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アンダーハンド釣行記

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2014.11.21

ヨラン・アンダーソンの話

アンダーハンドをやっている人なら彼の名前は知っていると思うが、その歴史についてここで少し紹介しよう。現在70歳になるヨランはスウェーデン生まれで1952年に世界で初めてシューティングヘッドを作ったフライマンだ。彼の父はバンブーロッドビルダーだった。それゆえ5歳の時からフライフィッシングをしていたそうだ。7歳の時、バンブーロッド・シルクライン時代にシルクラインをカットしてモノフィララインに繋いで、木の下の大きなブラウントラウトを釣ったという。


一般的なフルラインは遠くに投げるとストレート(平行ループ)に飛びにくいという問題を解決したことで狭い木の枝の下にフライが入ったわけだ。このラインシステム、はじめは名前がなく、後に違う国の人がシューティングヘッドと呼ぶようになった。結果とても飛ぶものというイメージが先行していく。しかし目的は手前を軽くしてストレートラインを作るということだった。


1952年の絵



1960年代理論的に理想のキャストは完成していたが1973年頃にグラファイトロッドを手にできたことでそのシューティングヘッドでDループからもオーバーヘッドからも状況に応じて投げ分けできるシステムを完全に現実的に確立し、Dループからシューティングヘッドを投げる方法はダブルハンドで下手を引くことからアンダーハンドキャストと呼ばれた。また北欧誕生のキャストなのでスカンジナビアンキャストとも言われる。ちなみにこの下手を引く動作はやはりシューティングヘッドでストレートラインを作るためのものだった。

ストレートライン



子供の頃からアトランティックサーモンやトラウトを釣る環境に恵まれていたヨランは、若い頃はヨーロッパで有名なトーナメントキャスターでもあった。アンダーハンドの飛距離について、前回来日した際にも質問が出ていたが、記録は75m。サーモンフィッシングの膨大な経験とずば抜けたキャスティング能力、さらにフライフィッシングの全てを物理学的に解析する能力をもつダブルハンドの大家は1980年代~1990年代にアメリカのメーカーからダブルハンドロッドデザインを依頼され、発売されるとプロモーションでそのメーカーと全米にロッドとアンダーハンドを紹介しに行く。当時アメリカの著名なフライマンがアンダーハンドキャストを見てとても驚いたという。またこの時、ジムグリーンやメルクリーガーなどにもダブルハンドキャストを教えた。


札幌スクール



また、ヨランは世界で初めてラージアーバーリールをデザインし、ループ社は1980年代にこのリールを製品化する。はじめは奇妙に大きいデザインは受け入れられなかったがアメリカで火がつくと世界中で売れるようになっていった。

ラージアーバー-(2)



さらにロッド、ライン、リーダーのテーパーなどを物理学的に解析して最適なものを数字的に表わす能力に長けていて、ディープアクションでおなじみのシグネイチャーロッドやオプティライン、マルチリーダーなどは素材の変更があった時以外、途中でのリニューアルなどはなく、ずっと変わらない。最近では多く見かけるヘッドとランニングラインのツートンカラーの一体化ラインもオプティラインが始まりのような気がする。

若い頃のヨラン



シューティングヘッドとラージアーバー、そしてアンダーハンドキャスティングと革新的なことを成し遂げてきたヨラン・アンダーソンは世界中でサーモン、スチールヘッドのみならずソルトを含め様々な魚を釣り続け、シューティングヘッドを使ったショートストロークのオーバーヘッド(北欧ではオーバーハンド)とアンダーハンドキャストを提唱し続けて半世紀にわたり世界中のショーでデモンストレーションを行ってきた。ヨーロッパの権威であり、フライフィッシングの世界においては歴史的な人物だといえるだろう。

世界記録



そんな彼は2003年に初めて来日し、日本をとても気に入ってくれていて、今回で7度目の来日になった。最後の写真はこの年のアトランティックサーモンの世界記録20キロオーバー。おそらくまた日本の皆さんの前に現れるかもしれない。


近藤記




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