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Trout Fishing  社員ブログ   秋鱒放浪記 その4 有終の美を目指して

2017.11.20

秋鱒放浪記 その4 有終の美を目指して

9月末日を持って渓流シーズンが終了し、楽しい渓流歩きも終了してしまった。皆様の締めくくりはどうであっただろうか?いい魚は釣れただろうか?報告まで時間が空いてしまったのだが、9月末、私は今年を締めくくるために山奥へと足を向けた。もちろん狙いは一年の集大成となる秋色に染まった大物だ。

 

夜な夜な車を走らせて、現地に着いたのは夜明けとほぼ同時。ラッキーなことに他の釣り人の影はまだ無い。忘れ物だけ無いように準備して川へと歩いていく。気温が低いので少し厚着したので、お目当ての区間にたどり着いたころには汗だくになり、汗冷えを気にしながら冷たい水の中へと入った。川を遡行しながら、浅瀬に出てきている魚を探そうと、要所要所で足を止めて水の中をじっと見つめる。見つけられるたことはほぼ無いのだけれども・・・

 

良さそうな流れにキャストを繰り返すものの反応は無い。ダメ元なのでわかっているいのだが、やはり心が折れる。魚を見つけられていないのか、反応させられていないのか、そもそも魚がいないのか・・・魚がいるだろうと予想して開拓しにきた川なので、答え合わせは自分でしないといけない。必ず魚はいるはずだと自分の直感を信じて進んでいくと魚の反応が出た。といっても、魚がいないと思って歩いた浅瀬から大きな影が走っていったという形なのだが・・・こんな上流に鯉はいないはずだし、大きなイワナか本命か。しばらくその流れを見ていたが、魚は再び姿を現してはくれなかった。

 

魚はいるはずだと気を取り直して進んでいくといい流れに魚を発見。最初は浅瀬に沈む石だと思ったのだが、よくよく見ると大きな魚だ。40cmをゆうに超えそうな黒っぽいその魚体は浅瀬でゆらゆらと定位している。魚が見つけただけでドキドキしている私は緊張しながら早速ルアーを投じた。シュマリ50FSを上流側から流すもののガン無視。次は激しいロッドワークでルアーを動かしたもののこれも無視だ。何がいけないのかもわからないのだが、魚を怒らせようとルアーサイズを上げてみる。

 

シュマリ67Sに結び変えて1投目。着水後、立ち上がりの1アクション目のタイミングで魚が身体を翻して、瀬尻の浅瀬から下の流れへと去っていった。ルアーをガン無視されていると思っていたのだが、魚は相当ストレスを感じていたようだ。こういう魚と対峙した経験はあまり無いのだが、どの魚も別々の反応をするのでパターンというものが無くてまったくわからない。去っていった魚に後ろ髪を引かれながら次の魚を探す。シーズンで1匹も見つけられないこともあるのに、1日にそう何匹も出会えるはずがないと絶望感を感じながら重い足を進める。案の定そのあとはかなりの距離歩いても魚は見られない。

 

もう何をしても結果が出ないだろうと思いながら良さそうなボサ際を見つけ、アップでルアーを投げるがやはり無反応。そのボサ際に対して、この日初めてダウンでルアーを投げ込む。するとボサの際を泳ぐルアーの後ろから黒い影が追尾してくるのが見えた。このときは何も意識せず自然とロッドワークを加えたのだが、その瞬間にルアーが押さえ込まれる。そこからはとにかく決死のファイトだ。40cmを優に超える魚相手に、折れてしまうのではないかというほどにロッドが絞り込まれるが強引に魚を引っ張り上げる。志を高く大物狙いをしようと思いっていたので太めのライン。そしてドラグはかなり閉め気味にしていたのが功を奏す。もちろんフックは太軸なのでパワーファイトを想定したタックルバランスだ。

 

ランディングというよりは、無理やりねじ込むような形でネットイン。

 

①

②

 

このときはもう何も考えられなかった。ブルブルと小刻みに体中が震えていたし、100mを全力でダッシュして時のように肩で息をしていた。魚と目を合わせると、激しく睨まれ威圧されたように感じ、しばらく固まってしまう。写真を撮り始めても、不思議な興奮の仕方をしてしまってうまく写真が撮れなかったりもした。

 

③

 

真っ黒な顔の中、特徴的なググッと内側に入り込んだ顎と鼻。その横に並ぶ鋭い牙。指で触れてみてグサッと刺さる感触になぜか不適に笑ってみたりもした。傍から見たらただの変質者と間違われても仕方が無い行動だが、このときの私にはこの鋭い牙を指先で感じることが“こういう魚”を釣った証のようで嬉しかった。

 

④

 

日光の真下で見るとまた違った彩色感でさらに感動した。この魚の魅力を私が言葉にしても伝えられる気がしない。そんな崇高な存在に感じた1匹であった。

 

⑤

 

この様な魚を追いかけて4年目になるのだが、ようやく実を結んでくれた。釣り方、ポイント、時期、etc…まったくわからないゼロからのスタートだったが、結果が出てくれた今年がひとつの節目となるだろう。そんな宿願を叶えてくれたこの素晴らしい出会いのおかげで、自分にとって最高の締めくくりの釣行となった。

 

【タックルデータ】

エンハンサー RIVER TREK EH64ML
シュマリ50FS 194HGアカキンオレンジベリー+

 

スタッフ田崎

 


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