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Bass Fishing社員ブログ 私の瞳から見た、沢村幸弘プロ

2013.08.23

私の瞳から見た、沢村幸弘プロ

前々回のTOP50遠賀川では圧勝となった沢村プロ。

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前回の北浦戦では初日は29位出遅れたものの、二日目は短日4位のウエイトを叩き出し、総合でも13位まで追い上げました。

驚くべきはそのウエイインした魚のクオリティでした。初日2本2064g、二日目4本4180g。沢村プロがウエイインした魚はどれもクオリティの高い魚でした。沢村プロ曰く、「今回の試合はなんとか凌ぐ試合展開になる」とコメントしていたものの、持ち込んでいる魚を考えてみればこの試合でも優勝に絡んでもおかしくなかったと私は思います。「二日目はミスが無ければ6キロだった」という沢村プロの釣りは相当にストロングだったのだと思います。桧原湖戦を控えた現在、年間成績は7位。

さて、そんな沢村プロを支えるものは当然ベイトフィネス。それに加えて、ネコリグを得意としており、そんなサワムラ式ネコリグに関しては9月号のバサー様に記載されており、非常に参考になる記事となっております。

沢村プロを象徴するスタイル、ベイトフィネスに関しても、多くの紙面等で語られているので、今回は【私の瞳から見た、沢村幸弘プロ】を書いてみようと思います。

沢村プロはとにかく【効率】とその【成果】を意識するタイプのアングラーです。山岡プロのように、野生の感でバスを狩りとっていくタイプのアングラーとは本当に対照的のタイプです。あらゆる無駄をひとつひとつ削り取っていって、試合へのマネジメントを組み立てる・・・これが沢村プロのスタイルだと思います。っといても難しいものではなく、その考え方の根底は実にシンプルなものです。その考え方は、自らのベイトフィネスリール開発に色濃く出ています。

ベイトフィネスという言葉が生まれる以前、沢村プロがベイトリールに求めたものは、

「5gアンダーのルアーを正確にキャストしたい。そして軽いルアーを太いラインで快適に扱いたい。」

ということでした。沢村プロはそのために何をしなくてはならないか?を次に考えました。その結果、スプール重量を軽くし、そのレスポンスを向上させることを目標としました。スプールに対して巻かれるライン重量も軽くするために、スプール底面の高くする、それに伴ってベアリングを小口径化するなどの方法を取りました。これらよって沢村プロは、ベイトフィネスの黎明期を支えていきました。

そして現在に関してはその考えは更に昇華され、初期のベイトフィネスリールとは比べ物にならないような仕上がりとなっています。自らが感じるストレスをひとつひとつ削り取っていき、その先にある【究極のストレスフリー】を作り出す。この考えがリール開発に色濃く出ています。

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フィッシングスタイルに関しても同様です。

沢村プロは【バスがいそうなところをダラダラ流す】という非効率的なスタイルは好みません。それは例えるならば、マシンガンで広範囲で制圧するようなタイプではないのです。バスがいるところを正確に射抜くような、それはまるで一撃必殺の精密射撃を行うようなスナイパータイプ、それが沢村プロです。

前回のTOP50北浦戦のメインエリアとなったのは浚渫です。浚渫の釣りといえば、ある程度広く探る印象があり、これは一見すると沢村プロのスタイルには当てはまらないようにも感じます。しかしこの浚渫でも沢村プロの精密射撃は行われていたのです!沢村プロは狙う浚渫のブレイクに対し並行に船を流し、ショートキャストでブレイクのショルダーのみを狙い撃ちしていたのです・・・。沢村プロには魚探を通し水中が完全に見えていて、それに対してピッチングで狙っていく。これは常人には真似できない、もはや離れ業といってもよいアプローチ方法でしょう。

沢村プロのスタイルを象徴するかのようなボートフロント部。

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無駄が省かれ、シンプルかつベストなセッティングとなっている。

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ちなみに近年、沢村プロは一部の極細ラインを使うようなフィールド以外、ベイトタックルのみで試合を戦っています。これは一見すると沢村プロのこだわりのようにも感じますが、それは大きな間違いです。沢村プロはスピニングよりも優位性があると感じているためにベイトタックルを使用しているのです!

なかなか信じてもらえない部分でもあるのですが、沢村プロの開発しているベイトフィネスタックルは、スピニングよりも感度がよく、そしてタックルが軽いため操作性も向上します。【操作性が上がる】【感度が上がる】【軽い】、そしてセッティング次第ではスピニングよりも飛距離がでる・・・。結果として沢村プロはスピニングよりもベイトの優位性が高いと考えているのです。

ここでは割愛しますが、スピニングの良さももちろんあります。ですが自らのリグの完璧にコントロールするにはベイトタックルがベスト。ただ同じベイトフィネスタックルでも、決してだれしもが沢村プロと同じようなパフォーマンを発揮できるわけではないと思います。極限のベイトフィネスの領域は、さながらF1マシンです。だれしも同じように乗りこなせるわけではありません。しかしこのマシンを乗りこなすことができれば、大衆車にはなしえないようなパフォーマンスを発揮する…。沢村プロはそれを体現し、試合に結び付けているからこそあの遠賀川の圧勝につながったといえるでしょう。

大津


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