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Bass Fishing社員ブログ 新製品バスフィッシング用メタルジグ・コライダーの開発に至るまで

2013.09.20

新製品バスフィッシング用メタルジグ・コライダーの開発に至るまで

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さて、この秋、ティムコより新しいメタルジグ「コライダー」が登場します。

私は以前から、バスフィッシング用メタルジグのジャンルには疑問を持っていました。しかしそれは現在名品とされる各社メタルジグが優れていないというわけではありません。

たとえばクランクベイト・・・。クランクベイトに関してはディープクランクからシャロー、形はフラットサイドからラウンドのようなものまで実に多岐にわたります。しかしメタルジグというジャンルはどうでしょうか?多様化とそれに伴う進化が進むバスルアージャンルの中で、バス用メタルジグだけがぽっかり取り残された感があると以前からずっと考えていました。

バスフィッシングにおけるメタルジグを使用した釣りは近年、冬のディープ攻略だけにと止まらず、夏のシューティングの釣りやワカサギボイル撃ちなどその使用範囲は広まりつつあります。メタルジグは本来、あらゆるフィッシュイーターを魅了するルアーです。それゆえバスフィッシングにおいてもその使用用途が広まるのは必然だと思っています。それに伴って、もっと多様なアクションやコンセプトを持ったメタルジグが必要だと考えていました。

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※テストサンプル

ではメタルジグそのものがルアーフィッシングの中で進化していないのかというと実はそんなことはなく、特に海では劇的な進化を遂げました・・・。日本にメタルジグの釣りが来て約四半世紀。当初はルーハージェンセン社のクリップルドヘリング などを使っていたと聞いています。そこから日本独自の進化をし、現在まで至っています。スロージグやロングジグ、センターバランスからリアバランス、など本当に多種多様です。

海のジギングは釣りとして確立された手法です。大きく分類するならば、ライギョ釣りのフロッグ、渓流釣りのミノーとともに、特定のルアーでの釣りになります。これは、一見するとバス釣りのように多種多様なルアーで釣る釣りに比べ劣っているかのように語られることがありますが、しかし私は違うと考えています。それは独自の進化を遂げる貴重なものだと思います。

さて、そんな海用メタルジグの世界。今回のコライダーは、海用メタルジグのコンセプトとノウハウをふんだんに盛り込んだメタルジグです。餅は餅屋で、その筋の専門家に聞いたほうがよいというのが私の考えです。今回は東京湾では知らない人はいないほどのメタルジグ、オーシャンドミネーターを生み出した弊社ソルト開発の協力のもと開発を進めています。アクション出しから素材、形状、構成パーツ、カラーリングに至るまで今までのバス用では考えられないものとなっています。もちろんそこにバス釣りならではの要素を盛り込んで作り上げていきました。

基本的な形は海用のメタルジグ「スロージグ」の形状です。基本的なデザインは片側が丸みを帯びており、逆側が平面のいわゆるスロージグ形状。これに重心や全体的な形状を調整し、バスフィッシング用にアレンジしています。
 

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※写真はプロトタイプ。

素材には比重7.2の軽量な亜鉛ベースの特殊合金を使用(鉛は約11.3)。鉛よりもはるかに軽量でひらひらゆっくりフォールさせるときに効果を発揮します。細身な形状とこの特殊合金によって、素早いフォールでポイントまでジグを送り込み、シャクリに対して機敏に反応、横を向きスローフォールを可能にするジグに仕上がっています。同ウエイトクラスのバスフィッシング用メタルジグの中では、最もフォールが遅いクラスのジグとなっています。

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フォーリング姿勢も実に独特です。シンプルな形状ですが、バスが見たこともない動きに仕上げました。

フォール時のアクションは、ローリングアクション。「揺らめく」という意味ではなく、本当に回転します。スピナーやスピナーベイト、そして日本古来の漁具、海の弓角のように、回転することでバスにアピールするルアー。ただ回るだけではなく、右回転と左回転をランダムに繰り返しフォールする形状に仕上げてました。ラインに引っ張られる力と回転する力と水流が干渉しあい、ある時、回転が逆になるように仕上げています。

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ゆっくりフォールしながらも、高速で回転するコライダーはその存在感を曖昧にし、強烈なフラッシングを放ちます。加えて左右の回転が逆回転に変わるとき、チドリが生まれる。この複合要素で食わせる事をコンセプトとしています。

また、重たい11gと14gはハイアピール設計。強いローリングアクションを出せるように設計しています。小型の5gと7gは食わせの要素を強く引き出し、スロージグならではの木の葉の舞うような食わせのスローフォールとローリングアクションをミックスしています。

コライダーは高速で回転するジグなので、スイベルは必須です。こちらは標準で付属しています。

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ボールベアリングスイベルではなく、あえてスイベル+リングでジグと繋ぎました。ボールベアリングスイベルよりも軽量でアクションの妨げにならないことと、リアフックを拾いにくくなるためにこの仕様となっています。ボールベアリングスイベルをアクションの妨げにならぬよう小型化してしまうと、付属しているリングの強度問題も出てしまう点もあります。フォーリング時にテンションが抜けるメタルジグの釣りは、スイベル+リングの仕様でもラインは全くよれませんし回転の妨げにはなりません。

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※テストサンプル

カラーに関してもこだわりました。一般的なバス用メタルジグは、メッキやハンマード中心ですが、コライダーはアルミ張りとホログラム中心のラインナップとなっています。

メッキのようにギラギラ光るのも効果的ですが、これだけではダメなシチュエーションも存在します。アルミ張りのジグの輝きは淡い、それでいて深みのある光を放ちます。これは、小魚のフラッシングにとてもよく似ています・・・この光り方はメッキより深みのあるフラッシング。古来より金箔銀箔などの箔張りは魚に効果的とされルアーにも応用されてきました。現在生産していないファットペッパー金箔カラーは、今や伝説のカラーともなっている事からもわかります。

また特にバス用メタルで珍しいのはホログラムです。私はこのホログラムはバスフィッシングにおいても効果的だと考えています。

海のメタルジグは現在、ほとんどのメーカーがホログラム中心のラインナップです。ですが、メタルジグの歴史上、ホログラムが生まれてきたのはつい最近の事です。昔はホログラムは存在していなかった。それでも海で使われるメタルジグは、魚種を問わずホログラム中心のラインナップとなっています。私はホログラムは間違いなくフィッシュイーターを魅了するカラーであると考えています。

淘汰され、それでも生き残ってきたホログラムというカラーは、バスフィッシングでも効果的であると確信しています。実際、テストサンプルでもホログラムへの反応はとても良いものでした。近年、メタルバイブにもホログラムが多く採用されるようになってきましたが、こちらも個人的にはとてもよく使うカラーとなっています。

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※ホログラムサンプルにて

発売は11月末予定となっております!アクション動画も公開予定です。

 


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