Trout Fishing記事 | ティムコ

社員ブログ

2017.07.10

2匹の鬼

ここ数回のブログ記事の書き出しが、雨が降らず…。水が無くて…。と嘆いてばかりになってしまっていた。今回も例に漏れず、梅雨入りしてからも雨が降らない日々が続き、毎日もやもや・・・、そんな中、週末に待望のまとまった雨が降る。このタイミングを逃してたまるかと思い、鬼怒川へと足を向けた。

 

当日は予報どおり、あいにくの雨。いや、個人的には待ちに待った雨だ。渇水なのでラインを細くしたいところだったが、大物と繋がったときのことを考えて8lbを選択。深瀬をスモルトカラーのシュマリ67Sで釣り降っていく。時折トゥイッチを織り交ぜていくのだが、反応はない。こんなにいいタイミングなのに魚影が無いことに焦りながら、狙っていたランを流し終える。

 

ここでもう一度このランを流し直すことに。今度はルアーをシュマリMD67Fにし、レンジを下げるとともに、カラーをアユカラーにチェンジ。流れへの食いつき方がこちらのほうがいいことを感じながら降っていき、ヒラキに差し掛かったところで激しくロッドアクションを加えるとドスンと重い衝撃が手元に伝わる。

 

「でかい!!」かなりの大物だが、エンハンサーカスタムしっかりと曲がりこみ、半自動的にリフトアップ。あっさりと魚が寄ってくる。しかし魚とのやり取りを楽しむ余裕はこのときの私にはない。魚が手前に寄ってきてからも激しくローリングして魚が抵抗するので、バレてしまわないかとヒヤヒヤしたが、どうにかランディングまでこぎつける。

 

①

 

ニジマス、いやヘラブナのような体型のジャスト40cm。本流ヤマメ!!まるでサクラマスのようだ。個人的には数年ぶりの40アップとあって、腕が震えた。そして銀化したボディの奥にうっすらと潜むパーマークが、私の心をさらに震わせる。

 

②

 

使用したロッドはエンハンサーカスタムHS72だったが、このサイズの魚とのファイトをして改めてポテンシャルの高さを感じることができた。しっかりと曲がるが魚には負けないうえに、曲がってからの復元力の高さを非常に感じる。特にこのような大物とのファイトでは有効だ。

 

数ヶ月ぶりの大物を釣った達成感を抱えながら、釣りを再開する。複雑な流れの中をしっかりトレースしたいので、ライトニングウォブラーの14gを流し込んだり、MD67Fで瀬を流していったがそのあとは反応がなくなってしまった。期待していた沈み石の多い早瀬も、渇水の影響であまり雰囲気が無く、下手にボトムノックをしたものならば、一瞬でフックがコケだらけになり釣りにならない。

 

シュマリ67Fで探っていくものの、魚が反応するレンジは少し下なようだ。そんな中、ルアーを沈めてもコケの心配がなさそうな深いトロ場に差し掛かる。ここはMD67Fの出番だと思い、67Fからルアーチェンジ。最近お気に入りのスモルトカラーで攻めたものの反応が無いので「ここはアユカラーなのでは?」と思って即座にアユカラーに変えて流芯を横切らせた。

 

すると一投目。先ほどとは間逆に鈍いアタリが手元に伝わると共にヤマメとは思えないダッシュがスタート。ひたすら耐えて魚が止まるのを待つ。やっとのことで魚が止まるとボトムのほうでローリングをしているのが分かった。分かったのはいいのだが、なすすべが無いといった感じで、ロッドの性能を信じて限界まで曲げこみ必死に耐える。

 

しばらくするとアラミドヴェールの特性である「筋肉のようなトルク」で魚が浮いてくる。しかし、そこからがとても長かった。一定の間合いよりこちらに寄ると再び流芯に戻っていくの繰り返し。まるでサクラマスのようなファイトだ。最後まで魚に主導権があるファイトだったが、最後は何とかネットインできた。

 

③

 

「まるでサクラマス。」そんな印象を受けた44cm。個人的にここまで壮絶なファイトをしたヤマメは過去にいなかったと思う。少しスレンダー気味だったので余計に長く見えた。

 

④

 

フックも曲がっており、ラインもかなりチリチリになっていた。まさにタックルに助けられたからこそキャッチできた1匹だ。渇水だからといって、ラインを8lbから落とさなくて良かったとかなりホッとした。今回はMD67Fのアユカラーがガッチリとパターンにハマッた釣行となった。レンジキープ力や適度なウォブル感、ロッドワークを入れた際のスライド幅が、この時期にアユを追う大ヤマメたちに効いたのだろう。また、大物の激しいファイトに負けないパワーと、予想もできない動きに対して追従してくれる柔軟な粘りのあるロッドのおかげで今回はキャッチできたと思う。

 

いいタイミングに当たった際、いざ大物と対峙したときに後手後手に回ってはキャッチが難しいこともある。そんなことが無いように、信頼できるタックルのポテンシャルを知るとともに、ライン・フックなどの消耗する部分のセッティングに抜かりないようにしていくことが大切だと改めて実感した釣行だった。

 

⑤

 

突然のゴミの固まりの写真に驚いた方もいらっしゃるかもしれない。勘のいい方はお分かりになられたかもしれないが、これはすべてトラウトが大好きなあの虫の抜け殻だ。この虫がここまで湧いた跡が見られるということは、そろそろイブニングの虫パターンの時期が来たなと感じる。もちろんフライの方は大チャンスなのではないだろうか・・・。

 

数年ぶりの40アップが釣れたうえに、自己記録のヤマメまで釣れてホクホクの私だったが、雨の中で写真を撮っていたので携帯が完全に壊れてしまった・・・。大物が釣れた日は何か起こるのではないかとビクビクしているのだが、今回もなんとも私らしい悲しいオチがついたところで、帰路についたのであった。

 

【タックルデータ】

エンハンサーカスタムEHC-HS72
シュマリMD67F 204ワカアユ+
シュマリ67F、シュマリ67S、ライトニングウォブラー14g

 

スタッフ田崎

 


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