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小甲 芳信

Fly Fishingプロスタッフ小甲 芳信 カブちゃんの北の便り「北国のブリ・続編」

2017.02.07

カブちゃんの北の便り「北国のブリ・続編」

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さて、前回お伝えした「北海道道南に於けるシーズンと狙い目、及び漁港のメリット&デメリット」ですが、早い年ですと5月下旬からブリの来遊が聞こえてきて、6月には函館を中心として日本海と太平洋、両海域で多くの釣果が聞かれるようになります。そしてブリの多くはそのまま陸伝いに北上しオホーツク海や知床沖合にまで達するのですが、逆に津軽海峡を挟んで夏の間中函館周辺の海に留まる群れもいますし、本州から遅れてやって来る群れもそれらと重なります。やがて暑かった夏が過ぎて水温の低下が始まる9月頃から北に進んだ群れが南下を始め、10月まで高水温が続いている函館の海へ大集結するのです。また、函館の海では12月上旬まで水温が安定(年変動があります)し、ブリの釣果が聞かれる年などもあり、それらを鑑みると、5月~12月ととても長い期間狙える対象魚種であり、一般渓流のドライフライシーズンよりも長いことがわかります。

 

知内ナブラ

 

シーズンについて

北海道南部のブリは、早い年で5月から釣れ始めるのですが、主立っては日本海が大型の群れの接岸が早期から見られるようです。最近の傾向を見てみると、道南では5月から6月にかけて最初のまとまった回遊があり、後ほどお伝えするような海岸線から狙えるその年最初のチャンスがやってきます。その後、その群れはオホーツク海へと向かい、函館周辺の海に居座るタイプとに分かれるようです。一方、時を同じくして津軽海峡も6月には太平洋を北上してきた群れが到着し、両海域共にアツイシーズンの幕開けとなります。

 

松前ナブラ

 

 

しかしながら、生憎7月と8月は沖合でシラスをメインに捕食する為なのか岸寄りするチャンスは以外に低いようです。そしてボクラのようなブリフリークが心待ちにしているメインシーズンの10月は、ベイトの残存量如何ではありますが、シラスからイワシやアジなどに捕食対象が移り変わりバンバン岸寄りしてきますし、ほとんどのブリがオホーツク海からの【戻りブリ】のタイプですから大型が目立つ季節なのです。

 

磯際を逃げ惑うイワシ

 

 

基本的にはシーズンを問わず道南の太平洋側は浅い砂浜が多く、狙うタイミングが難しい気がします。しかしながら、太平洋側のブリは日本海に比べて明らかにひと回り大きい個体が多く、秋の【戻りブリ】では10キロを超えるサイズが珍しくないのです。

 

二匹目ブリ2+(1)-(1)

 

 

狙い目のポイントについて

前回お伝えした狙い目の磯場とは、津軽海峡を越えてきたブリの進行方向により日本海を北上して来る群れは最初に道南知内町にぶつかりそのまま福島町・松前町・上ノ国町・江差町と通過していきます。その時ですが、実はこの道南檜山南部管内の海岸線は条件を満たす磯場が随所に見られ、更には水深や磯場の沖への張り出し具合、潮通しの良さなどを鑑みれば、ボクが思わず惹かれる一級のポイントは海アメマスのメッカとしても知られる島牧海岸がブリを狙う絶好のポイントになるような気がします。

 

津軽海峡の磯場

 

 

それは、島牧村から寿都にかけて、岸際からスグに深い外洋へとつながっていますし、また広く長い砂浜が続く先にある沖へ伸びる磯場などでは、餌を求めて回遊してきたハグレ(群れとは別の個体)がぶつかり沖へと向かうので、一級ポイントとなり得る場所が随所に見られるからです。その他にも、マップなどで確認して頂ければお分かりの通り、入り組んだ岩場の中でも沖へとまっすぐ伸びる堤防があれば、同じようなハグレが回遊して来る可能性は高いのです。

 

知内磯

 

 

漁港でのメリット&デメリットについて

しかし、水面からの高さがある堤防ではフライでの釣りには不向きで、ロングキャストはおろかアプローチすら行えないと思ったほうが良いでしょう。そして最大限のデメリットとも言えるのが、とにかくキケンが伴うということではないでしょうか?もちろんどの釣り場であってもキケンは伴うものですが、濡れたコンクリートは非常に滑りますし(海苔や海藻類が付着しているため)、傾斜したテトラポットほど不安定な足場もなく、転んだだけで大怪我を招く事態になってしまいます。釣り人が引き起こした海難事故の半分以上は漁港からの転落事故であるとも言われています。後はランディングの難しさではないでしょうか?何せ相手はブルーバックの高速ランナー。かなり弱らせたと思っていても、足元に寄せた途端にテトラポットの隙間めがけて潜り込み、簡単に切られてしまうという経験を、多くのルアーアングラーから伺いました。

 

 

大事なのは装備

ライジャケ、滑りにくい足元などの装備は当然ですがこんなバッグもあると非常に便利です。ブリのナブラが近づいた時など、ものの5分と経たずに通過してしまうことなど日常茶飯事ですし、ブリが近くに居ると感じた時などモタモタしていられず時間との勝負になることもしばしばです。それ故、ティペットやフライの交換で時間を掛けることは極力避けたいものです。

 

オレ-(2)

 

そこでフォックスファイヤーから販売されているヒルトップ180とデブリパックの組み合わせは背中からの荷下ろしが速やかに行えますし、こういったシチュエーションでは有利に働いてくれます。また自ずとフライボックスも大型のものになってしまうこの釣りでは、2つ3つとガサ張る荷物も違和感なく背負えることで、こちら側のタクティクスも幅を持たせることができます。

hilltop180

そしてボクが強く思うことに、ヒルトップ180とデブリパックを装着していても、キャスティングなど一連の動作がスムーズにそして楽に行えることの重要性です。これは海アメや本流を深く立込むウエットなどの釣りにも言えることですが、冬場に厚着の上からベストを着ようとすると肩から腕にかけてが非常に窮屈になり、肩の可動域に制限が生まれてきてしまいます。しかし、このフォックスファイヤーの組み合わせですと、全く窮屈さや不自由さを感じることがありません。更には海アメフリークの方々はご存知の通り、胸から下に邪魔なものがなくなることでラインバスケット等のベルトの脱着が驚くほど楽になるのです。

 

 

 

 

 

結びに

北海道内でのソルト系フライフィッシングには皆さんお馴染みの海アメマスがあります。こちらも、もちろんとても楽しい釣りです。それに加えてご興味のある方は、北海道の海のNEWターゲットに今年の夏に是非トライしてみてはいかがでしょうか?きっとその迫力に取り憑かれ、病み付きになるかもしれません。ボクも今年の夏は更にレベルアップして青物へと挑んでみますので、また何か楽しい出来事などあればお便りします。

 

 


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