9月の禁漁間際に信州の渓を訪れた。山を登り、崖を下りてたどり着くと源流らしく大岩が連続している。簡単には行けない所とはいえ自分が行けるという事は誰でもいけるということでもあるわけで、シーズン中それなりに人が入っていたのか、釣りはじめからしばらくは魚が全くいなかった。
入渓点から数百メートル上がって、難所を越えた最初のポイントで何の疑いもなくイワナがフライに出た。ここまでは人はあまり来ないのかもしれない。それからは各ポイントからイワナは出てきた。ここは居ないのかと思って通過しようとしたポイントでもイワナが走っていった。少し深めのポイントはドライフライに出にくいのか何度流しても出ないことが多かった。そこでニンフに変えるとインジケーターに驚き、走るイワナもいた。
さらに行くと源流の中のわずかな平坦ポイントが出てきた。そこを釣る前に一緒に来た知人とお昼を食べるため休んでいるとバシャっとライズ。しかしあわてる事もない。ここまでは誰も来ないし魚はどこかに行くわけでもない。食事を済ませ身をかがめて下流から近づく。観察するとイワナはテレストリアルではなくカゲロウを食べている。ボックスからTMC100#16に巻いたストレッチボディアイカザイムを出して、スローなラインでキャストした。アイカザイムは水面を震えながらドリフトしていく。次の瞬間バシャっといいサイズが出た!
エヴォテックキャスト390のMアクションは柔らかくバットから満月のように曲がっている。なかなか来られない場所での時間を味わうためイワナの引きを充分味わった。ランディングすると立派なイワナだった。
もう今年は来られない。来年もまた来ようと思った。
【タックルデータ】
ロッド:エヴォテックキャスト390‐4M
リール:オプティクリーク
ライン:OH&DヤマメWF3Fサンライズ
リーダー:OH&Dシングル11ft5X(バット1ft、ティップ2ftカット)
ティペット:ミスティプラス6X90cm
近藤記