Fly Fishing記事 | ティムコ

アンダーハンド釣行記

2015.01.13

都会のプールの釣り

首都圏には、夏場のプールを冬場にマス釣場にするところが結構ある。遠くに行かなくてもマスを釣れるし、値段が手頃だということもあり、休日にはかなり多くの釣人がやってくるのだ。

全景

この手の釣場は放流の情報等も流しているので、たくさん釣りたい人は事前に調べていくことをお勧めする。今回はお正月休みも明けた1月中旬にアンダーハンドをよく練習しているS君と川越水上公園に行った。この日は2人でインジケーターフィッシングを楽しんだ。タックルはGASS494にオプティストリームWF4F、S君はオプティスイッチにOH&Dフローティングヘッドだ。

仕掛け

こんな不思議なロケーションの釣りだが以外に奥が深いのだ。事実、テクニック次第では釣果の差はすごいものになってしまう。今回はS君にテクニックを教えながら2人で1時間半の間に40尾以上を釣り上げた。この日の平均的な釣れ方の5~10倍の釣れ方だ。

水上公園レインボー

さてテクニックを解説しよう。図の絵を見てもらうとわかりやすいだろう。コンクリートのプールはいわゆる3面護岸と同じで何の障害物もない。水車で流れを作っているので水深1.2mくらいの底に、マスは上流に頭を向けて定位する。ここからが問題だ。インジケーターからフライまでの棚を1.2m前後としてフライを流すと水面のインジケーターは底に沈んだフライを下流側にズッてしまう。いわゆるドラグだ。川底もそうだが、流れというのは摩擦の関係で底ほどゆっくり流れる。以前フライロッダーズ誌の記事で書いたことがあるがいわゆる“流速ギャップ”生じているのだ。

流速ギャップ

流速ギャップを計算してインジケーターの浮力をギリギリにしたり、上流側にメンディングしたりしてマスの定位している底のゆっくりした流れに合わせた流し方をするのがテクニックだ。流速ギャップを計算してこのテクニックを使うと、何もしないでインジケーターのあたりを待つよりはるかに釣れるようになるのだ。

水上公園スペシャル

フライはTMC3761の#14にウェイトを3分の2ほど巻いたオーソドックスなものだ。個人的には魚のダメージを考え、最近は、ニンフはTMC3761を使っている。ゲイプが狭く小さな魚でもダメージを与えにくい。

S君イワナ

さて、S君もこのテクニックを覚えて、次々と魚が釣れる様になった。フライフィッシングという遊びは個人的には数釣りを追い求めるものではないような気もするが、この場合“流速ギャップ”の理解こそがフライフィッシングの楽しみ方だと思う。この考え方は自然河川でも非常に役立つ。底の流れに定位するマスをウェットフライでハンギングして釣るのも、実はオートマチックに“流速ギャップ”を解消しているのだ。底の流れにいるマスがフライを確実に認識し食べる間を与えられるからだ。ちなみの流速ギャップという言葉は個人的な造語なのでこの原理を理解すると言葉は何でもいいと思う。

レインボーファイト

近藤記


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