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Bass Fishing社員ブログ 「ハイウェイト続出!釣れる試合の難しさ。JBトップ50第4戦」 開発担当の観戦記 Part1

2013.09.10

「ハイウェイト続出!釣れる試合の難しさ。JBトップ50第4戦」 開発担当の観戦記 Part1

JBトップ50シリーズはいよいよ後半戦。桧原湖で開催された第4戦のプリプラクティスと直前プラクティス、本戦中のティムコチームの戦いの様子を今回もお伝えします。

山岡計文のプリプラクティス

山岡選手のプリプラクティスはお盆休み直前。振り返ってみればよく釣れた時期だったと言えます。水位も高く、天気も安定。気温は高かったものの、やはり状況が一定期間安定していると魚も活発に動くのでしょう。もともと魚影の濃さでは定評のある桧原湖。虫パターン、シャローの冠水ブッシュやオーバーハング、ミドル、ディープのワカサギ付きまで、どれもイージーな印象でした。サイズも安定しており、3500g/5匹は楽勝。トップウェイトは4000gを超えてくるのでは?と予想しました。

山岡選手はボトム付近のネコリグ、ダウンショットリグを中心にプラを進めていましたが、今一つ確信を持てないというか、釣り勝てない、頭一つ抜け出せない印象を持っていたようです。山岡選手の得意技は中層を釣るミドスト。水深に関係なく中層にバスを浮かせて(あるいは呼び寄せて)釣っていく釣りにおいてはトップ50の中でもトップクラスの技術を持っています。過去に優勝した早明浦ダム戦でも、多くの選手が岸に向いてキャストする(リザーバーなら当たり前の光景だが)中、ひとり沖に向かって淡々とキャストし続け、水深数十メートルはあろうかというスポットに浮くビッグバスを仕留めていったのです。

山岡選手が活路を見出そうとしたのが、得意の中層釣り。ミドストではなくキャロライナリグにおける中層スイミングは、その可能性をかなり以前から囁かれながらも今一つブレイクしないメソッドです。なぜならばあまりにノー感じ、あまりに感覚的な釣りになってしまうからです。リグがどこを泳いでいるのか、どの水深なのか、スピードはどうか、など非常にわかりにくく、試合で使えるレベルにまで自分のものとしている選手はごく少数だと言えます。山岡選手はプリプラ後半に中層攻略にある程度の感触を得てプリプラを終えました。

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「サイズ、数とも好感触だったプリプラだが、一抹の不安を残していたか。」

北大祐の直前プラクティス

試合直前2日間のプラクティスは北大祐選手に同船しました。プリプラクティスでも同船を依頼したのですが、「魚探かけばっかりなんで、釣りしないですよ」との返答にご遠慮させていただいた経緯がありました(笑)。第3戦を初優勝で飾り、3試合を消化して年間争いの首位に立つ北選手。当然そのプラや試合運びに注目していくと同時に、積極的なサポート体制で彼の戦いを後押ししていきたいとの気持ちもありました。

「とにかくひたすら魚探かけしましたからね、地形の把握は完璧。」そう言う北選手の顔には自信のほどがうかがえました。

「フラットにしても地形的な変化にしても、どこにどうやってリグを投入するか、が重要で、きっちり精度よくアプローチすれば、すぐに釣れるはず。」

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「最新の魚探を駆使したプリプラは今年の北選手の象徴ともいえる。本人曰く、バス釣りの基本に立ち返った、とか。」

しかし直前プラの感触は芳しいものではありませんでした。ターンオーバーによる水質悪化、ピーカン無風に選手のプレッシャーなど食わない要素が多く、ベイトフィッシュは豊富にいるし、それにグッドサイズのバスが付いているのも魚探で確認できるのですが、いわゆるニュートラル状態というか、口を使わない状態に。

プリプラでは700~800gがイージーに釣れていただけに、かなり状況は悪化した、と北選手も感じていたようで、「まずいな・・・。」とつぶやいていました。

メインの釣り方はフラットでのシューティングとキャロのスイミング。キャロは完全中層狙いで、昨年の桧原湖戦最終日にボッコボコに釣って以来、彼の中で煮詰めてきた釣り方です。

ロッド、リール、シンカーのウェイトやフックのサイズ、形状、そしてワームの種類。特にロッドの選択にはこだわりを見せ、既存ロッドの中からガイドセッティングを変更したもの、完全に新たに作られたもの、ソリッドティップ搭載モデルやチューブラーモデルなど、多くのロッドがプリプラ段階から試されました。結果として試合投入されたのは4本。テクナGP・TAV-GP69SLJ(2014年モデルプロト)、アイアンホークフックセッター・IHHS-SF65SLJ(2014年モデルプロト)、ゴールデンウィング・GWT68SULJ(ワンオフモデル)、GWT72SLP+J(ガイド変更ワンオフ)でした。

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「TAV-GP69SLJ、IHHS-SF65SLJなど2014年モデルのプロトタイプも完成間近。最高峰の試合に投入されてブラッシュアップされていく。」

中層をキャロで釣っていくのはスローになりがちなライトリグ戦のなかではとても手返しが良く、効率的に魚を拾っていけます。しかし、バスが中層に浮いていない、もしくは自分の目線よりも上を意識していないと効果は半減します。レンジ、スピード、エリアのすべてが満たされてこそ、グッドサイズが連発するのですが、はずせば子バス連発となる危険性もありました。ハマれば強いパターンには落とし穴がつきもの。少なくとも直前プラの段階では本気で魚を釣りに行ってはいないものの、サイズダウンは否めず、「3000gだって結構大変かも・・・?」と北選手はかなり低めのウェイトを見積もっていました。

私はバックシートでフットボールジグを投げたり、キャロをズル引きしたりと色々試しましたが、フットボールジグのアクションによる反応の違いが顕著に出たという点が収穫でした。

直前プラを終えると試合に向けてタックルのセッティングを見直したり、ラインの巻き替えを行ったり、準備に余念がありません。ボートの上で行う選手もいれば、宿に戻ってから行う選手もいます。桧原湖は標高が高くこの時期でも夕方は涼しく快適に過ごせるので宿の前に止めたボートの上や、会場となるキャンプ場の駐車スペースなどで準備を行っている選手も多くみられました。

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「桧原湖は海抜800m超え。秋の訪れは早い。」

北選手はかなりの本数を準備。「基本的にはあらゆる状況に対応できる準備をしておきたい。釣り方を絞り込んでいたとしても、自然相手なんで決めつけないことが大事。」とのこと。彼と同船して感じるのは、バスのコンディション、狙うべきスポットのタイプなどの絞り込みはとても精度が高く、ピンスポットの把握にも長けていながらも、そこへ投入するリグ、ワーム、ルアーについては臨機応変であるということ。最終的にはどのルアーが良いか、というところまで煮詰めていくのでしょうが、プラ段階ではその点よりもバスの状況把握のほうに重きを置いていると思います。

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「ロッドのセレクトし、ラインをすべて新品に巻き替える。フック、ジグヘッド、リーダーなども当然新品に。この作業だけで数時間かかる。」

山岡選手もロッドは少なくないほうですが、今回のタックルを見る限りではキャロ中心なのかな、という印象を受けました。

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「山岡選手はキャンプ場で準備。周囲の選手と談笑しながら和やかな雰囲気。」

私が北選手に「年間成績を意識した戦いになるのか?」と質問すると、「そんなことを考える段階じゃないし、目の前の試合に集中するのみです。桧原湖戦3日間、最終戦3日間の計6日間のうち、どこか一日でも急ブレーキを踏んでしまう(つまりはノーフィッシュやローウェイト)と、あっという間に年間争いから外れてしまう。とにかく毎日をワンデイの試合だと思って、ただ釣るのみ。自分が着実に釣ってさえ来れば後退することはないんですから。」と語ってくれました。

試合初日は雨予報。アジャスト能力の問われる試合が始まろうとしていました。

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