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Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 小林祐二 「渇水の渓でスプーニング」

2021.08.10

小林祐二 「渇水の渓でスプーニング」

今年の夏は暑い。毎年同じような事を言っている様な気がするが、とにかく暑い。どこか涼しい場所で釣りが出来る場所はないものかと、地図とにらめっこする。またこの時期、北陸地方では名物のオロロ(イヨシロオビアブ)も避けたい。近場で行ける高所であれば、標高1000mラインが妥当。それ以上となると、この辺りでは源流となってしまいアクセスも悪くなる。1000mの等高線をなぞり釣りが出来る比較的大きな谷を決めた。

 

まだ星が見える薄明かりの早朝に出発し、日が出る頃に釣り場についた。車から出ると肌寒いくらいの気温「涼しい!」平野部と比べると5度は低い。さっそく準備を済ませ、川に降り立つと矢張りそこは渇水の渓。暫く、まともな雨は降っていないので予想はしていたが、厳しい釣りになりそうだ。

 

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私は渇水時にスプーンを良く使う。夏の川は減水していても浅瀬に活性の高い魚が多く入っている。こんな所には居ないだろうと思う様なチャラ瀬でも、不用意に歩みを進めると魚に走られて「しまった!」と思う事が多々ある。ルアーは苦手とする場面かもしれない。逆にフライフィッシングが最も得意とする場面だ。しかしルアーでも諦めてはいけない。そんな時はスプーンの出番だ。ミノーでは川底を叩いてしまうそんなチャラ瀬でも、スプーンなら根がかりせずスイングして通す事ができる。しかし、その釣り方をするには、重さ、大きさが重要になってくる。

 

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この日、最初に結んだのはライトニングウォブラー3.5g。浅瀬、落ち込み、そして浅瀬と連続したポイントが続く。瀬はアップクロスからのドリフト、落ち込みや淵はリフトアンドフォールでテンポ良く誘う。どちらのポイントもスプーン一つでこなせるのが魅力だ。落ち込みや淵からも反応はあるが、やはり瀬に入っている魚の方が反応は良く、沢山の魚がルアーを追う。リーリングの途中で「コンッ」と当たってくる感じが気持ち良い。

 

流れの速さや深さによって、スプーンが浮きすぎると思う時は一つ重いものを使う。しかし、スプーンのサイズ(大きさ)まで上げてしまうと水の抵抗が増え、狙いの棚を上手く引く事ができない。こんな時は新作の4.4gの出番だ。同サイズで肉厚な作りは、浮き上がりを押さえ一枚下の層を引く事ができるからだ。この日はこの2つのローテーションで釣り進んだ。

 

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スプーンは深場での釣りをイメージされる方も多いと思うが、こう言ったシュチュエーションでも活躍することを知って頂きたい。スプーンの釣りを覚えると、それがまたミノーイングの幅を広げるヒントになると思う。

 

今回の釣行では大型こそ出なかったものの、小型ではあるが夏色に染まった綺麗な渓魚に出会う事ができた。この猛暑の中、アブの猛攻を避け涼しい谷で釣りが出来たことに感謝したいと思う。

 

【タックルデータ】

ロッド:エンハンサー51ML-2TW
リール:ダイワ2000SS-XH
ライン:PE0.6号
リーダー:ナイロン6LB
ルアー:ライトニングウォブラー3.5g、4.4g

 


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