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Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 水沼智宏 「解禁日の魚への想い」

2018.03.13

水沼智宏 「解禁日の魚への想い」

宮城渓流解禁を控えた2月末。今年はどの川に入ろうか?どんなシーズンになるのだろう‥今年はあの場所に行ってみようなど、仲間との釣り談義は実に楽しい時間でした。今年は宮城も積雪が多く、自宅から見える山々も例年以上に雪が多い状態。解禁日の予報は雨‥果たしてどんな解禁日になるのだろう・・・。

 

解禁日の3月1日、宮城は予想以上の豪雨。「この雨で釣りをすることができるのだろうか?」と思うほどの雨だったが、仲間は厳しい状況の中でもしっかり釣果を出していました。

 

仕事の休みが取れたのは3月5日。この日は宮城在住のハンドメイドルアービルダーの片田隼人さんとの釣行。毎年一緒に解禁釣行に同行してくれる仲間でエンハンサー4ピースシリーズの愛用者でもあります。実はこの日も予報は雨‥昼過ぎには雨が降り始める予報のため、急いで打ち合わせをしていた渓流へと向かいました。約半年ぶりのウェーダー。今年新調したオービス ウルトラライトコンバーチブルウェーダーを履き、デリュージレインスーツを着て足早に渓に向かいます。

 

最初に入った川はヤマメがメインの川。解禁日の3月1日は大濁流と化し、全く釣りにならなかったらしいのですが、今日の水は高いものの釣りにはなる状況。川に立ってまず思ったのが「水がかなり冷たい‥恐らくこの水温では付き場は限られているだろう」。しばらく釣り上がるも小さなヤマメを数匹見かけただけで退渓点に着いてしまった。魚影も薄く感じたので仲間と相談し別の川に向かうことになりました。

 

次に訪れたのは昨年、解禁日にいい魚が釣れた沢。ところがここも昨年とは比べ物にならないほどの雪。さらに予報よりも早めに雨が降り出し気温も低下。冷たい雪解け水が入り、さらに雨で表面が溶けてきた雪が体力を奪っていく‥予定の退渓点まで行ってしまうと帰りが危険になるだろうとの判断でこの沢からも撤退・・・。

 

ここで休憩と、冷え切った身体温めるために昼食をとることに。一面の銀世界の中で渓を流れる水の音を聞きながらカップラーメンで体を温める。難しい釣りにはなっているのだが、久しぶりのこの感覚も実に心地良い時間でした。

 

そしてこの日最後と決めて入った沢はイワナの沢。林道が近いので入退渓もさほど苦労はしないだろうと向かったのですが、ここも雪が多く、入渓点の手間で林道は通行止めになっていて、駐車スペースからはしばらくカンジキを履いて歩くことに。雨は降り続いていたのですが、どうしても魚に会いたくて途中何度も休憩をしながらようやく沢にたどり着きました。

 

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やはりここも雪解け水の影響で水位が高く、水温もかなり低い状態。魚の姿も見かけるのだが、ボトムにべったりだったり、ルアーを見つけて追うものの、ルアーに追いつけなかったり。スローな魚を攻略しようと、ライトニングウォブラー3.5g、シュマリ50FS、48Sをローテーションしながら釣り上るが、なかなか食わせることができず・・・時間も夕方に差し掛かり、帰りの時間も考えるとそろそろというころにようやく食わせられそうな魚を見つけることができた。

 

シュマリ48Sに反応したイワナは、流れから外れた水深20センチほどの落ち葉が積もった淀みに身を隠すように定位。「この水深ならフローティングで釣れるのではないだろうか?」とフローティングに変えて数投するも全く見向きもしない‥もう一度シュマリ48Sに戻して同じコースを通すとルアーに魚が反応した!しかし焦ってアワセた為かすっぽ抜けてしまった「もうダメ・・・」と定位していた場所をみるとまた魚が同じ場所に戻っている。

 

「もしかしたらまだ反応するかもしれな」全神経を集中してキャスト!魚から離れたところでトゥイッチして気づかせ、あとはミスバイトしないように横方向にあまり動かさないようにリトリーブ「食った!!」

 

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魚は大きくはなく、むしろイワナとしては小さな魚だけれど「きっとこの1匹に出会うためにこの日1日の苦労があったのだな」と思うと、この小さくて綺麗な魚の価値は自分の中では尺モノに匹敵するほどの嬉しさでした。刺さるように冷たい水の中に手を入れて写真を撮り、リリース。イワナは岩の陰に一直線に泳いでいき、あっという間に見えなくなりました。

 

その後、釣友の片田さんも見事なイワナを仕留める。この日ずっと同行してくれて、1匹の魚にたどり着くまでの苦労もずっと見てくれていた彼は、ピンポイントに張り付いているイワナをハンドメイドミノーで見事に食わせていました。

 

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渓流トラウトアングラーとして、もちろん「大きな魚を釣りたい!」とは思っていますが、場所の違いや天候の変化、自然状況などによって小さな魚を釣ることですら難しい状況もあると思います。でもそれが小さな魚であっても、苦労した末にやっとたどり着いた魚であったり、その沢独特の特徴のある魚であったり、素晴らしく綺麗な魚であったり、そんな楽しみ方ができるのも渓流釣りの魅力の一つではないでしょうか。

 

なかなか釣果に恵まれないときも多々ありますが「いつでも、楽しむ!」ということを忘れずに今シーズンもいろんな渓を仲間と共に歩きたいと思っています。

 

【タックルデータ】

ロッド:エンハンサー48L-4
リール:レアニウムCI4+ C2000HGS
ライン:PE0.6号 リーダー6lb
ルアー:シュマリ50FS(195HGテネシー 、200レッドベリースモルト)
シュマリ48S(195HGテネシー、193リアルハクアユ、153ファイヤータイガー)
ライトニングウォブラー3.5g(308FタイガーG、208コットンキャンディー)

 


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