Fly Fishing記事 | ティムコ

小甲 芳信

Fly Fishing  プロスタッフ  小甲 芳信   カブちゃんの「北の便り」

2013.01.17

カブちゃんの「北の便り」

今冬の北海道は例年の年間平均積雪量の65%以上が12月までに降り積もってしまうなど、近年稀に見る豪雪状況が続いておりました。

お陰で殆どの河川では川縁の道路が深雪により通行不能となり、今現在も除雪作業が滞っていて通行不能状態が続いています。
かくして、このような2013年の幕開けとなったワケですが、少し時間を戻して、昨年末にボクが釣り納めとして出向いた函館近郊の小河川での出来事をお伝えしたいと思います。

そこは北海道南西部の中でも幾分降雪量が低く、割と川縁までのエントリーが容易なことと、越冬するアメマスなどを見つけ、サイトで狙えるほどクリアーな水が流れていることでも有名な場所。
とは言っても、川幅の平均は4メートルもあるでしょうか?
所々に小・中規模の淵があり、高低差の少ない一般的な渓流ですので、使用したロッドはJストリーム733-4に、アクロンハイビスリーダー5x12ft、ミスティープラス・ティペット5x5ft前後。
狙う魚はもちろん越冬中のイワナ&アメマスで、ややスキニーではあるけれどそれでも尺超えならば十分楽しませてくれる魚達です。
ただし最近は多くのエキスパートが訪れるので、お気軽に「この時期ならばエッグでも投げれば十分反応が得られるだろう」と、高をくくっていると痛い目に遭うほど魚はスレているのでした。
実際、この日も幾つかのサケの産卵床を見掛け、その付近には寿命の終わりが間近に迫りつつも産み落とした卵を必死に守ろうと健気に泳ぐサケの姿が見られました。
そんな彼らを驚かせないよう、岸を遠巻きに歩きながら上流を目指すと、ひとつの淵に行きあたりました。

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流速が止まりそうな緩い流れ出しに数匹の魚影を見つけたのですが、4xのティペットに#10のニンフでは見向きもされず、#12のニンフに変えてからの数投目、ちょうど魚の正面にフライが流れたところ「ヒラリ」と魚体をひるがえしあっさりかわされる始末・・・・
これはキビシイかな?と、前記のシステムに変え#18のミッジピューパでようやく掛かったのは25cmほどのイワナ。
「よしよし、これで一年の釣り納めにボウズは回避できた・・・・」と安心して、今度は大胆にポジションを変えてみたところ、その淵のちょうど日陰の部分(下流側からは見えない)にはソコソコのサイズが揃っていて、中には40cmに迫るようなサイズのアメマスも・・・・・
しかしながら、百戦錬磨のアメマスたちは一向に動く気配がありません。
ボクの気配に気が付いて警戒している風でもないようでした。
それはまるで低水温により冬眠をしているようにも見え、しばらく観察していると、小一時間も立った頃でしょうか?その中の1匹が僅かに口を開いたように見えました。
また5分くらいすると、今度はハッキリと群れの中の1匹が真っ白い口を開いて何かを吸い込みました。
時間はお昼12時を回ったくらい。
どうやらほんのひと時の時合が来たようです。
それでもフライパターンが合わないのか、様々なタイプを流すもエサと認識していないのでしょう、咥える気配がありません。
幾つくらいのパターンを試したでしょうか?流れ込みから静かにフライを送り込み、折り重なるように定位する30cm~40cmほどのアメマスたちの真ん中をフライが流れた刹那、カラーリーダーが僅かに止まりました。
口を開いたアメマスを確認できなかったまま半信半疑で静かにアワセを入れた途端、群れの真ん中で明らかにこんな小規模渓流には似つかないサイズの真っ白い腹がもんどり打っています。

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アメ

蜘蛛の子を散らした様に逃げ惑うアメマス達の中で、一際デカイアメマスが暴れていることに呆気にとられたボクは、潜っては浮かせ、潜っては浮かせ、決して無理をせず、しかし魚に余裕を持たせないようプレッシャーを掛けながらようやくランディング。
この日はこの他にも、ここでは珍しい極上のコンデションだったニジマスにも出会え、少し出来過ぎな竿納式になりました。

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ニジ

ところでこの時使用していたロッドは前述した通り【Jストリーム733-4】だったのですが、今回使用した小規模河川の渓相・流量・流速などを鑑みて、またシーズン的な魚の運動量等を総合的に考えても、十分な対応が可能なポテンシャルであったように思います。
もちろん20mから25m以上の距離を大型のドライフライでコンスタントに投げ打つようなシチュエーションや、シンカーを3つ4つと連結し、ヘビーなシス テムで沈めるアウトリガーなど、そういった全く異次元なコンセプトの釣りには不向きでしょうし、広々としたプールを縦横無尽に走り回られるようなハイシー ズンの大型対象魚を狙う場合にも無理が生じてしまうでしょう。
ですが、今回のような小規模渓流であれば、希に出会う大型の対象魚にも十分対応してくれるほどのキャパシティーを持ち合わせたロッドであるとボクは思います。
(※ ここでお願いですが、シーンを選ばず、いたずらにスケールダウンさせたタックルと細いシステムで魚を釣ることは、リリース後の生死に関わってきますので、何卒深いご配慮を願います!!)

さてさて、これからは厳寒期の日本海を泳ぎ回る筋肉の塊と化したアメマスや、イワシなどのベイトへ突っ込むシルバーメタリックの砲弾サクラマスを狙えるシーズンに突入しました。
そんな魚を狙いに春遅くまで通いますので、面白い出来事がありましたらまたお便りします。
また、当サイトをご覧頂いた方から寄せられたご要望に、フライパターンも掲載して欲しいとのご意見がありましたので、僭越ながら掲載させて頂きました。
ありきたりのパターンばかりですがご参考にして頂ければ幸いです。

それでは皆さん、どうか今年が皆様にとってより良い年になりますよう心よりご祈念申し上げます。

― Keep It Bent !! ―

~フライレシピ~

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ケースドカディス

ケースドカディス (ニジマス)
フック:TMC2302 #14
ボディー:ペレットダブ(01Pellet)
ソラックス:ペレットダブ(09Melon)

ヘッド:スクイレルダビング(ダークブラウン)
リブ:コパーワイヤーS
レッグ:パートリッジ

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ミッジピューパ

ミッジピューパ (アメマス)
フック:TMC2488 #18
ボディー:ブラウンスレッド0/8
ソラックス:スクイレルダビング(ダークブラウン)
ウイング:フラッシャーブー
リブ:コパーワイヤーS


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