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Bass Fishing社員ブログ 感動と興奮のJBトップ50第2戦 開発担当の観戦記。沢村幸弘、ベイトフィネスで遠賀川を制す。 Part 1

2013.06.12

感動と興奮のJBトップ50第2戦 開発担当の観戦記。沢村幸弘、ベイトフィネスで遠賀川を制す。 Part 1

バス開発担当の鬼形です。

6/7~9に福岡県遠賀川にて開催されたJB トップ50第2戦において、ティムコプロスタッフ沢村幸弘選手が優勝しました。今回私は遠賀川戦の公式プラクティス(試合前2日間)をティムコプロスタッフの北大祐選手、山岡計文選手に同船。試合の3日間はスタート準備に始まり、試合中は川岸より選手を追いかけ、ウェインから片付けまでをサポートする、という時間を過ごしてきました。

特に公式プラクティスに同船したことで、遠賀川の状況、エリアごとの特徴、トーナメントにおける選手の思惑をよりリアルな感覚でとらえることが出来たように思います。なぜ、このエリアで勝負するのか、なぜこのタイミングで移動なのか、なぜこのリグなのか・・・といったトーナメントでは重要でありながら見る側には伝わりにくい部分を、同船した北、山岡両選手のおかげで概ね理解出来たことが、観戦した感動をより鮮明に、深いものにしてくれました。

それでは、公式プラクティスデイ初日、北選手との同船から振り返ります。プリプラとは違い、公式プラでおもに行われるのはフィールドコンディションの確認作業。本命視するエリアに入ることはほとんどなく、水色や水温の変化、本命以外のエリアでの実釣という感じです。
 

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「公式プラ初日は北大祐選手に同船。上流エリアからチェック開始。」

北選手には同船前に「どこまで釣っていいのか」の確認をしておきました。「本命エリアにはほとんど入らないので、ガンガン釣ってください」との話だったので遠慮なく釣ることに。もちろん、北選手の意向を踏まえて「何を投げるのか、どんな釣りをしたらいいのか」を決めていきます。ある程度どんな釣りもこなせなければプラクティスパートナーは務まりません。

上流部がプリプラ期間中は工事の関係で入れなかったということで、まずは上流部のチェックから始めました。多くの選手も同じことを考えていたようで、一時上流部は大混雑に。しかしロッドを曲げている選手は皆無。北選手と私は岸際のストラクチャーをネコリグやパンチショットで打っていきます。

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「上流エリアは多くの選手が集結していた。ただし釣れている様子は無し」
 

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「沢村選手の姿も」

とあるストレッチではギルバイト連発ののちバスがヒット。近くに別の選手がいたため、ラインを緩めて放置し、掛っていないかのように振舞いました。同時に北選手も掛けていたようですが、やはり適当にやり取りしてリリース。サイズはキーパー(25センチ)あるかないか、といった微妙なサイズです。戦前予想で「とにかく1匹。デコらないことが重要」と語っていた北プロ。ならばキーパーギリギリサイズもさぞかし貴重では?と思いましたが、どうも本人は全く眼中にない様子。「このサイズを追っかけてたら勝てませんよ」と、このエリアはやる価値なし、と判断したようです。

中流域も魚のサイズは似たような印象でしたが、狙うべき場所が水中の見えない変化(旧護岸跡や橋脚跡、大雨で流れてきたものなど)となってくるので、魚探かけやアプローチの精度が要求されるように感じました。そして下流域。川幅が広がり垂直護岸で両岸を整備された、一見何の変哲もないエリアに見えます。しかし、下流エリアこそ水中のストラクチャー、変化だらけと言っても過言ではなく、北選手はプリプラではひたすらそれらを探してはマークする作業に徹したそうです。下流は魚のサイズも良く、勝負する場所だ、とも言っていました。

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「リグやワームを試しながら最終的に絞り込んでいく。カメラを向けると「フェイスブックとかにアップするならワームは写らないようにしてください」とシビアな一面も垣間見えた。」

直前プラのため、試合で実際に使いそうなエリアではなく、むしろやらない釣り方を試すことに時間を割きました。垂直護岸を延々と打ち続ける、いわゆるダダ流しや護岸際のイナッ子を追うバスを狙ってのシャッド巻きなど、北選手のスタイルから考えて試合ではほぼ行わないであろう釣りを試していきます。

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「グッドサイズをキャッチ。でも本番ではほぼやらないであろう戦略での魚なので参考にはならない。こういう釣りもあるかな、程度。」

ナイスサイズを1匹キャッチしたところで公式プラ初日は終了。ボートを上げて片付けを済ませた北選手はおもむろにノートパソコンを広げて何やら作業を始めました。その日の魚探掛けから得たデータを取り込んで編集しています。ソフトを使って3Dイメージの湖底図を作っていくのです。いまやローランスやハミンバードといったサイドイメージやダウンスキャン機能を持つハイテク魚探はトップ50では皆が装備しています。重要なのはその性能を100%引きだして活用しているかどうか。北選手はその点においてかなり使いこなしている方に入ると思います。

遠賀6

「プラクティスは陸上でも続く。パソコン開いて魚探データを編集。サイバー戦の側面もトップカテゴリーには存在する。」

北選手の遠賀川戦に臨む心構えとしては、「絶対に攻め続けなくてはダメ。守りに入らないことですよ。」とのこと。「下流域はグッドサイズが釣れるけど、バイトが遠く、また他の選手とのバッティングも避けられない。でも、それに耐えきれず、またリズムを狂わされたりして比較的バイトの多い(しかしギルやノンキーも多い)上流で手堅くまとめようとしても勝ちに絡めない」「ランガン戦略は止まったら負け。足を止めないことですね」と語ってくれました。

公式プラ2日目は山岡選手に同船しました。「川は苦手なんですよね~」と語る山岡選手。七色ダムほとりに生まれ育ち、今もガイドを営む彼にとって、平地の都市型河川は確かにアウェイ感があるでしょう。しかし、最近の山岡選手は旧吉野川や北浦といった、七色ダムとはかけ離れた特徴を持つフィールドでも好成績を収めています。

遠賀7

「山岡選手はミドストを中心に中層攻略、クリアレイクのサイトなどが得意技。マッディシャロー、水中のストラクチャー豊富な遠賀川は得意じゃないらしい。」

やはり上流部をチェックして、バイブレーションでノンキーパーをキャッチ。どうやら中下流エリアが本命なようですが、前日とあって行く気がないようです。「まぁ、本命エリアに今行って釣ったら、自分の魚を減らすだけですからね」と山岡選手。ってことは上流はやらないってことなのでしょう。やらないエリアではあるけれど、釣り方の確認はしておこう、ってことで、ヘビキャロをリグります。

ロッドはテクナGP TAV-GP74CMJ。ワームはPDLベイトフィネスクロー「このサイズ、テールのピラピラ感が効いてますね~。」とのこと。周囲には相変わらず選手が多いのですが、釣れちゃいましたね、ナイスサイズが。

遠賀8

「PDLベイトフィネスクローのキャロでキャッチ。釣り方としては本命。」

その後は、なんとなくダラダラモード。直前プラは1日でも良いのでは?とも思いました。周囲の選手もなんとなくノンビリ。早くもボートを上げている選手もチラホラ。

気が付くとティムコチーム3人が集合してパワーポール刺して会話することに(苦笑)。フェンウィックラッピングの3艇が並ぶとそれはそれでかっこいいんですけど、もはや試合に向けてやるべきことはやった、ってところでしょうか。

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「ティムコチーム集合の図。直前プラも2日目となると逆にノンビリムード。」

沢村選手も写真を見てもわかるように、ポーズを決めたりしてリラックスムード。「余裕ですか?」の問いかけに、「まぁ~、やってみないとわからんよ」と答えますが、「もうやるべきことはわかっている」という雰囲気でした。

公式プラクティスを終えた選手たちは試合に備え、準備をします。北選手も当然のことながら、魚探データの整理、全てのラインの巻き替え、そしてロッドの選択作業、小物の整理と在庫確認などを行います。ライン巻き替えは15本以上に及ぶので、時間も数時間かかります。

遠賀10

「ライン巻き替え、タックル入れ替え中の北選手。バーサタイルでランガンスタイルな彼であるがゆえに、用意するタックルは多くなる。」

他にもバッテリー充電、ボート各部のチェックなどやるべきことは多岐にわたります。全国各地をトレイルするトップ50。宿泊先の手配、ボートを止める場所、電源、ガソリンスタンドやコンビニ、食事の場所の確認。釣り以外にも気を使うところがたくさんあります。それらをほとんどの選手は自力でこなしていくのです。しかも試合だけでも3日間。公式プラや移動時間を考えれば1週間単位で日程を確保できなければ出場すらままならないのがJBトップ50のトレイルなのです。

色々な選手の話を総合すると、状況がタフなのは間違いないようです。ノーフィッシュが毎日10名近く出るのでは?との予想もされました。年間タイトルを考えると大ハズシは避けたいところですが、手堅く凌ぐパターンが極めて難しい状況。ノーフィッシュの恐怖に打ち勝って、攻め続けることが出来るかどうか、他の選手の後を釣ることが避けられない展開で、いかに釣り勝っていくか、そんな試合になりそうでした。

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