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Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 水沼智宏 「逞しく生きる魚たち」

2016.09.12

水沼智宏 「逞しく生きる魚たち」

8月末、東日本、北日本を通過した台風10号。その被害は甚大で未だに復旧のメドすら立たない地域も多数。私の住んでいる宮城では昨年のシーズン終了間際の集中豪雨ほどの被害は無かったものの、台風の影響は大きく宮城の河川はどこも大増水し濁流であった。

 

9月4日。仕事を午前中に終え、午後からどこか釣りになる川はないものだろうかと仲間と相談している中で、とある沢の名前が出た。私自身、釣りをした事がない場所だったので探検気分でその沢に向かってみることにした。到着時刻は14:30。日も短くなってきているので急いで準備し、沢に降りる。平水に比べ10センチくらいは水が高いのだろうか‥不安定な足場もあるだろうと慎重に歩く事数十メートル、早くもまずまずのイワナがシュマリ50FSに喰いついてきてくれた。

 

そこからしばらく、ポイントごとに20~25センチのイワナがテンポ良く出てきてくれたので、今期新発売のルアー『ばったろう』を試してみることに。水面を泳ぐばったろうにたまらずイワナが食いつく!トップウォーターの楽しさはこのバイトシーン!夏場のボサ川や管釣りなど、活躍の場はたくさんありそうだ。

 

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ばったろうとシュマリ50FS、シュマリ48Sでかなりの釣果を得たので、日も傾いてきたことだし、このあたりで引き返して帰路に着こうとラストポイント決めた場所は…何ということはない緩い流れ…。大物の気配がした訳ではないのだが、ノットを組み直しこの日の魚のレンジ、スピード共に合うと感じていたシュマリ50FSをキャストすると一瞬水の流れ方が変わったように見えた。

 

もう一度同じラインをトレースしようとキャストすると15センチほどのイワナが動く‥そしてルアーを襲う大きな口が見えた!シュマリ50FSを咥え大暴れする魚は尺を優に超えていたが、しなやかなエンハンサー53Lは魚の引きを吸収してくれ、無事にランディングに成功!!43センチ。太さ、顔つき、風格全てが記憶に残る素晴らしい1匹と出逢えることができた。

 

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周りを見れば自分の身長と変わらないくらいの高さにまで水が出た跡があり、そんな環境でも生き延びる魚の強さとたくましさを写真に収め、弱らないようにと急いでリリースしたイワナはあっと言う間に流れに消えていった。

 

台風や豪雨の影響で果たして魚たちはどれほどの影響を受けるのだろう。今シーズン、私が釣り歩いた宮城の渓流は昨年秋の豪雨の爪痕がどの場所でも感じられた。岩手、北海道の台風被害からの復旧復興が進み、魚達が回復するのを心から祈るばかりでだ。宮城も残り少ない渓流シーズン。台風の影響で林道が崩れていたり、大雨で地盤が緩んでいる場所も多数あるだろう。釣行時には無理をせず安全第一で、秋色に染まった魚達にまた逢いに行こうと思う。

 

 

 


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