Fly Fishing記事 | ティムコ

小甲 芳信

Fly Fishing  プロスタッフ  小甲 芳信   カブちゃんの北の便り(2013スカッディー・ウィーク)

2013.05.14

カブちゃんの北の便り(2013スカッディー・ウィーク)

ゴールデンウィークを過ぎても降雪があるなんて、信じられない季節の遅れを見せている北海道です。
釣り場で出会う方々とは、もう寒さにはウンザリといった言葉が挨拶がわりになっていて、そんな季節進行の中、今年もスカッディー・ウィークを楽しんだのですが・・・・

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例年であれば、桜前線が関東を通り過ぎる頃、この街にもようやく春めいた日差しが降り注ぎ、頬を撫でる春風は爽やかさを連れてきます。

ですが、テレビのニュース等でもご存知のとおり、今年は5月になっても北海道北部では真冬並みの降雪があるなど、呆れるくらいの悪天候に気が滅入る日々が続いておりました。

なにせ正月からのこの5ヶ月近くは、週末日曜日ともなれば月の大半が暴風雪や大シケで日本海の釣りを諦めざるをえない状況ばかりでした。

また、3月の中旬以降に始まるスカッドの遡上も大荒れの海により例年よりも遅れに遅れ、それを目当てにしている釣り人も二の足を踏む週末が続いていました。

そんな中で、ほんの一瞬だけ安定した海況の日に一気に上り詰めてしまったスカッド達でしたが、残念ながらそれらは全てウィークデーに起こってしまい、ボクが訪れた日曜日の朝には全くと言って良いほどスカッドの姿を確認することができませんでした。

ただし、この時期のスカッドは河川へ遡上する個体だけではなく、浜辺の砂利の中に潜んでいる個体も多く見られ、水際に居るスカッドなどは波によって砂利と共に水面付近へと巻き上げられます。 もちろん多くのアメマスはそれらを見逃すはずもなく、常に手の届きそうな距離をクルージングしてきては、逃げ惑うスカッドをついばみながら泳ぎ去って行くのです。

また、河川から流下する多くのスカッドの存在が彼らの記憶に残されているのか、河川の流れ込みに長い時間停滞するアメマスも多く見られるのです。

更には、今年のアメマスは全体的にややアベレージが大きいようで、浜辺や磯場から大小様々なストリーマーを引っ張っても、それなりに面白い釣りが展開できるのですが、まさかそんな大型が揃う年に限って多くのアメマスを活性化させ、同時に河口付近に大集結させるスカッドボイル祭りが無いなんて、イチゴの載っていないショートケーキを食べさせられているような微妙な喪失感に苛まれてしまいました。

この日も小川の隅々まで覗いたのですが、スカッドの姿はなく、期待の持てる状況ではありませんでした。 それでも友人と連れ立って小川の流れ込みでクルージングを待っていると、時折、真水と海水とが混ざり合うモヤモヤとした水色の中へグリーンバックが突っ込んできます。

ボクが使用しているタックルとシステムは【LOOP クロスS -1 #7 10'7"】、ラインはオーバーヘッド&ディーSTインターミディエイト、そこにシューティングラインF/Iモノコアウミアメを接続、リーダー0xが12ftにティペット1xが2ftくらい。

色違いのスカッドパターンをドロッパーに結び、潮の流速や波に合わせて大小のガン玉を付け、フライから70cm~80cmくらいの所へインジケーターを着けています。
この時ボクがインジケーターへ求める役割とは、ストライクを確認する為のものではなく、一定層をキープさせるためのもの(海釣りではタナが命!)であり、またインジケーターを支点にフライを浮かせたり動かしたりするためのアイテムとして使用しています。

これは、スカッドはハッチして天空へ舞い上がるワケではないですし、アメマスも一定の水深を平行に移動して来ることへの対応と、川水の水流を受けた、水中で蛇行するグネグネフライラインによるフライの高速移動を避けるためのものなのです。
また、一箇所にフライを留めておきたい時にもメンディング等の動作をより効率的に行えることにも繋がります。

で、先ほど述べたモヤモヤスポットですが、実はここが一番の食わせどころなのです。
これは海水と真水が交じり合うところの海底には、川の流れと潮の流れがせめぎ合う境界線に砂が積もり、見事なバンクが出来上がっていて、波打ち際の駆け上がりを泳いで来るアメマスやサクラマスはそのバンクに沿うように停滞し、捕食活動を行うのです。

ところがこの日はウネリが残り、モヤモヤスポットも一箇所に安定しないという難しいコンディション。
ですが、先ほどからモヤモヤの際で「バフン」「バフン」と真っ白な口を広げているゴーマルクラスを2回ほど確認していました。

しかしながら、ヤツがクルージングしてくる間隔に規則性などはなく、自由気ままな気分屋アメマスを象徴するかのように突然現れては「バフン」「バフン」と・・・・・・
また、入ってくるコースに多少のズレがあっても「バフン」「バフン」のポイントはほぼ変わらずですから、ボクはタナを合わせて待ち伏せることに・・・・
15分も経ったでしょうか?

乱反射する水面の下からエメラルドグリーンにも見えるヤツの背中が確認できました。
もちろんインジケーターは、すでに「バフン」「バフン」の真上に鎮座しております。

「コース良し!!」
「遊泳速度確認良し!!」
「フッキング準備良ぉ~し!!」

待ってましたとばかりに、いつフライを咥えてもイイよう瞬時に臨戦態勢を整えます。
ボクの視線は水面に漂うインジケーターではなく、アメマスの一挙一動を逃すまいとその動きを追い続けます。
「バフン」「バフン」まで残り1メートル・・・・・・
そう、もうフライは鼻っ先に見えてるはず・・・・・・

「・・・・・あぁっ!! スルーしたぁ!!」(涙)

なんと、ファーストアプローチは一瞥をくれることもなく、アメマスはあっさりとスルーして行きました。
タナがずれていたのか、フライを見切られたのか、フライに動きがなかったからなのか、それとも何か他の要素が邪魔をしているのか分かりませんが、ヤツは何事もなかったかのように泳ぎ去って行きました。
こうなると意地でも釣りたくなりますが、逆にこの高い頻度で起こるスルーがこの釣りをたまらなく面白いものにするのです。

直ちに迎撃体勢を整え、フライのカラーバリエーションを試していきます。
2stアプローチでは、フライの直前で頭を上に向けピロピロと「アホの坂田師匠」のように左右の胸鰭を動かしながらブラックバスさながらの姿勢でフライを見定めた後、バカにしたような態度で泳ぎ去っていきました。
隣の友人も度々起こる似たようなシーンに溜息が漏れています。

そして何度目のトライだったでしょう?
インジケーターのスグ下でヤツが急に頭の向きを変え、ついぞ大きく真っ白な口を広げて「バフン・・・・・」と。

即座に跳ね上げたロッドからは、「ズンッ!!」と重厚な厚みのある重量感が伝わってきました。

フッキング直後からの海アメマス特有の全身をくねらせイヤン、イヤン、と駄々をこねる子供のような動きに合わせ、クロスS-1はその繊細なティップがどこまでも追随してくれるので、安心して魚をホールドしていられるのがイイですね。

狙っているサイズには及ばないものの、十分に楽しませてくれるサイズのアメマスに深く感謝し、1年間待ちわびたこの釣りの面白さを深くかみ締めながら、沖合いに帰るアメマスを見届けていました。

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さてさて、1月2月の厳冬期のサクラマスももちろん面白いのだけれど、4月以降、サケ稚魚やイサダを飽食し、パッツンパツンに太った砲弾体型の春サクラの方が断然面白いと言われていますここ北海道南西部ですが、そのシーズンも残り僅かとなってしまいました。

また、一部の小河川ではドライでイワナも釣れ始めてきましたし、雪代の減退いかんでは、コンディションの戻ったブラウンなどの釣りも可能なシーズンに突入してきました。
これにより、今後はどのタイプの釣りに出向くのかを迷うくらいベストシーズンの到来が近づいてきた函館です。
ボクもあと数回は海サクラに的を絞り出向くことと思いますが、川の方も気になりますので、いずれにせよ何か面白い出来事がありましたらまたお知らせしたいと思います。

― KABU ―

フライレシピ
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スカッド

フック:TMC2302 #14~#12  
ボディー:タシロニンフダブ (各色)
オーバーボディー:メダリオンシート(各色)
リブ:ナイロンライン1.5号


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