「スプーンの動きをワームで再現できれば!」とそんな思いからのスタートしたマルチウォブラー。このワームは、アフタースポーンの時に有効となるキャロライナリグで使うことが、自分の中での最初の想定。キャロで使う時に釣れる速度は、ボートスピードを時速1キロ前後で流しながら、硬いウィードに掛けてステイさせるというのが、今までの経験での最良の方法です。
これまではキャロにはマルチスティックなどのストレートワームを使っていましたが、この手のワームはどうしてもステイと外れた時のダートは良いのですが、時速1キロで流している時には反応が鈍いのです。キャロでのストレート系は流している時にアクションしない。そのためストレート系のキャロはステイと外れた瞬間のバイトが多くなります。
逆に、キャロでは時速1キロで流している時のアクションはカーリー系の方が優れており、流している時のバイトが多いのです。しかし、ウィードから外れた瞬間のリアクションはカーリーテールが邪魔してダートしない点に不満が残ります。そのためカーリーテールのキャロは単純なリトリーブ&ステイというアクションになってしまうのです。
キャロに使うワームは、ストレート系かカーリー系か、どちらも少し不満の残るままの状態が続いていました。ウィードに掛けた後の「ステイ&ダート」、時速1キロ前後での流す時の「誘うアクション」この両方を満たすアクションとは何か?キャロに完璧なワームと何か?その答えをここ数年間求め続けていたのです。
その答えを私は「スプーン型のワーム」に求めて、時速1キロでのロールと、それ以上の加速度で乱れるように設計。スプーン型にすると、ロールアクションになるのですが、それを実現するのは簡単なのですが、どのレベルのロールにするかが課題となりました。
ロールアクションは大きすぎるとワーム自体がクルクルと回り、釣れない原因となります。逆に小さすぎると、左右への揺れが無くなり釣れない原因となります。実際に釣る時のリトリーブスピードの時速1キロ前後で、程よいロールアクションをする為に幅を調整、カップを調整、そしてテールのフィンを取り付けることに。この辺は開発担当者との二人三脚との作業となりました。
時速1キロ前後のリトリーブでロールアクションを繰り返し、そして、その速度を超えた瞬間にはヒラっと乱れてバイトを誘発するのが理想とするところ。そのヒラ打ちアクションはまるでクランクベイトのようなもの。バスフィッシングにおいてバイトを誘発するもっとも効果的なアクションです。それが自動的に出せるのがマルチウォブラーの真骨頂なのです。
現在はキャロ用という位置づけですが、実際にはもっと幅は広がるでしょう。すでにフロリダのカナダモの上でネイルシンカーを挿入して水面をトゥィチすることでフロッグのように水面で釣っていますし、パワーグライドジグとの組み合わせでジグトレーラーとしても活躍しています。
この辺はスプーン系という新ジャンルのワームゆえに、まだ新しい釣り方が見つかるのではないでしょうか?そこは、私からの発信だけでなく、皆様の新しい使い方を教えて頂ければと思っています。
琵琶湖のバスフィッシング情報BRUSHの方でも動画がアップされています。ぜひこちらもご覧ください。
平村尚也