ノルウェーに着いて3日目にヨランのサーモンスクールのメンバーが集まった。今回は、自分以外は全員スイス人で計6名だった。話し合いの結果、2名ずつ3グループに別れ、12時間ローテーションで約500メートルのいい3ポイントを回ることとなった。しかし渇水で実際はメインプールの左岸が唯一可能性のある状態だった。スクール自体は、今回は1日2時間くらいで非常に楽だった。また今回はサーモンの遡上自体は多く、橋の上から小さな滝を越えてきたサーモンの姿が時折見られた。
初日の夜(といっても白夜で明るい)メインプールに入ったスイスのフィリップが60cmくらいのグリルスを上げたが、日に日に水位が下がり2、3、4、5日目は高水温でサーモンの姿は見られるものの誰のフライにも魚は掛からなかった。自分は絶対に釣れないと思い、メインプールに入れる時以外は、ほとんど寝て過ごした。今回は早く日本に帰りたい事情もあり、釣れない日が続いても全く気にせず、帰れる日を指折り数えていた。一方スイス組は頻繁に釣りに行き、がんばっていたが5日目にはヘトヘトになっていた。
5日目に最後のスクールがあり、今の状況の中で解決策を見出すようにと言われたが、ほとんどあきらめの状態だった。しかし最終6日目の夜中から6時間雨が降った。川の水位は変わらなかったが水温は下がった。もしかしたら、いけるかもしれないとキャビンのベッドから時折、外を見ていた。
6日目の夜中の雨の最中、スイスのフィリップが初日のグリルスに続き、またも魚を掛けたという。15分以上のファイトの末、フックが折れてしまったとのこと。とても小さいフライにきたようで、自分たちがメインプールに入る前に、希望を与えてくれる情報だった。持ってきた自分のフライはダブルフックに直接巻いたものも含め、どれもフィリップのフライよりも大きかったため、急遽ハサミでチューブフライの一つをカットして全長9cmから2cm以下にした。
6日目最終日、自分たちがメインプールに入れるのは9:00~21:00で釣りは23:30で終了だった。この日満潮は18:30。期待して朝9:00~11:00までやったが釣れず、午後はオリバーとともに最後の釣りを14:00~始めた。スイス組は疲れきって対岸に姿を見せなかった。おそらくイブニングに賭けるのだろう。
それにしても北欧の夏の夜は明るい。
その3へ続く
近藤記