2014年、TMCフックは皆様に支えられ30年の節目を迎えます。今回は当時のカタログや広告とともにその歴史を振り返ってみたいと思います。
1984年
「ティムコのながいあいだの夢が、やっとここに形を得ました」。TMC100、101、200、300の4つのモデルからのスタートでした。日本の高度な釣り針製造の技術、島崎憲司郎氏の画期的なコンセプトとデザイン、ティムコのグローバルなネットワークを結実させました。
1985年
ブラックフィニッシュのヤマメフックTMC102Yを発表。水中でグレーがかった鉤光りを起こさない端正なカーボンブラック。
前年にデビューしたTMC200は「オーガニックベンド」と呼ぶ生物独特のカーブを持ち、次第に評価を得ていきました。
1986年
この4つのモデルもその後の定番となっていきました。
1988年
米国Rod&Reel誌のKudo賞を受賞。発売からわずか4年で米国市場でも評価を得るに至りました。それまで品質が安定せずギャンブルだったフック選びを安定した品質によって変革し、強靭かつ弾性のある焼き入れ、スーパーシャープなポイント、小さいバーブ、スムースなフィニッシュ、綺麗に処理されたアイ、これまでにないデザインで支持を広げていくことができました。
その後も今に続くラインアップが追加されていきます。TMC8089はデイブ・フィットロック氏やジミー・ニックス氏の助言を取り入れて完成しました。ニッケルフィニッシュのTMC9394など、TMCの海用フライフックはレフティー・クレー氏をはじめ、当時最高のFFMの意見が活かされています。
伝説的フライフィッシャーマンの豪華なラインアップ。"Hooked" on TIEMCO fly hooks."
1989年
TMC200を200Rへとリニューアル。ランドール・カウフマン氏も愛用のTMC900BLはこの年に発売。単なるバーブレスではなく、最初からバーブの必要の無い針として設計されています。その後この独特のポイント形状は海外のメーカーにも影響を与えました。ステンレスワイヤー製のソルトウォーターフックも登場。
1991年
世界中のエキスパートからのフィードバックを反映し、その後ロングセラーとなるソルトウォーターフックTMC811Sを発売。
TMCフックはその一つ一つの説明書きもご好評をいただいておりました。例えばこんな感じでした。
- 「あらゆる季節にフローティングラインを活用してスチールヘッドを炸裂させるフライフィッシングの白眉、ドライライン・スチールヘッディング。冬でさえもシンキングラインやオモリの類とは一線を引いて立ち向かう至芸の釣り。使うフライは例えばあのウインターズ・ホープ、炎のフライ…それにはこんな鉤が最高なんだと名手ビル・マクミランは言います。大型マツーカなどにもピッタリです。」
1992年
TMCフックの真骨頂、スーパーシャープなドライフライフック。
1993年
熱烈なご愛用者も多いTMC109BLとTMC206BL。レネ・ハロップ氏は今もTMC206BLのサポーターです。
1996年
アイがオープンになっていて糸通しの煩わしさを解消した画期的なクイックアイフックを発表。
1998年
海外で先行発売していたBLシリーズを日本でも発売開始。またTMC2488は単にTMC2487をストレートアイにしただけではなく、一からの設計。
2000年
最小のアイ付きフライフックTMC518の32番を発売。日本の釣り針製造の技術の結晶。あるプロタイヤーはその小ささに感動して巻いた32番のロイヤルコーチマンを見せてくれました。
2001年
SPポイントシリーズを発売。
2004年
二度目のKudo賞を受賞。これまでフライフックにもたらしてきた数々の貢献をご評価いただきました。
2008年
前年に発表したTMC212Yに続き、112Yを発売。進化する日本の渓流釣りへの提案。
2013年
日本の渓流向けであった針を海外へ。世界から日本へ。日本から世界へ。
まだまだ個別にご紹介したいフックや出来事もたくさんあるですが、今回はこの辺で。
これまでのご支援ご愛用、本当にありがとうございました。2014年も以下のラインアップを追加して、ますますパワーアップして参ります。今後ともよろしくお願い申し上げます。
2014年
TMC226BL
待望のTMC206BLの大物対応の太軸バージョン。レネ・ハロップ氏の熱烈なリクエストで実現。
TMC113BLH
刺さりやすくバレにくいTMC103BLのニンフバージョン。
TMC784
待望のチューブフライフックがいよいよTMCに登場。
TMC785
アーティキュレイテッドフライ用のアップアイトレーラーフック。