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Bass Fishing社員ブログ 北大祐が制したトップ50第3戦。そのウイニングタックルを解き明かす。

2013.07.30

北大祐が制したトップ50第3戦。そのウイニングタックルを解き明かす。

皆様こんにちは、営業担当の大津です。さて今回、私JBトップ50第3戦北浦戦に行ってまいりました!結果はご存じの通り、北プロのTOP50初優勝で幕を閉じました。

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今回は前日プラクティス同船を含め、密着取材を行いました。
 

普段は営業がメインの仕事である私は北プロを含め、実際の現場で話をする機会は実はほとんどありません。今回は実際のフィールドで話を聞ける貴重な機会となりました。今回は各プロのモノの考え方や試合に向けてのマネジメントを、実際の現場で見ることができました。

北プロに関しては本当に色々なモノを試すアングラーです。強豪ひしめくTOP50選手の中で、どんな場所でも特定のタックルで戦い結果を残すタイプと、色々なルアーを試し結果を残すタイプがいます。北プロは明らかに後者のアングラーです。ルアーはもちろんシンカーフック等、本当に多くのモノを試し実践に投入していくアングラーです。

フェンウィックロッドに関しても同様です。沢村プロのように軽さと感度、キレの良さを重視したスーパーテクナとゴールデンウィングメインで使用するといった、特定のカテゴリーロッドで試合に臨むということはありません。PMXやテクナGP、アイアンホークフックセッターまでと多岐にわたります。実際、今回の試合でもフェンウィックすべてのカテゴリーのロッドを投入していました。

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今回も実はこれといって場所やロッド、ルアーを煮詰めて試合に臨んだわけではありません。二日間で何本もスピナーベイトでキャッチしていますし、ミニラバ1.8g(トレーラーはマルチスティック3.5)でも多くの魚をキャッチしています。二日目のビッグフィッシュパターンを把握した後はダウンショットのみで釣っていますが・・・。この辺りはJBのHP内にある、JBトップ50第3戦東レ・ソラロームCUP写真を見ていただけるとわかると思います。

さて、そんな北プロがメインに使用していたタックル達。1つ1つを解明していきたいと思いますが、今回に関しては勝利へのメインタックルとなった、ダウンショットに焦点を当ててみたいと思います。特にこのHP内では、少し踏み込んだ、マニアックな内容にまで掘り下げていきたいと思います。

ダウンショットのメインとなったタックルセッテイングはこちらになります。

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ロッド: GWT70CMLP+J(プロト)
リール: KTF アルデバランフィネス(ハイギア)
ライン: FCスナイパー10lb.
ルアー: Garyストレートワーム4インチの5gダウンショット(Wクレン搭載)
 
 
一見すると何の変哲もないセッテイングですが、これらはそれぞれにすべて意味のあるセッティングです。

まずキーとなるのはロッドでしょう。このゴールデンウィングツアーエディションGWT70CMLP+Jは、フェンウィックオリジナルフィネスガイドシステムを搭載したワンオフのプロトロッドになります。発売は全くの未定のアイテムですが・・・。フィーリングとしては、ELT611CMLP+J(現在廃盤)に近しいテーパーを持ったロッドで、現在のラインナップで考えるならばTAV-GP69CMLJに似ているロッドでもあります。

しかしまずこの二本と大きく異なるのは【恐ろしく軽い】ということです。ENG611CMLP+JやTAV-GP69CMLJに比べ非力ですが、ゴールデンウィング素材ならではの操作性を重視したロッドとなっています。ロッドの硬さに関しては5gのダウンショットにあったものを選択するという考え方で、投げやすくアクションもさせやすいバランスを持ったもの。7フィートという少し長めのロッドを使用しているのは、キーとなったクイに対し、ロッドストロークでスムーズにフォールさせたいからとのお話でした。

余談ですが、リールに関しても同じで、今回使用したK.T.F. アルデバランフィネス(ハイギア)は【遠心ブレーキならではのフリーフォール感】を出せるために使用しています。同じK.T.F.ブランドであるアルファスフィネスも北プロは使用しますが、今回のこのようなフリーフォールの釣りには基本的に使わないそうです。

そしてルアー・・・。皆様一番気になるのは使用しているルアーだと思います。ですが、今回はいわゆる霞ヶ浦水系のアングラーがよく使用するルアーで魚をキャッチしています。これは真実です。今回私がTOP50の試合会場に行き強く感じたのは、【秘密のルアーなんてない】ということです。今回も多くのプロたちが、一般的に良く霞ヶ浦水系で使用されるルアーを使用して沢山のバスをキャッチしています。たとえ秘密のルアーがあったとしても、それは多くの重要な要素の一つでしかないと今回強く感じました。

それでも釣果の差は生まれます。場所の選択はもちろんですが、タックル面の最大のキモは全体の総合的なバランスだと感じました

 
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今回、メインとなったリグはダウンショットなわけですが、シンカーは5gで極めて一般的な霞ヶ浦のセッテイングの一つと言えるでしょう。WBSプロからおかっぱりアングラーまでが使用する、ごく一般的なものです。しかしなぜテキサスやノーシンカーでなく、ダウンショットなのか?これは北プロがメインとした場所がクイだったためです。ダウンショットのメリットの一つに【ルアーを真っすぐフォールさせることができる】というのがあります。シンカーが先行するダウンショットは垂直なストラクチャーを攻略するのに優れています。クイに対して垂直に真っすぐ落とすことができるもの・・・それがダウンショットだったわけです。

霞ヶ浦のダウンショットですと、つけるワームはホグ系が好まれる場合が多いと思います。エビやゴリを捕食する霞ヶ浦のバスたちは昔からホグ系が大好き。実際今回、山岡プロは霞水系で評価の高いフラッピンホグJr.のダウンショットを使用し、二日目の1500gフィッシュをキャッチしています。しかし今回北プロは、4インチストレートワームを使用していました。これは私も不思議だったのですが、北プロに確認してみると【強いスパイラルフォールで誘いたいから】とのことでした。スパイラルフォールは北プロが特に意識するフォーリングの姿勢のようで、この【スパイラルフォール】は他の湖でも意識する重要な要素の一つと話していたのが印象的でした。

 
しかし、ダウンショットを使用されている方はよくわかると思いますが、とにかくラインがよれます・・・。ティップ付近にラインが絡み、ストレスとなることはだれしも経験があることだと思います。さらに今回のように、ラインが10ポンドと若干太くなるとラインのよれが強く出てしまいます。
 
そこで北プロはダウンショットの上の部分にスイベルを必ず入れます。これによって糸よれをなくし、快適にダウンショットを行うことができるというわけです。スイベルという些細な部分ですがこれに対しても北プロは強いコダワリを持っており、オーナー社のWクレン22号という極めて小さなスイベルを使用しています。2つの胴で、それぞれが回転し強力に糸ヨリを素早く取るスイベルであり、小さくとも十分な強度を出しているスイベルです。この小ささと軽さというのが最大のキモで、リグ全体のアクションの妨げにならず、スイベルの存在を感じることなくリグをアクションさせることができるシステムです。Wクレンに関しては、TOP50プロの中でもひそかに主流になってきているスイベルです。

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北プロは私の【なぜコレなのか?】というタックル面の質問に対しては、明確に意味のある答えを返答していただけました。経験や感覚だけでタックルを決定していくだけでなく、確かな裏付けをもって、1つ1つの道具を厳選し試合に臨んでいる姿勢を感じました。

北プロのタックル細部に至るまでのコダワリは凄まじく、どのフィールドでも結果を残すトップトーナメンターである理由の一端を垣間見ることができました。

船のセッテイングや各魚探の秘密、その他今回メインにならなかったタックルたち・・・この辺りはまたの機会に。

 
 
大津

 

 
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