school/スクール

ティムコスクール体験記

『スクールに参加してプロセスの楽しさを体感』 佐野 淳一

初めて釣りをしたのは小学生の時、多摩川でオイカワ釣りに夢中になっていたあの頃から早30年。フライにハマッた今では週に1回はショップに顔を出さないと落ち着かず、値段の高いものは独身のうちにとそんな予定もないのに買ってしまう。タイイングツール、マテリアルは次々と増えて、自宅のパソコンデスクはタイイングツールに占領され、窓を開けるとCDCが宙を舞う。・・・と。なんだか綾小路きみまろ調になってしまいましたが、こんなにもハマってしまったきっかけはスクールに参加してからなのであります。

それまでは近くの管理釣り場がメインで、そんなに遠くに投げなくても、ドラッグがかかっても放流されたばかりのお腹をすかせた魚たちが勢いよく飛び出しては、釣られてくれるといったことに満足していました。当時は単純に何匹釣れたかで楽しさの尺度にしていたのだと思います。でも、そのうちに狙った魚を釣りたい。もう少し奥のポイントに投げられたら、湖で格好よくキャスティングできたらなどという欲望が沸々とこみ上げてきたのです。しかしながら、勇んで出かけた芦ノ湖では遠くに投げたいという思いの強さと反比例して空しくラインは手前に落ちていたのでありました。
そんな時、ふと目に止まったのがスクールの案内でした。
子供のころからスクールとかテストという言葉には拒絶反応を起こしやすい体質なんですが、思い切ってキャスティングスクールに参加してみたのです。

でも最初はキャスティングだけ?なんて思ったんです。だって他に聞かないじゃないですか、釣りのスクールなのに魚を釣らないスクールって。でも近所であった事、講師は田代さんって事もあって思い切って参加してみました。田代さんの名前はもちろん知っていましたがお会いするのは始めて。この人があのタシロニンフの田代さんかと少々緊張しましたが、気さくに話しかけてくれて少しリラックスしながらスクールが開始されました。田代さんが一人一人まわってレッスンし、ついに私のところへ・・・

「力が入りすぎてるね〜。軽く振ってごらん」と手を添えられて振ってみるとスルスルとラインが飛んでいきます。ロッドを最大限利用しているので力を抜いているのにラインは垂れずに前へ前へと伸びていくんです。スピードをつけないとラインが垂れていくと思い続けていたので、かなりショックを受けました。また、応用編としてカーブやタックや逆ループ等のトリックキャストを披露。今まで見た事もないラインの動きにすっかり魅せられてしまいました。挙句の果てには2ピースのティップだけ(4フィートぐらい?)でフルライン出されときには、もう笑うしかなかったです。こっちは繋いであってもフルライン出ないんですから・・・。夢中になると時間はあっという間に過ぎていくものでキャスティングだけ?なんて思っていたスクールは終わりの時間に。やっぱり基本の形がちゃんと出来ていないといけないんだな〜とつくづくと思い家路に着いたのでありました。

スクールの雰囲気、面白さに味をしめた私は調子に乗って水棲昆虫スクールにも申込んでしまいました。水棲昆虫は子供の頃えさ釣りをしていた記憶でチョロ虫とか黒川虫なんて名前は記憶がありますが、以来採った事もまじまじと見た事もありませんでした。虫の名前はいくらか覚えても、どこに棲みいつ羽化して・・・なんて知識もなかったんです。だからドライといえばエルクヘアーカディスとかパラシュートとか。魚が何を捕食しているかではなく自分が巻けるフライは何かというレベルだったのは言うまでもありませんが・・・。この機会にエントモロジストの真骨頂をぜひ見てみたいとの思いでの参加でした。

みんなで川に入り川底をゴソゴソと掘ってみると「うぇっ!」と声がでるほど水棲昆虫がネットに納まっています。トビケラ、カワゲラ、カゲロウと実に様々な虫たちの世界が拡がっていたのです。ほんの50センチ四方の中でこんなにも知らない世界があったとは!ハッチしている虫に合わせてフライを選び、それで釣れた時の嬉しさ。マッチ・ザ・ハッチの醍醐味を教えていただきました。また、何故その虫がいるのか?川がきれいか汚れているか、山や森はどんな木々が植えられているか・・・釣りを通して地域の自然環境などが見えてくる事も教えてもらい、フライってなんて奥が深いんだろうと再認識したスクールでした。自然観察をしてタイイングして魚たちと勝負する。キャッチするまでのプロセスが長ければ長いほど楽しさを深められる釣りであること。そんなフィッシングスタイルに出会い釣り場での視野も拡がっていろんな事に楽しみを増やせました。

スクールはみんなで楽しさを共感しあえるので一人で釣りするよりも面白いっていう事もあります。一緒に釣りして飯を食べ、いろんなエピソードを聞き大爆笑の連続。仕事も年齢も違うのに和気あいあいと盛り上がってしまうんです。そんなフレンドリーな感じがとてもいいです。と、いうことでスクール参加以降は冒頭の通りです。行動範囲は都内近郊から東北・北海道へと広がり、スクールで出逢った方々と楽しく釣りに行ったりできるのも楽しみです。そんなこんなでとても充実したフライフィッシングを楽しんでいます。今まで味わう事のなかった楽しみ方を教えていただいたスクールに感謝しています。今後共よろしくお願いします。