ロングリーダーティペットも使える小渓流スペック
「多くの人はフライフィッシングを始める際にまずドライフライフィッシングを選択しますがどうやら僕が想像していたよりも小規模な渓流で行うケースが多い事に気付きました。個人的にはもちろんそういった方々にもLDL15ftを使ったロングティペットシステムを推奨したいのですが、タックルバランスやキャスティングスキルを考えると持て余すケースが多いようです。またある一定レベルのスキルを持つフライフィッシャーでも長すぎるティペットシステムよりはLDL13ft+ティペット4~6ftといったコントロール可能な長さのシステムの方が多くの場合具合が良いようです。このシステムであればティペット部分はかなり長くなりドライフライを小渓流でナチュラルにドリフトすることが十分可能となります。重要なのはティペットの弛みやプレゼンテーションの形を自分の理想通りに如何にコントロール出来るかどうかなのです。山岳渓流や沢といった小渓流を想定すると8ft以上のロッドは少し扱い難いことがありましたが本モデルの開発にあたりロッドレングスを7’7”にしたところかなり軽快に渓流を釣り上がれることが分かりました。アクションもロングティペットに特化したスローなアクションではなく、ショートティペットにも対応できるようにスロー過ぎないミディアムアクションに設定しました。ベンディングカーブは従来のNSFシリーズを踏襲していますが、速いラインスピードの船形ループにこだわらず、スローループやナローループも対応可能で、その結果として渓流ドライフライフィッシングの万能ロッドに仕上がったと自負しています。特に継数が6ピースのため携帯性が抜群で、予備ロッドとしてバックポケットに入れておくことも可能ですし、源流遡行の釣りにも最適だと思います。フィールドテストは主に源流域で行いましたが、いつも使っているシステム(21~22ft)より短い18ftでもかなり不自由なく釣ることができました。
余談ですがこの源流での釣りは僕にドライフライ本来の楽しみを再確認させるものとなりました。まさに『渓流釣りは沢から始めろ』の格言通りです。本流でヤマメを追い求めるのはもちろん楽しいですが、神経質なフライチョイスの必要が無いおおらかなイワナ釣りもあらためて楽しいと感じたインファンテ773-6NSFの開発テストでした。」 渋谷直人
7ft7in(230cm)、#3、6pc