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Bass Fishing  社員ブログ   小型スピンテールジグ「ライオットブレード」完成までの道のり

2016.04.05

小型スピンテールジグ「ライオットブレード」完成までの道のり

ライオットブレードは小型スピンテールジグというカテゴリーに分類されるルアーです。小型スピンテールジグは「投げて巻くだけ」でコバスからビッグフィッシュまで一網打尽できるスーパールアーとして、中京地区を発端にいまや全国区へ広まりつつあるルアーカテゴリーだと思います。

 

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カテゴリーとしては比較的日の浅いこのバス用小型スピンテールジグの世界。それまでスピンテールジグというものはリトルジョージを代表するように、ボートで使用することがある程度前提であり、リフトフォール中心の考え方で使用するのが一般的でした。そのため、少し特殊なルアーカテゴリーというイメージを誰しもが持っていたことでしょう。おかっぱりで投げて巻くだけで釣れる小型スピンテールジグ…?私自身も最初は半信半疑で、ある釣具店のスタッフに言われるがまま買って使用してみたのが、小型スピンテールジグのと出会いでした。自分も当時、これほどまでに釣れるルアーがまだ存在したのかと驚いたものです。

 

そしてその後、小型スピンテールジグ開発に着手するのですが、このライオットブレードの開発当初から考えにあったのは、

 

「あらゆるストラクチャーをかわす小型スピンテールジグ形状にしたい」

 

というものでした。ルアーの前側にリップのような構造がない小型スピンテールジグはとにかくストラクチャーに弱く、あっというまに根掛かりしてしまいます。また当然、ウィードなどもひろいやすく、すこしでもストラクチャーが存在すると根掛かりします。ストラクチャーが目視できる水質、もしくは根掛かりのないオープンウォーターで使用することが小型スピンテールジグの使用条件にもなっていました。

 

しかしながら、ラージマウスバスというのはストラクチャーに依存するタイプの魚です。すでにこれほどまでに釣れる小型スピンテールジグ。根掛かりを気にすることなくカバー周りで使用することができれば、使用できるシチュエーションも増え、結果的にさらに釣れるルアーへと昇華できるであろうということは容易に想像できました。

 

その後、思いつく限りの根掛かりを回避するための手法を試しました。ボディを奇抜的な形状にしてみたり、針を背中にしてみたり、ブレード位置にフックを取り付けてみたり…。しかし、泳がない・飛ばない・強度が出ない・掛からないなどのトラブルに見舞われ、それらはまったく形になりませんでした。

 

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※ボツプロトのひとつ。回転して飛ばないことと、なによりフッキング率が異常に低かった。

 

 

そしてあるとき偶然にも発見したのがこのライオットブレードの最大の特徴ともなっている前方方向に伸びる2本のアームです。たまたまデスク机の上にあった左右に広がる2本のアームを持つスピナーベイトを見て、「これがさかさまに泳げば、トレブルフックを持つルアーでも根掛かりしないのではないか?」と思いついたことですべてが一気に形になりました。

 

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すぐに2本のアームを試してみたところ、この形状は既存のクランクベイト並にストラクチャーに強いことがすぐにわかりました。硬いストラクチャーだけでなく、ウィードエリアで使用しても同様で、2本のアームは本当に画期的なシステムだと確信を持ちました。

 

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小型スピンテールジグを使用していて、もっともストレスを感じる点としては根掛かりだと思います。ではその次に気になる点としては何かと考えると、「どうしてもフックのサイズが上げられない」という部分でした。2本のアームを搭載した、当時のプロトライオットブレードも同様でした。この状態でも極めてよく釣れ、快適に使用できました。しかし、この点が私の心の中でずっと引っかかっていました。

 

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小型スピンテールジグの多くは最初はかなり小さなフックがついています。そのままでももちろん釣れるのですが、この従来付いているフックサイズを1〜2サイズ上げてみるとさらに掛かりが良くなり、バラシも減少、もっともっと釣れるなと思っていました。またフックサイズが大きくなると、線型がある程度太いフックも選択肢に入れることができます。小さなトレブルフックは線型が太いモデルの種類が少なく私自身、細いフックを伸ばされて嫌な思いをしたことがありました。

 

ある程度のウエイトがあるのが小型スピンテールジグです。このウエイトが向かい風などでも抜群の飛距離を生み出し、釣果をもたらす要素のひとつだと思います。ルアーウエイトは7~10gが一般的な小型スピンテールジグであり、そうなるとロッドはMLくらいのベイトロッドを使用したい。だが、ロッドのパワーにフックが負けてしまう。負けないフックがなかなかない。そういう矛盾が小型スピンテールジグにはあるなと感じていました。ですが、単純にフックサイズを大きくすると・・・

 

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このように背中にフックを背負ってしまう。当然これではバスは掛からないのですが、ストレスを感じるのはキャストしリトリーブしていても手元に来るバイブレーションがほぼ変わらないということです。フックが背負ってしまったことに気が付かずリトリーブしてしまうことによって、「無駄キャスト」が生まれてしまう。

 

しかし、意識してキャストすればそのトラブルが起こるのは少ないですし、それを差し引いてもフックサイズを大きくするとよく釣れることはテスト結果でわかりました。冬バスのたまりやすい、温排水エリアで何百というバスを釣りあげテストしましたが、やはりそう感じました。

 

そこで試したのは『リングを使用せずフックを直結する』っということでした。こうすればフックポイントと背中までの距離が生まれるので、大きなフックも使用できるはず。まずはフックのアイ部分をワイヤーカッターでカット→開いて閉じるっというものを簡易的に行っていました(メーカーによっては取り付け時、折れます)。

 

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これは本当に快適でした。この仕組みだとボディの背中にフックが乗ってしまうトラブルも起きませんし、何より良く釣れる。リングがない直結フックではバラしが多くなるのでは?っと言う思いもあったのですが、これに関してはほとんど気にすることはなかったです。無論、ルアーに取り付けるフックの自由度は高いほど掛かりやすくばれにくい、というのは基本的な考え方としてあると思います。しかしこの小型スピンテールジグでは小さなフックとリングの構造よりも、リングなしの大きなフックのほうが良い。バスのバイトを確実にものにできる。これが開発の結果、導き出した結論でした。

 

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ですが製品版で、フック自体を切ってかしめる訳にはいかない。結果的にラパラ社アイスジグでもお馴染みな、ボディ側のアイ部分を開いて閉じるという仕組みに落ち着きました。魚を釣っても強度は大丈夫なのか?っと思われるかもしれませんが、採用しているのは1mm径のワイヤー。テストではこのワイヤーが伸びたことはなかったです。大抵の場合根掛かりして引っ張っても、その前にラインが切れます。

 

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カバーをかわす2本のアーム・バイトを確実にキャッチするフック構造、これらと並行して開発を進め、他が完成してもなお納得いくレベルに至らなかった部分はブレード部分でした。今回重視したのは、

「フックとブレードが絡まない」
「立ち上がり感」
「適度なバイブレーション」
「ボディが回転しない安定性」

これらの総合的バランスです。どれかひとつを形にするのは容易です。しかし、これらすべてを実現するブレードを作製するのは極めて時間のかかる作業となってしまいました。

 

「フックとブレードが絡まない」ということは、快適にルアーを使用するうえでももっとも重要です。これを解決するためにライオットブレードは、ボールベアリングスイベルをボディに直結する方法を採用しています。ボールベアリングスイベルをスピナーベイトのようにそのまま取り付けてしまうと、フックに絡まってしまうためです。一見するとフックとブレードが絡まないことを実現するのは簡単に思えますが、回転するブレードを制御することを考えると、実は容易なことではありません。

 

ブレードというのは均一な水流を受けることで、均一な回転を維持します。それゆえ、前にボディが存在するスピンテールジグは、その前のボディの乱流に巻き込まれることになり、回転力が安定しません。取り付けるブレード種類によっては、全く回りません。それを解消するためにまず基本的なボディ形状として、上から見ると極めて細い形状をしています。これは他社も同じところがありますが、ボディを細くすることによって、生まれる乱流を減少させています。

 

またボディを細くする以外に乱流を避ける方法としては、ブレードからボディまでの距離を設ける方法があります。ボールベアリングスイベルはそれ単体でかなり長さがあります。その長さをいかしてボディとブレードまでの距離を稼ぐことやまた、それ以外にアームを長くする方法もあります。しかしこれらだと見た目の小型感が損なわれてしまい、「小型ゆえにバイトが多い」という、小型スピンテールジグの良さが際立たないために不採用としました。

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※ティムコソルトルアーのオーシャンスピン。ローリングスイベルの長さを前のフックに絡むことなく、活かして回転性能を引き上げている。ソルト系のスピンテールは様々な工夫がされている。

 

 

結果としては、ボールベアリングスイベルにリングを2個取り付ける方法を採用。ボディ乱流に巻き込まれにくい距離を設けることとブレード自身の自由度を引き上げることによって回転力に安定性を持たせています。これによって着水直後からでもブレードが安定して回転する性能を持たせ、フックにも絡まらず、小型感が損なわれず製品化することができました。

 

そしてブレードの形状。見た目はまったく特徴のないブレードとも言えますが、このブレード以外を取り付けるとライオットブレードは最高のアクションを維持することができません。一枚ブレード、特に片側方向に回り続ける一枚ブレードを持つスピンテールジグはその回転方向にボディが引き寄せられやすく、場合によってはボディごと回転してしまいます。

 

一般的にボディバイブレーションが弱くなればなるほどボディの安定感は高まります。逆にボディバイブレーションが強くなればなるほどボディが回転方向に引き寄せられてしまいます。傾いて泳いだとしても釣果は変わらないことはテスト結果で解っていたのですが、ルアーとして不完全という考えもあり、なんとかボディの安定感を引き出すことを考えブレードを作り込んでいきました。

 

安定感を持たせるにはボディがまったくバイブレーションしないブレードが望ましい。しかし、マディやクリアウォーター、様々なシチュエーションで使用することを考えたバイブレーション感を実現したかった。時間を掛け、何度もブレード形状を作り直し、適度なバイブレーション感を重視しボディが安定する最高のバランスのブレードを作り上げました。

 

そしてようやく完成まで至ったのが今回のライオットブレードです。

 

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ライオットブレードはスピンテールジグの最大の弱点だった『根掛かり』をクランクベイトの如く圧倒的にかわし、抜群のフッキング性能を引き出した次世代小型スピンテールジグです!今まで根掛かりを恐れて小型スピンテールジグを使うことができなかったマディウォーター、霞水系での使用を一番にオススメしたいと思います。マディウォーターでの小型スピンテールジグがこんなにも釣れるのか!っと実感していただけると思っています!!

 

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