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Bass Fishing社員ブログ 「勝利へのターニングポイントを目撃。北大祐が制したトップ50第3戦」開発担当の観戦記 Part3

2013.07.26

「勝利へのターニングポイントを目撃。北大祐が制したトップ50第3戦」開発担当の観戦記 Part3

Part2からの続き

Day 2 決勝
2日間に日程が短縮されたため、予選カットがなく全員で迎える最終日。この水系で強いとされる選手が北選手よりも上位に位置していたため、5位と好位置につけてはいたものの優勝するのは至難の業に思えました。
北選手はラン&ガンを身上として、攻めの姿勢を貫くタイプですが、その一方でライトリグを駆使して守り抜く、粘り抜く戦略にも長けています。マスターズシリーズやクラシックでの優勝はどちらかと言えばスローな展開の中で釣り勝ったもの。私自身、彼とともに長きにわたってマスターズシリーズにエントリーしているので、その強さも十分承知しています。
この試合が始まる前、2戦を消化して年間成績は3位に付けていた北選手。「年間優勝は常に目標。」と公言するだけに、この北浦水系戦を上位で手堅くフィニッシュすることは残り2試合を戦う上でも、非常に重要です。傍から見る限り、少なくとも初日が終わった時点では、優勝を強く意識しているようには感じませんでした。トップとのウェイト差、自分より上位の顔ぶれを考えると、トップウェイト近くを持ち帰り、なおかつ上位がブレーキを踏むことが条件となっているので、手堅くまとめに行っても不思議ではない展開だったのです。

この3日間で初めて穏やかな湖面にいつもよりも早く(1時間早め)エンジン音が響き渡ります。

P1
「北選手がランチング。この日は穏やかな湖面。」

スタートが始まると、北選手、山岡選手は北上していきます。沢村選手が対岸(北浦東岸)を目指して走って行きましたが、おそらく後で霞ヶ浦本湖を目指すことでしょう。

 

山岡選手のDay2

我々は陸上から北浦本湖を北上しました。山岡選手が前日3匹を固め釣りしたスポットには他選手が浮いています。懸念したとおりバッティングが起きてしまったのです。Day1ではどちらもそのエリアでキャッチしているだけに仕方のないことですが、結果として釣り分ける形になってしまい、Day2のウェイトはDay1より伸ばしたものの、リミットメイクに失敗してしまいました。

P2
「北浦本湖沖を釣る山岡選手。バッティングの懸念が現実のものに。」

沢村選手や北選手のように、ネコリグやヘビーダウンショットを多用せず、キャロでブレイクやハードボトムを釣っていることについて、その理由を質問すると、「自信がないというか、そこまでの精度がないんですよね、僕の釣りに。沢村さんのようにピンにビタッっと撃つとか、北みたいにココで食わなきゃ、移動!みたいな見切りがまだできない。どうしても、このへん、とかこの周り、とかで拾えないかな?って考えちゃう。まぁ、煮詰め方が足りないんです。」と自分を分析してくれました。

P3
「山岡選手は2日目を3142g/4匹。単日13位。総合11位に入賞した。」

結果的には2日間安定したウェイトを持ちこんだとも言えますが、「クイの魚がデカイと気付いても、クイの持ち駒が少なくて走ることが出来なかった。」と悔しさを滲ませていました。

 

沢村選手のDay2

沢村選手は北浦本湖を軽く触った後、霞ヶ浦本湖へロングドライブ。風が弱まり、メインとしていた西岸を落ち着いてアプローチ出来るようになったため、得意のベイトフィネスタックルでハードボトムのブレイクラインをダウンヒルで精度高く撃ち抜き、遠賀川戦同様にギルバイトのような微細なバイトをフッキングに持ちこみ、クォリティーフィッシュをキャッチしていったようです。惜しくもミスフィッシュがあってリミットメイクはならなかったものの、4180g/4匹を持ちこみ単日4位。初日の遅れを挽回して総合13位としました。

霞ヶ浦本湖はハマれば勝てる爆発力を持っているだけに、ハイリスクハイリターンの勝負パターンだったように感じていたのですが、試合後に沢村選手に話を聞くと、必ずしもそういう認識では無かったようでした。
「Day2はミスが無ければ6キロだったわけで、それはハマれば勝てるポテンシャルを持っている証し。だけどそう上手く事が運ばなかったにしても、2~3匹獲れればイイ位置に付けられるってことだから、凌ぐ、って意味でもこのプランはありだったと思うよ。年間成績を考えれば、大ハズシしないってことも重要だから。」

P4
「帰着直後。霞本湖でのパターンフィッシングを成立させたからか満足感が漂う。」

おそらく試合のマネジメントの中で、バッティングや風、魚のサイズ、個体数、自分のアプローチとのマッチングなどを考慮した結果、大半の選手がリスク高と決めて選択肢から早々に見切った霞ヶ浦本湖が、沢村選手にとっては凌ぐ場でもあり、勝ちに転ずる可能性も最も高かったということでしょう。

P5
「13位フィニッシュで年間成績は7位に後退したが2位とは10P差の混戦。ベテランの存在感は他選手にとって脅威になるはず。」

 

北選手のDay2

北選手は北浦本湖を北上し、朝イチ2投目でナイスサイズをラインブレイクでミス。その後はDay1同様、スピナーベイトでシャローを流すことから入ったようです。オブザーバーによるJBのツイッターによれば、

7:32 1本目をスピナーベイトでキャッチ。400g。
7:58 2本目をスモラバでキャッチ。350g。

と、早々に2匹のキーパーをキャッチしていますが、サイズが伸びません。2匹目をキャッチした際には「まずは5匹揃えることが大事。」と語ったそうですから、この時点では優勝を強く意識した展開ではなかったのかもしれません。

8:32~9:33 には移動を繰り返し、キッカーパターンを探り始めました。この約 1時間はバスをキャッチ出来ていませんが、この間にやるべきこととやってはいけないことを整理していったのではないでしょうか。

続く

Part1
 Part2
 Part3
 Part4


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