Fly Fishing記事 | ティムコ

小甲 芳信

Fly Fishing  プロスタッフ  小甲 芳信   カブちゃんの北の便り「クロマグロ釣りの魅力と守るべきルール」

2018.11.30

カブちゃんの北の便り「クロマグロ釣りの魅力と守るべきルール」

前略、初冬の候、いかがお過ごしでしょうか? こちら北海道では、すでに初冠雪を観測した山並みがいよいよ本格的な冬の訪れを告げ始めています。一方のボクはと言うと、ブチ切れたアキレス腱もほぼほぼ回復してきており、痛みも引けて9割5分は治っていると思え、まぁ残すは“気持ちの問題”くらいであります。

 

さてさて、今回は皆さんへとても夢のあるお話をお伝えすると同時に、良識ある釣り人として守らなければならないルールのお話もお伝えしようと思います。と言いますのも、現在北海道南部の海域では以前からお伝えしているブリの来遊と共に、クロマグロの来遊数が増えてきているようです。これは本州に於ける近年の水産庁指導の元、漁獲枠の調整によるところが関連しているのかどうかは定かではありませんが、天候等の状況によっては函館市の海岸線からでもクロマグロのナブラが確認できる日もあるそうです。

 

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もちろんそれらはショアからの釣りでどうにかなるものではなくて、プレジャーボートなどの遊漁船等を利用しなければならない釣りですが、迫力のフィッシィングシーンを垣間見れるチャンスが眼下に広がっているとも言えるのです。実際に遊漁船を利用しクロマグロのナブラに遭遇した友人の話では、ドラム缶が宙を舞っているような感覚で、あたり一面に水飛沫が上がり、始めてそれを目の当たりにした時はその迫力に圧倒されてしまい、もう「飛んでいる黒い塊が生物には見えないぐらい」とまで言っていました。

 

普段河川内でヤマメやニジマスを釣っている時からは、大凡の想像すら付かない相手ですが、それでもそんなロマンが広がるフィッシィングシーンが身近にあると言うのは、何よりも魅力的ですよね!ボク自身も一度でイイから自分が巻いたフライで釣り上げてみたい魚でもあります。

 

さてさてこの北海道クロマグロ、実は遊魚であってもその取り扱いについて厳密なルールがあったのをご存知でしょうか? 例えばウエスト・イエローストーン国立公園内の河川では、ニジマスやブラウントラウトなどを釣る場合、各州が取り決めた厳密なレギュレーションがあることはご存知の方も多いと思いますが、それと同様のことが北海道のクロマグロにもあるのです。

 

その内容と言うのがコチラになります。

【海洋生物資源の保存及び管理に関する法律】によるTAC管理(漁獲可能量)の開始に伴い、厳格なルールが敷かれました。詳しいことはこの【北海道水産林務部漁業管理課のホームページ「遊漁のページ」】でご確認頂けますが、要約すると、次の注意点が挙げられます。

➀ 遊魚者によるトローリング漁法は北海道海面漁業調整規則で禁止されている漁法ですので、決して行ってはならない。 

➁ クロマグロが釣れた場合、船上に引き揚げる時点で30kg未満の小型魚である場合は、速やかに再放流しなければならない(仮に致命的な傷などを負っていても、速やかにリリースしなければなりません)。

➂ 30kg未満のクロマグロを船内に保持し、持ち帰った場合は法令違反行為となり、3年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、又は懲役と罰金の両方となる。

以上のようなことが挙げられていて、その他のクロマグロの漁獲規制について不明な点があれば、北海道庁水産林務部漁業管理課又は最寄りの総合振興局水産課へ確認して頂くことをお勧めいたします。

 

また、昨今の一部でブームとなっている「船舶免許不要」の小型ボート(全長×0.9が3M未満のボートに2馬力未満の船外機をセットされているボートは、小型船舶免許も船舶検査も不要で操船することが出来ます。但し、2馬力未満の船外機には非常停止スイッチ、キルスイッチ、遠心クラッチ、中立ギア、プロペラガードなどどれか一つ有することが必要となります)ですが、このような小型ボートでの出船はたとえ岸からすぐの沿岸とはいえ、潮流が7ノット以上もあると言われる海域があちらこちらに散在する北海道の海では、海難事故に繋がる可能性が極めて高く、非常に危険です。

 

そしてライフジャケットも欠かせません。近年このライフジャケットに関する規制も新たに変わったことを、ついでにお伝えしておきます。基本的には、国の安全基準に適合したライフジャケットを着用する必要があります。

 

【ライフジャケットには、水中で浮き上がる力が7.5kg以上あること、顔を水面上に維持できることなどの様々な安全基準が定められています。国土交通省が試験を行って安全基準への適合を確認したライフジャケットには、 桜マーク(型式承認試験及び検定への合格の印)があります】となっていて、国土交通省のホームページでも確認できますが、旧来のライフジャケットでは違反になってしまう場合があるので注意が必要です。

 

しかし、各メーカーで販売されている国土交通省認定のライフジャケットであっても、ベストタイプのライフジャケットでは自動膨張タイプではないものが多く、それ故上半身の動きがとりわけ多いフライフィッシングには不向きとされています。

 

そこでよく見られるのが、肩掛けタイプやサスペンダータイプのライフジャケットなのですが、じつはコチラもフライラインが引っ掛かったりレインウエアやアウターと重ね着するとゴワ付いたりして、不快感を覚えることも少なくありません。もちろんユーザーの好みも重要なポイントですが、ウエストタイプに関してはウエストベルトと同じ位置に装着できることで上半身の動きを妨げるモノがなく、またレインウエア等の上着の脱ぎ着も容易に行え、重宝します。

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このように、オフショアでの釣りは河川の釣りとは違った危険がありますが、それらを上回る有り余るほどの興奮と楽しさが待ち受けているのも事実です。それは、河川では決して体感できない力勝負。バッキングが何メートルあれば足りるのか? 果たして自分が握るロッドでマグロを寄せることが敵うのか? 超高速で逆回転を始めたリールと共に、目にも止まらぬスピードで飛び出していくライン。永遠に続くとも思われるマグロとの攻防。なかなか触手を伸ばすのもためらいがちで、物理的にもそうそう安易には近づくことはできないクロマグロですが、いつか観たテレビ番組に見られるようなシーンが函館から僅かな場所にあるのです。

 

最近では本州の釣り人が、野性味あふれるニジマスを求めて北海道の北部・東部などへ数多く訪れています。新幹線の開通や航空路線の充実などでリピーターも含め、来道に対して“敷居が下がった”と言える昨今、どうかこの北海道のクロマグロへ、幅広く皆さんもチャレンジされてみてはいかがでしょうか?有効なフライパターンやシステムなども構築されていない未知の領域を探求していくという、釣り人として最大のロマンが待ち受けているような気がします。

 

すでにシーズンの終わりが訪れかけている函館ですが、来季の為に熱いモチベーションを維持しつつ、長い冬を迎えようとしています。また、何ありましたらお便りさせて頂きます。それでは。

 

 


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