Fly Fishing記事 | ティムコ

アンダーハンド釣行記

2011.02.24

コンブランナーの紹介

昨年末につり人社さんのフライフィッシャーで紹介させていただいたコンブランナーというフライについて、問い合わせがあったのでマテリアルや巻き方、使い方をここでも紹介します。海アメや湖で良く釣れて、タイイングも簡単なので興味のある方は作ってみてください。

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コンブランナー

~マテリアル~
フック:TMC5263 #4、#6、#8 (おもに#6、#8)
ダビング材:ペレットダブ ブラウンor ブラウンとオリーブ系ミックス
リブ:ユニソフトワイヤー M ゴールドorコパー
ハックル:プルマデレオン各色(代用可)
スレッド:ユニスレッド各色(海ではユニモノスレッドファインも使う)

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マテリアルはこれだけです

コンブランナーというフライはもともと海のサクラマスを釣るために作ったフライです。北海道の松前の釣りからうまれました。コンブとは海藻の昆布のことです。

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こんな海で使っています

8~9年ほど前からこの釣りをしていましたが、最初のうちは遠征で行ったものの日中はあまり釣りにならず、朝夕が勝負という感じでした。ある時、日中、海藻のウィ―ドベッドにできた長細い隙間にシンキングラインを通して引っ張ってみると1尾のサクラマスがフライを口先でつまんで釣れました。
ヤマメもサクラマスも口をよく観察すると小さい餌は非常に器用に口先でくわえ、小魚など大きい餌は大胆に鋭い歯のある大口で食べているようです。朝夕活発に大口で小魚を追う海のサクラマスも日中は昆布などの海藻の中で休んで小さな磯の生物(スカッド、エビ、ハゼなど)を器用に口先でついばんでいることに気付き、日中は根周りや海藻周りをゆっくり引っ張る必要があると感じました。そこでロングシャンクのTMC5263に硬く張りのある長いハックルをボディ中央に近付けて巻き、リトリーブがゆっくりでも水平を維持して形を崩さない抽象的な磯の生物のようなフライを作ろうと考えました。そこでマテリアルに思いついたのが、ファイバーが長く持て余していたプルマデレオンです。この羽根はスペインの高地で飼育されている鶏の羽根でファイバーが長く、張りがあり素晴らしい輝きを放ち、昔から釣れる羽根としてひそかに知られていました。コンブランナーに使った場合は長く張りのあるファイバーが水中で水を捉え姿勢を安定させるスタビライザーの役目を果たし、自然界で違和感のない輝きを放ちます。
パルドというマダラのものや単色のアセラード(ダンみたいなもの)やブラックも魅力的です。

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アセラード

今は当社で取り扱わなくなったので個人的に持っているものを使っています。プルマデレオンでなくてはならないことはなく、アメリカ産のものやメッツのコックネックのテイルに使うファイバーが長めの部分でも代用できます。そうは言ってもプルマデレオンはやはりとても効果があると思いますが。たまにフライショップの片隅に残っているのを見かけます。

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アセラード光るヘッドバージョン

ダビング材はペレットダブでこれは以前ユーロシールという名で売られていました。このマテリアルは当社プロスタッフの小甲氏が現場でいろいろ試して最も効果的だったマテリアルでした。ダビング材の効果に違いがあるかは、にわかに理解しがたいものですが、実際にどんなマテリアルでも釣れない漁港のスレきった海アメも釣れたなどの多くの結果が出ていたため、ダビング材は即座にペレットダブにしました。このダビング材は人工素材のように思えますがヤギ系の天然素材です。透明感があり、海でもいかにも釣れそうです。当社の嶋崎が使って管釣りでとても釣れたことから名前をペレットダブに改名しました。

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ペレットダブ

ボディの色がブラウンやオリーブブラウンなのは、昆布などの海藻に隠れている磯の生物は擬態で同じような色をしているからです。昆布も見る角度でブラウンにもオリーブにも見えます。経験上ブラウンは必ず使った方がいいと思います。ペレダブのブラウンは良く見ていただくと単色ではなく、バーガンディ―やイエロー、パープルなどの混合になっています。それが効果的な気がします。あまり変わった色は使ったことがありません。ワイヤーは魚の歯で切れないように太めのユニソフトワイヤーMを使っています。

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スカッドと思えたのか?

ある年、このフライを使って松前の浜で小甲氏とその友人と3人で釣りをしていました。海藻がかなり伸びた5月だったと思いますが同じポイントを20分ずつ交代で攻め3番目に入ったコンブランナーが釣れたため、とても釣れると確信しました。そのサクラマスはアザラシか何かに襲われ横腹が傷ついていたので海藻の中で休んでいたと考えられます。

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ついばむようにコンブランナーをくわえた

ここ数年、阿寒湖や屈斜路湖でも釣れたため湖でも効果的なことがわかりました。島牧に行ったときは海アメがたくさん釣れました。もちろん松前の海アメも釣れます。2年前に73cmという大きいのが釣れました。タイイングは簡単で量産ができます。絶妙のバランスは必要ないので近しければOKだと思います。テイルをあまり長くしないでハックルをボディ中央寄りに巻くことがコツです。フライの特徴としては着水時にテイルが絡むなどのトラブルがない、ゆっくり引いても早く引いても姿勢を崩さない、常に水平を維持するなどです。シンプルですがマテリアルの選択など多くの現場からのフィードバックがなされています。簡単なのでアレンジもしやすいです。朝夕用にユニマイラーなどの光物を入れたバージョンも使っています。

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ユニマイラーパールバージョン

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ユニマイラーピーコックバージョン

海アメや湖のリトリーブの釣りでフライに迷っている人は使ってみてください。ウーリーバガーなどとローテーションで使ってもいいと思います。

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コンブランナーにヒットした屈斜路湖のアメマス

具体的な使い方はシンキングラインでリトリーブするだけです。湖などではフローティングラインで湖流にのせて数分間漂わせる(たるんだフライラインは張る)という使い方も効果的です。

近藤記


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