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Trout Fishing社員ブログ エンハンサーカタリストEHCT-59ML-2開発記

2019.06.05

エンハンサーカタリストEHCT-59ML-2開発記

catalyst

 

先日発売となった2019年新製品のエンハンサーカタリストの中から今回はEHCT-59ML-2をフィーチャー。端的に一言で言うなら、【アングラーのワガママを叶える】ためのロッドだ。そんなこだわりのロッドの各部の特徴を順番にご紹介していこう。

 

エンハンサーがベーシックなシリーズだとしたら、エンハンサーカタリストは多様化するテクニックなどに合わせて、さらに専門性を上げたシリーズとなっている。EHCT-59ML-2はレングスから想像できる方もいると思うが、中流域から小渓流、そして渇水時期の本流でテクニカルにルアーをコントロールして大物に近づくというのがコンセプトだ。トラウトルアーのベーシックなロッドレングスといえば、5.6ft~6.0ftになるので、EHCT-59ML-2も1本で色々なシーンで使えるとも言えよう。

 

大物釣り

 

この単語に心惹かれるアングラーの方にはぜひ一度手に取っていただきたいモデルとなっている。簡単に調子を紹介させてもらうと、先調子で柔軟なティップと適度なパワーを持たせたしなやかなベリー。さらには大物のダッシュに耐え切れるしっかりとしたバットパワー。それらの要素を現場で徹底的に煮詰めていき、水中での自由度の高いルアーコントロール性と、狙ったところにスパッと打ち込めるキャストフィーリングを実現させるためのブレの無いブランクとした。

 

2【63cmのパワフルなレインポー】

 

【ルアーコントロール】

 

狡猾な大物を狙う際には、【ルアーコントロール】の部分が気になるのではないだろうか。まず考えたのは幅広い使用ルアーウエイト。小渓流では5cmクラスで3g程度のミノーが使いたくなるし、桂川などの中規模本流では5cmや6cmのFS系のミノーや5g前後のスプーンが使いたくなると思う。増水時や本流では7cmのミノーも使いたくなるだろう。そんなわがままを限りなく実現させるための調子に仕上げた。軽量ルアーはしなやかなティップで弾くようにアクションをかけられるし、重量級なルアーは粘り強いベリーで重さをしっかりと扱える。全体的にブレのないブランクなので、コントロールの際にアングラーの意図するアクションを実現できる。

 

3【桂川の37cmの幅広ヤマメ】

 

【キャストフィーリング】

 

次は渓流ルアーフィッシングで重要になる【キャストフィーリング】。ピンスポットへスパッと打ち込むようなキャストは決まるだけで快感だし、キャストの精度が高ければ高いほど魚へ近づけるチャンスが増えていくはずだ。そのためにはブレのないブランクが必要になると思うが、EHCT-59MLは高弾性でブレのないブランクに軽量ガイドの組み合わせでシャープ感を上げている。さらには、ティップ部分はソフトな食い込みの良いものになっているので軽量ルアーの重さを乗せてキャストしやすく、ウエイトのあるルアーはパワーのあるベリーまで重さを乗せてキャストするとコントロールがうまくいくようになっている。ピンポイントでギリギリの部分にキャストできることで大物へまた1歩近づくことができると思う。

 

4【ピンポイントでクイックなアクションを加えてヒットさせたル尺イワナ】

 

 

驚異的な【バットパワー】

 

ファイトの部分でこだわったのは【バットパワー】。大物がかかった際にロッドに求められるのはなんだろう。バラシづらい柔軟さだろうか。それとも有無を言わせずに相手を流れから引き剥がせるパワーだろうか。総合的なバランスの中で重要なのはバットパワーだと思う。大型魚に強烈なダッシュをされたときにバットが曲がりきってしまうと、魚に主導権が渡りがちだ。一生モノのサイズがかかったときに、主導権をずっと持たれたまま縦横無尽に暴れられてフックアウトやラインブレイクということは避けたい。やはり少しでもアングラー側にプラスな要素を増やしたいのだ。

 

5【ピンスポットへのキャストで仕留めた尺ヤマメ】

 

 

【バラシづらさ】

 

それに相反するのは魚の【バラシづらさ】。魚がバイトしてきたときに、ティップが硬すぎるとバイトを弾く結果になるし、全体的にブランクが曲がらないとファイト中にも身切れやフックが伸びたりしてバラす原因となりやすくなる。かといってバラシを減らすために柔らかくすると、ここまで説明させてもらっていた要素がまったく満たされなくなっていってしまう。それを回避するために、キャストではブレがなく、水中でルアーをアクションさせられるギリギリのパワー感の食い込みのいいティップにした。ベリーはパワーを持たせているが、パラボリックに曲がりこんでくれるので、魚がかかってからの違和感を無くしてある。

 

6【先ほどの63cmがかかった際のベンディング。重量級の魚がダッシュしているにもかかわらず、バットがしっかりと残っているのが伺える】

 

 

こうやって特徴を並べていくと完璧なロッドに感じるかもしれないが、釣りに関しては人それぞれのテクニックや感覚、それぞれのフィールドの特色があると思う。その全てに当てはまるものとは言えないものの、限りなく色々なニーズに応えられる1本だろう。紹介動画もあるので、ぜひこの記事とあわせてご覧になって欲しい。きっと手に取ってもらえば、おもしろいロッドだと驚いてもらえるはずだ。現場にもっていくとさらに驚いてもらえ、こアングラーのニーズをたくさん満たしてくれること間違い無しと、自信を持って開発した1本だ。

 

7【ギリギリのハリを持たせたティップがショートバイトをしっかりと絡めとってくれる。気温30度を越えた渇水でシビアなコンディションの際の1枚】

 

 

 

 

スタッフ田崎

 


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