Fly Fishing記事 | ティムコ

渋谷 直人

2011.03.28

LDLライン

渓流でのロングティペットの釣りでラインに要求されることは、ティペットまでの意思の伝達で、重要なポイントとなります。LDLリーダーの性能が素晴らしいため、どうしてもラインのバランスが気になっていました。どのようなラインが良いのかは頭の中にありましたが、ようやく専用のラインを作れることになり、それをほぼ落とし込むことができ、「LDLライン」が完成しました。

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渓流で必要なのは浮くことよりも、水離れの良さであり、伝達力であると考えています。キャストした際にはティペットの形まで意思が伝わらないとダメだし、メンディングでもティペット部分まで意識して動かさないといけないということです。
急流で波もある中でラインがポッカリ浮いて流れるのは、質量を考えると不可能なのです。(水面の荒波の形に合わせられるくらいの軟らかさと浮力を両立させることと、伝達させる適度な硬さ=張りは、両極端であるため共有不可能)。

僕の釣りで必要なのは伝達させる硬さとしなやかさのバランス、そして水離れ(先端の太いラインは僕の経験上水離れが悪く、メンディング性能が悪い)が可能な直径のラインです。さらにそれをLDLリーダーに反映しやすいテーパーデザインが重要で、しかもラインの寿命とも言える結び代の融通性も必要です。

そこで今までもっとも使い易かったスープラシリーズの素材をベースに、やや細身のベリーからの急テーパーで細めの先端部分、結び代を少し長めにとったデザインで落ち着きました。キャスト感、メンディングやターンオーバー性能、すべてにおいて、LDLリーダーとの相性は断トツに優れているように感じます。最初の新しい状態と、毎回数ミリ切り落としていった10cm短くなった状態と比べても使用感はほぼ変わりません。抜群のテーパー設計により、安定したターンオーバー性能を確保できています。また、「LDLライン」のコアマテリアルは通常のものより細くし、ライン自体を細くしても浮力が落ちない設計になっています。

今までロングティペット専用のラインはありませんでしたが、これはまさに日本の渓流のためのラインです。空気抵抗のほとんど無いフライを結び、LDLリーダーに長めのティペットを足し、複雑な流れの奥からヤマメやイワナを引き出す。そんな釣りをさらに快適に行うために、このようなラインが必要なのです。

日本の渓流で釣るための、日本の流れで育ったライン。それが、「LDLライン」です。

是非、LDLリーダーとの併用で素晴らしさを実感してください。複雑な流れの克服こそ渓流の克服であるし、きっとその先には素晴らしい渓魚たちとの出会いがあるでしょう。

ライン番手:DT-3F / DT-4F
カラー :オレンジ / ブルージェイ


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