LDLライン(渋谷 直人)

2010.1.18 Update
渓流でのロングティペットの釣りでラインに要求されることは、ティペットまでの意思の伝達で、重要なポイントとなります。LDLリーダーの性能が素晴らしいため、どうしてもラインのバランスが気になっていました。どのようなラインが良いのかは頭の中にありましたが、ようやく専用のラインを作れることになり、それをほぼ落とし込むことができ、「LDLライン」が完成しました。

渓流で必要なのは浮くことよりも、水離れの良さであり、伝達力であると考えています。キャストした際にはティペットの形まで意思が伝わらないとダメだし、メンディングでもティペット部分まで意識して動かさないといけないということです。
急流で波もある中でラインがポッカリ浮いて流れるのは、質量を考えると不可能なのです。(水面の荒波の形に合わせられるくらいの軟らかさと浮力を両立させることと、伝達させる適度な硬さ=張りは、両極端であるため共有不可能)。

僕の釣りで必要なのは伝達させる硬さとしなやかさのバランス、そして水離れ(先端の太いラインは僕の経験上水離れが悪く、メンディング性能が悪い)が可能な直径のラインです。さらにそれをLDLリーダーに反映しやすいテーパーデザインが重要で、しかもラインの寿命とも言える結び代の融通性も必要です。

そこで今までもっとも使い易かったスープラシリーズの素材をベースに、やや細身のベリーからの急テーパーで細めの先端部分、結び代を少し長めにとったデザインで落ち着きました。キャスト感、メンディングやターンオーバー性能、すべてにおいて、LDLリーダーとの相性は断トツに優れているように感じます。最初の新しい状態と、毎回数ミリ切り落としていった10cm短くなった状態と比べても使用感はほぼ変わりません。抜群のテーパー設計により、安定したターンオーバー性能を確保できています。また、「LDLライン」のコアマテリアルは通常のものより細くし、ライン自体を細くしても浮力が落ちない設計になっています。

ティムコプロスタッフ渋谷 直人

今までロングティペット専用のラインはありませんでしたが、これはまさに日本の渓流のためのラインです。空気抵抗のほとんど無いフライを結び、LDLリーダーに長めのティペットを足し、複雑な流れの奥からヤマメやイワナを引き出す。そんな釣りをさらに快適に行うために、このようなラインが必要なのです。

日本の渓流で釣るための、日本の流れで育ったライン。それが、「LDLライン」です。

是非、LDLリーダーとの併用で素晴らしさを実感してください。複雑な流れの克服こそ渓流の克服であるし、きっとその先には素晴らしい渓魚たちとの出会いがあるでしょう。

ライン番手:DT-3F / DT-4F
カラー  :オレンジ / ブルージェイ

サイトマスター・見えることの大切さ(渋谷 直人)

2007.7.3 Update


東北は岩手の渓流での事。
この川は水量も豊富で渡渉も困難、しかも川底が黒っぽくて見難い水色です。
そんな中でサイトマスターのスーパーライトブラウンは、対岸の10m離れた巻き返しにイワナの姿を映してくれました。

この川の釣りの特徴としては、大水量のガンガンの中でポイントを見出してイワナを引き出す感じです。他の釣り人が攻略できなさそうなポイントは、必ずと言っていいほど尺を超えるイワナが入っていますが、ボサの下の巻き返しであることが多く、フライロストなどのリスクも伴います。
そのようなときに最大の力になるのが、魚を発見できる力です。
ここで見えているか見えていないかは大物を仕留める上でかなり重要です。リスクを覚悟で挑戦する意欲を維持するには「確信」が一番の助けになるのです。


この日はまだ雪代の影響で水位がかなり高く反応も鈍い状況でした。その中で、なんとか32cmを仕留めましたが後が続きません。こまめに対岸を狙っても8寸ほどのイワナがポツポツ出る程度で、フライのロストが多く集中力が失われていきました。

お昼過ぎには大プールを散々攻めて1匹も釣れず、皆で休憩状態。
護岸の上からしばらくプールを眺めながら雑談していました。その中で、僕は対岸の柳の下の小さな巻き返しが気になっていましたので、チラチラ見ていました。

一瞬だけ大きな影が柳の下からはっきりと確認できました。逆光の中で裸眼なら全く見えない状態での魚影確認は、気持ちのリセットには十分な刺激です。他の人には全く見えていないようで、僕が挑戦しました。
対岸までは立ちこんで10mほど、うしろは3mの護岸がそびえたっていて、ハイバックキャストです。しかも、イワナのいる巻き返しはボサの下で、数投では絶対に入りそうにありません。予想通り20投しても一回も決まらず、フライを2本ロストしました。確信が無ければここで諦めるところです。

しかし、確実に尺を越えるイワナの姿が目に焼きついていたので、諦めることなくシステムを変えて狙い続けることができました。少しティペットを詰めて、空気抵抗の無いパターンのフライに換えてテーリング気味に水面を滑らせて奥を狙うと、4投目でスルリと最奥へ!間髪いれずに三角頭がボコッ!会心の一匹でした。

このような粘りを生むのも見えていたからこその結果です。
チラリと見えたか見えないかで、本当に釣果は大きく変わることが実感できた釣りでした。光の量によってレンズカラーを変更すれば、更に威力は増すことが可能です。一味違った偏光レンズの威力を是非、自分の目で確認してみてはいかがでしょうか。