前回に続き、今回は中禅寺湖の思い出。中禅寺湖での釣りを始めた頃は引っ張り釣りが好きでドライフライはあまりやりませんでした。シングルハンドでシューティングラインを使ってフルキャストして引っ張ってまた投げて・・・が楽しくズドンとくる当たりを求めて投げ続けていました。
ライズしている魚が目の前にいても無視。ドライフライで釣ることに興味が湧かなかったのです。昔は阿寒湖でモンカゲロウの釣りはそれなりにやりましたが私の中では中禅寺湖では引っ張って釣ってなんぼという感じが強く、ひたすら引っ張り釣りをしていました。 しかし一昨年、井田さんという方に出会って一変しました。私の先生筋に当たるキャプチュードの山口さんのライバル登場です。
井田さんはとにかく釣る方で、中禅寺湖歴もかなり長く色々と教えていただきました。いぶし銀のような二人の釣りは私のスキルを大幅にアップさせてくれ感謝しかありません。極意的な事も聞き出し釣果ももちろん付いてきました。
極意と言っても難しいことはなく兎に角打ち返さない方がいいということです。浮かべっぱなしにして回遊を待つことが大事なのだと。ライズを見て回遊コースを見定めフライを打ち込んで待つ。ライズが無い時は回遊してくると思われるかけ上がりや石回りなどに浮かべて待つ。浮気をせずに狙った魚を釣る。など特に難しいことではないのですが待てないんですね(笑)。
ある朝井田さんと山口さんに私のフライをあげたことがあってその時に私のフライボックスから井田さんが初めに選んだのがエルモンヒラタカゲロウを模したパラシュートフライでした。何の変哲もないハックルが長めでスカスカに巻いたパラシュートパターンです。井田さん曰く「こういうのがやっぱり釣れる!」のだそうです。
そして、ゆっくり食事をしていろいろと話し、そろそろ釣りしましょう、と10時半くらいからその日は井田さんと釣りをしました。日中は井田さんが50ホンマス、レイクをポチポチと何匹か釣っていました。そして、クライマックスの夕方は井田さん60ブラウンゲット。使ったフライは朝のエルモンパラシュートで「ほら釣れたでしょ!」とドヤ顔されました。思えばこの日を境に中禅寺湖のドライ人生が始まりました。
翌日は一人で釣り歩きました。井田さんは私と一緒だと自分がデカいの釣れるから一緒にやろうと言われたのですが丁寧にお断りしました。「俺が釣れないからいやだと(笑)」前週も一緒にやって隣で70レイク釣られましたから・・・。 翌日は11時くらいに入りました。
レーク岡甚でヒメマス定食を食べてコーヒー飲んでモンカゲロウのハッチに合わせてゆっくり目のスタートです。ポイントは前日に何匹かデカイブラウンを見つけた場所を選択しました。 ポイントに到着して上から見ているといました。昨日見つけた奴かは分かりませんが60クラスが悠々と湖岸沿いをゆっくりと泳ぎながらモンカゲロウを捕食していました。
慌てて支度を済ませ回遊コースにモンカゲフライを浮かべ暫くすると奴が来ました。奴は私のフライめがけゆっくりと浮上しばっくりと咥えました。キャッチしたそのブラウンは61、その後も3匹追加して楽しい充実感溢れる釣りとなりました。
同じ湖でも場所によってはハッチの時期も多少ずれることもよくあります。それに対応するためダン、スピナーそれぞれのフライを用意しておくと安心です。パラシュートフライは様々なタイイングのアレンジもでき、どちらのステージにも対応しやすいパターンです。
嶋崎了