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Bass Fishing社員ブログ 感動と興奮のJBトップ50第2戦 開発担当の観戦記。沢村幸弘、ベイトフィネスで遠賀川を制す。 Part 3

2013.06.14

感動と興奮のJBトップ50第2戦 開発担当の観戦記。沢村幸弘、ベイトフィネスで遠賀川を制す。 Part 3

さて、2日目の朝を迎えます。初日が終わった時点でのティムコチームの順位は、

沢村選手:1位
北選手:7位
山岡選手:23位

となっていました。2日目に臨む前にたいていの選手が考えることは、「今日、どの程度釣ればいいのか。」ということです。当然、初日の順位によってその指標が変わってきます。

初日1位の沢村選手の場合、2位に1500g差をつけた5160gとぶっちぎりのトップウェイトであることから、3キロを目途としたようです。2日間の合計が8キロを超えてくるとすれば、予選通過はもちろんですが、おそらくトップウェイト。ウェイトポイントが加算されるトップ50では、ウェイトを稼いでおくことでのアドバンテージと、3日間安定したウェイトを釣ってくることの両立が必要なのです。

7位発進の北選手の場合、初日に釣ったのは2658g/3匹。1匹あたり886gということで、グッドサイズに的を絞った戦い方というのが見て取れます。首位の沢村選手こそ、1匹あたり1キロを超えていますが、2位の篠塚選手のウェイトは3660g/5匹ですから、1匹あたりのウェイトは732g。北選手の狙っている魚のクオリティが高いのは間違いないところです。しかし、数が釣れない、バイトが遠いということは常にノーフィッシュの危険と隣り合わせです。ラン&ガンとピンスポット撃ち戦略が、果たして2日目以降も機能するのか、ノーフィッシュ、ノーバイトの時間に耐えて攻め続けることができるのか、メンタルの強さが問われる展開が予想されました。目指すはやはり3キロ/3匹でしょう。

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「北選手のデッキ上は全てテクナPMX。リールはK.T.F.チューン。北選手は左投げ右巻きのため、リールはすべて右巻き。」

23位と出遅れた山岡選手の場合は、予選落ちの危機と闘わなくてはなりません(30位までが予選通過)。ノーフィッシュはもちろんですが、キーパーカツカツ1本でも予選落ちの可能性があります。また仮に予選を通過しても、試合を上位で終えるためには2日目の時点で勝負に出ないといけない状態に追い込まれたと言えます。傍から見ていると初日は動かなすぎた感がある山岡選手。絶対はずさない、しかしそれなりのウェイトを狙うとなると、勝負に出なくてはならない、難しい2日目だと思いました。2500g/2匹あたりが目標だったのではないでしょうか。

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「山岡選手のロッドはテクナPMXとテクナGPが見える。リールは全てK.T.F.。山岡選手は右投げ左巻きで統一。」

全体の成績を振り返ってみましょう。

1位の沢村選手に次ぐ2位は篠塚選手。個人的には優勝候補の一角として戦前に挙げていました。河川の経験が豊富なこと、沖のストラクチャーフィッシングも上手い、といった理由です。4位に河辺選手、5位に今江選手ということで、ベテラン勢が気を吐いているということ、これが遠賀川戦の注目度をグッと高めてくれましたね。

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「沢村選手、スタート直前の1枚。このポーズからも余裕がうかがえる。2日目からはBasserさんがプレスとして同船。記事も楽しみだ!」

試合が始まると、やはり8時を過ぎたあたりから選手の移動が目立ち始めます。下流エリアで勝負をかける選手の中には当然、北選手、山岡選手の姿も見えます。

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「北選手、ヒット!」

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「無事キャッチ!ナイスサイズか?!」

沢村選手も早々に下流エリアに現れました。魚探を凝視しつつ、ベイトフィネスによるショートディスタンスでのアプローチを続けます。小移動ではデッドスローでのんびり、どことなく余裕を感じさせますが・・・・。

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「沢村選手のアプローチのキモが垣間見える写真。魚探を見つつ、ややバーチカル気味。エレキの水流がバックを踏んでいることにも注目。」

しかし、この時点では沢村選手が軽く両手を広げて「お手上げ」ポーズ。え、まさか・・・。ビッグウェイトの翌日に大ハズシ・・・。トーナメントではままあることですが、まさかその展開か?一抹の不安を覚えつつ、その場を後にしたのでした。

2日目の帰着は3時。前日のリリースフィッシュ狙いを避けるため、会場前は2日目より禁止エリアとなります。つまり会場前に来るということは、帰着となるわけです。

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「沢村選手、2時40分には帰着。余裕の早帰り・・・?」

お手上げポーズ以降、果たしてどうなったのか。一抹の不安を抱えながら同船していたBasser誌のSさんに目で訴えると、「バッチリです」とひと言。

O
「ウェインバッグに魚を移す沢村選手。グッドサイズもいるゾ!」

O
「4680g!ガッツポーズ!!今日もビッグウェイトを持ち込んできたぁ!」

沢村選手、朝の時点では手堅く3キロ程度を狙う、との姿勢でしたがなんのなんの、単日トップこそ譲ったものの、2位のウェイトを持ち込みました。もはや独走態勢か!

O
「単日2位の4680g。予選トップ通過。2位とのウェイト差は2786gと大差をつけたが、ポイント差は5ポイント。」

ウェイトポイントではもはやトップが揺るぎないものの、順位を換算したポイントを加えて順位を決めるのがトップ50。予選2位通過の川口選手は初日3位、2日目4位の好位置をキープしての通過なので、ポイント差は大きく広がることがありませんでした。川口選手の安定したウェイトは遠賀川における優勝パターンに限りなく近いものであったと思いますが、今回はいかんせん沢村選手が強すぎた・・というところでしょう。

O
「予選結果発表待ちの間にほかの選手と談笑する、沢村選手。笑顔に余裕が感じられる。」

北選手は2日目も攻め続けて2192g/3匹。単日10位のウェイトを持ち込みました。2日間合計4850gで予選6位通過。予選5位の今江選手とは1ポイント差。決勝でどちらが多く釣るか、その結果で表彰台が決まる順位です。
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「テクナPMXを駆使してピンスポットを撃ちぬいた結果。攻め続ける姿勢は岸から観戦していても感じた。」

山岡選手は、

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「無念のノーフィッシュ、残念ながら今回はこの時点で予選落ちが決定しました。」

初日よりも見切りを早めて移動を繰り返していたように見えましたが、歯車がかみ合わないと、とことんバイトが遠のく、そういう状況だったのかもしれません。リザーバーでは神ががり的な強さなんですが・・・。

北選手は決勝に備えてラインの巻き替え、タックルの組み直しを行っていました。メインのリグはテキサスリグ。この試合から導入したテクナPMX・TPMX610CMLP+J(2014年モデル)との組み合わせで、好感度、高精度のアプローチとフッキング後のパワーを重視したセッティングです。悩んでいたのはフック。いつも使うフックとのバランスに一抹の不安を抱えていたのです。実際プラの段階から毎晩付近の釣具店に行って、さまざまなフックをチェックしていました。

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「準備に余念がない北選手。すべてのタックルをイチから組みなおします。」

決勝は30人に絞られます。選手は減る分、ピンスポット争奪戦は緩和される可能性がありますが、もともと沢村選手や北選手が勝負エリアとしている下流エリアは選手が多くはいません。しかし、それでも被りまくる事実。果たしてピンスポット攻略が3日間持つのか。天気が崩れてローライトになることで、魚のピンスポットへの依存度が下がる可能性もあります。予選結果では圧倒的な沢村選手に大きなアドバンテージがあるのは間違いないところですが、波乱の要素も少なくない、そんな状況で試合はいよいよ決勝を迎えます。

続く。

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