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Wear&Gear社員ブログ 【Sight Master】インサイドストーリーVol.6 2014年新製品「新たな8カーブモデルへの挑戦」

2014.01.16

【Sight Master】インサイドストーリーVol.6 2014年新製品「新たな8カーブモデルへの挑戦」

InsideStory01

サイトマスターの3つの2014新モデル。今回の課題は何と言っても「新たな8カーブモデル」を生み出すことでした。顔を覆うようなフェイス・ラッピングデザインと快適性をいかに両立させるか、想像以上に高いハードルが待ち構えていました。8カーブのサングラスと言うと、たいていは「エルゴノミクスデザイン」などと謳ってはいますが、千差万別の我々ひとりひとりの顔に合わせて作られているわけではありません。より顔に近づくため、逆にシビアに合う合わないが出てしまいます。8カーブこそ調整機構が不可欠だと考えました。

2014NewModels01

今回の8カーブにおいても快適な掛け心地を目指したデザインは、一見すると構造的には6カーブの「インテグラル」や「バリケード」と同じように見えますが、8カーブモデルは大きな違いがあります。

まず最初のハードルは、フレームが顔面に近づくことでインテグラルやバリケードの蝶番をそのまま搭載してしまうと蝶番がこめかみに触れてしまうことでした。そのためこのベータチタン製の蝶番デザインを一から設計し直しました。いかに薄くフラットにしながら、弾性可動の調整の幅を確保するか。下の写真をご覧頂いて違いがお分かりいただけますでしょうか。写真は左が今回の8カーブの新製品、右が6カーブのインテグラルです。
CyoubanHikaku01
違いは3つ。「逆構造」、「アーチの形状」、「太さ」です。アーチを小さくしつつテンプル側の構造を逆にすることで、可動範囲を確保しています。またより大きな力が加わるため、太さや素材を変えています。と書いてしまうと非常に単純に聞こえてしまうのが悔しいのですが(笑)、抑えの強さなどの最適なバランスに辿り着くまでに非常に多くの時間が掛かりました。

8カーブモデルにはもう一つ課題がありました。ノーズパッドです。通常8カーブのサングラスのノーズパッドと言えば、顔に近づけるためにスペースが無く、フレームをそのまま盛り上げて鼻に乗せるだけのものが多いです。しかし今回はどうしても掛け心地の良い8カーブにしたかったため、ノーズパッドを一から設計しました。弾力性のあるチタンパーツを柔らかいラバーで覆い、点ではなく面で鼻に乗るため加重が分散されます。このノーズパッドは自由に曲げられますので、顔に近づけたり、あるいは逆にレンズが曇りやすい時期などはお好みでサングラスを顔から離すことも可能です。

NosePad01

また今回こだわった点がもう一つ。いわゆるフロントの前傾角と言われるものです。釣りの場合はどんな釣りでも常に目より下にある水面、つまり斜め下を見ることが中心であり、やや角度を付けてより自然な視界が得られるように調整しました。またワイドレンズは写真のようにここまでサイドに回り込みますので、単にフレームで光を遮るのではなく抜群の視野角を誇ります。(キネティックは横幅64ミリの超ワイドレンズです。)

Zenkeikaku01
この角度はテンプルまたはノーズパッドの調整によってお好みで微調整も可能です。

また今回もテンプルはチタンの芯にラバーを被せた構造になっており、フィッティングを自由に曲げて調整できます。

Modern01
 

インジェクションモデルにはカラーを2色ご用意しました。「ブラック」と「グレーマイカ」ですが、少し分かりにくいので、下の比較画像を撮ってみました。上の「ブラック」は今回はマット仕様になります。反射を抑えた実践仕様です。下のグレーマイカはサイトマスターでは初めてのカラーとなりますが、車の塗装などで見られる落ち着いた上品な輝きのあるマイカカラーです。

ColorHikaku

次に数年ぶりとなるメタルモデルの開発も行いました。素材はもちろんチタンです。

構造上メタルモデルは遮光性が低いため、光を遮るにはごてごてと板を貼り付けるしかありません。それならばレンズを最大限サイドまで廻してみようと考えました。レンズはこれまでで最大の横幅65ミリとしました。このサイズ感はぜひ実際にご覧いただきたいのですが、非常に広範な偏光視野が得られます。
 

SequenceCyouban01

また金属には弾力性があるため、それをテンプルを抑える力にしている眼鏡が多いですが、これだとフロントに余計な負荷が掛かり、大事なレンズの歪みを起こしてしまいます。そこで今回はインジェクションモデルで採用している蝶番システムをメタルモデルならではの構造で組み込もうと考えました。テンプルを拡げたときにこの蝶番部分に力が掛かるように設計しています。非常にコストの掛かる製造方法ですが、この蝶番部分だけに他の部分のチタンとは違う特殊なチタン合金を採用し、独特のバネ性と高強度を実現しています。

SequenceCyouban03

ひさし部はあえてリジット構造にしてフロントを歪みから守ると同時に、最小限の存在感に抑えています。ここに弾性をもたせてしまうと、テンプルから掛かる負荷を吸収せず、とたんにレンズが歪んでしまいます。

SequenceCyouban02

テンプル後端(モダン部)には通常の硬いプラスティックではなく、ラバーを採用し、かつ長めにとることでより確実なホールドを実現しました。この部分は曲げることが可能ですので、フィッティングを微調整することができます。

Modern02

カラーはブラッシュシルバーです。メタルから削りだしたようなソリッドな質感です。塗装による加工になりますので、一つ一つ味が出ます。

BrushGray01

2014年新モデルも細部までこだわった自信作です。店頭でぜひお手にとっていただき、お確かめいただけましたら嬉しいです。

2014年もサイトマスターとともに良い釣りを!

(商品ページ)
キネティック・ブラック
キネティック・グレーマイカ
ベクター・ブラック
ベクター・グレーマイカ
シーケンスTi

 


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