンションを掛けすぎると、バスはすぐにワームを放してしまう。
また、張らず緩めずにラインを操作していても、硬いロッドだとすぐにバスがロッドティップの違和感を感じてしまいフッキングを行う以前にバスはいなくなってしまう。
そのため、ロッドティップにはバスが放さないソフトさが要求されるのである。そして、加えてバッド部からベリーにかけてはロングディスタンスのノーシンカーにセットされたフックを確実に大型のバスの硬い上顎にフッキングするためのパワーが要求されることになる。
TAVGP611CMLP+Jの『持たせ時間』がフッキングを容易にさせる。
その条件を満たすには、ソフトティップ、ハードバット&ハードベリーが必要となり、ただ柔らかいだけのロッド、硬すぎるロッドのどちらでもこの釣りの成功率は低くなり、難しいものとなる。
しかし、TAVGP611CMLP+Jはその両方の条件を見事にクリアーしており、バスがバイトをしたとき、最初からフッキングに至るまでの数秒間、不用意にロッドを動かしてしまった場合でも、バスはロッドの違和感を感じることなく加え続けている。いわゆる『持たせ時間』が非常に長いのである。
そのため、従来のロッドよりもフッキング率が上昇し、このノーシンカーの釣りにおいてアングラーを優位にさせてくれる。
ちなみに、この長さに「なぜ6ft11inなのだろう?」と疑問を持たれる方も多いと思う。私も当初、違和感を感じた一人である。
その点を開発担当に聞いてみると、当初は69CMLで開発が進められていたようだが、ストロークが不十分になることが判明したようだ。加えて、霞水系でのピッチング時においてより投げやすくする意図も加えられているそうだ。
そのため、若干のレングスを長くしてフッキングストロークを確保したのであり、必要から生まれた6ft11inなのである。実際に使用してみて、私もこのソフトなティップを加えて6ft9inのままだと、確かにフッキングが甘くなっていただろうと感じるようになった。
さて、最後に、この釣り以外にTAVGP611CMLP;+Jの使用範囲はあるのだろうか?
その点については、現段階では1シーズンをこのロッドと共に過ごしていないため確実には言い切れないが、おそらく夏になれば1/8ozシンカーにカットテール6.5インチのジグヘッドワッキー、いわゆる「ベイトネコ」と言われる釣りに、秋になれば1/4ozのヘビーダウンショットリグに、というように一年を通じてボートから外されることはないだろう。
これで私のロッドセレクションはベイトのワーム類に関しては下記のようなラインナップになった。
TAVGP611CMLP+J・・・「ノーシンカー、ベイトネコ、ヘビーダウンショット」
TAVGP69CMJ・・・「1/16oz~3/8ozテキサス、3/8ozスピナベ,他」
TAVGP69CMHJ・・・「1/4oz~5/8ozテキサス」
TAVGP70CHJ・・・「1/2oz ~1ozテキサス、ラバージグ」
TAVGP76CH-TJ ・・・「3/4oz ~1.5ozテキサス、ラバージグ、ヘビキャロ」
現在はこうしたラインナップを琵琶湖で使用しており、今シーズンから一番下のベイトでのソフトルアー用ロッドが加わった。
現在TAVGP69CMJを使っているユーザーの方で、「もう1本欲しい」あるいは「もう少しソフトティップが欲しい」という要求があるなら、間違いなくTAVGP611CMP+Jをお勧めしたい。そして、このロッド特有の『持たせ時間』の長さを味わって、格段に楽に、快適に釣りをして頂きたいと思う。
開発テスト中のシャッドシェイプ5インチでも同様に。来シーズンの主力ワームになるのは間違いないと思う。