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Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 水沼智宏 「ラスト1投の奇跡」

2018.10.01

水沼智宏 「ラスト1投の奇跡」

9月も残り僅か‥・地域によってはすでにトラウトシーズンも終了している場所もあり、宮城でもシーズン最終盤。前回の釣行ではいいサイズのヤマメが獲れたので、今回は秋らしく色の着いたヤマメを探しに宮城県内の渓流を歩きました。仲間と合流し、以前から狙っていた沢に向かいます。木と苔の緑に囲まれた素晴らしい渓相で、歩くだけでも癒されます。

 

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この沢の魚は小さかったものの、ポイント毎に魚が姿を見せてくれたので楽しく釣り登ることができました。ただ、秋色のヤマメには出会うことはできず・・・初めて入る場所で退渓地点もルートも分からなかったため、無理せずに一度引き返し別の沢に向かうことにしました。1時間半ほど移動し次の沢に到着。数年前に何度か訪れたことのある沢で、オレンジ色の綺麗なヤマメが釣れる場所です。

 

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こちらは雨の影響か普段より7割増し?くらいの水量・・・。夏場の渇水期に訪れると「魚がいるのか?」と思えるほどのチョロ沢で、軽いフローティングミノーだと蜘蛛の巣に邪魔されて釣りにならなくなったりもする沢ですが、この日の水量だとシュマリ50FS、48Sで丁度良さそうな感じ。「きっといいヤマメが登ってきているはず!」と、期待しながら釣り登って行きました。

 

ところがしばらく釣り続けましたが何故か魚がイワナばかり・・・どちらかと言うとヤマメの方が多かったはずなのだが・・・。仲間の話しではここも数年前の豪雨でだいぶ魚や地形が変わってしまったとのこと。イワナは良型も含め数匹は釣れたのだが、狙っていたヤマメの姿を全く見ることなく退渓地点の堰堤に着いてしまった。「ということはこの堰堤下には何かいるはず!」としつこく粘るも、そこそこのサイズのイワナが数匹追うだけでルアーを食うまでには至らない・・・。

 

「ダメだったか・・・」と堰堤を見ているとイワナが堰堤を越えようとジャンプしていた。「これもこの時期らしい光景だな・・・」と思いながら堰堤を越えて退渓しようとしたところ、ふと堰堤上のボサが気になり「ちょっと1回だけ投げていいですか?」と仲間に一声掛けシュマリ50FSをフルキャスト。

 

「この流れで出る訳ないよなぁ・・・しかも堰堤の真上だし・・・というか何でこんな所に投げたんだろう・・・」ルアーが着水しリトリーブしているとエンハンサー48L-4を伝って何か手元に違和感が・・・咄嗟にフッキングすると魚が暴れる感覚が伝わってくる! ローリングしながら暴れている魚はオレンジ色の魚! 無事にネットに収まったのは秋らしい色合いのオスの尺ヤマメ。

 

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何度かこの沢には訪れているが、このサイズのオレンジ色のヤマメに初めて出会うことができた。正にラスト1投の奇跡・・・正直「そんな所に?」といった何でもない場所なのだが改めて秋ヤマメの付き場の難しさに触れたような感覚でした。

 

シーズン終盤のヤマメは、瀬尻や流れの止まっているような所でも隠れ場所になるボサや石、岩盤のエグレなどが絡むポイントには魚が付いている場合があるので、普段立つ場所よりも数歩手間から距離を取り、さらにボトム付近を流す事が攻略のカギになると考えています。また、産卵間際なので極力弱らせないように水から上げず、短時間で撮影してリリースすることも大事だと思います。

 

また来年、再来年と、出会えた魚の子孫達に会えることを楽しみに沢を後にしました。

 

【タックルデータ】

ロッド:エンハンサーEH48L-4
リール:レアニウムCI4+ C2000HGS
ライン:PE0.6号
リーダー:フロロカーボン0.6号
ルアー:シュマリ50FS  195HGテネシー+、197HGヤマメ+

 

 


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