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Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 川口慶 「岩陰の主を探して」

2022.04.27

川口慶 「岩陰の主を探して」

4月の上旬、この日は届いたばかりのラウド45SとコンターラインWDシューズを携え、数日前から行きたくて行きたくて楽しみにしていた沢へ。入渓前の気温は20度を超え、雪も消え雪代も落ち着いていたが、谷に入れば空気も水もとても冷たく、予想通り浮いている魚はとても少なくシビアな状況となっていた。

 

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先ずは様子を見るため、ラウドを軽く沈め流れに乗せるようにヒラを打たせながら流していく。やはり水深の浅めの場所には魚影もなくチェイスはない。軽く打ちながら、深みのある場所まで釣り上がり、先ずは中層から探っていく。予想通りチェイスはない。それならばと、ラウドの水平シミーフォールを使い魚が着いているであろう岩の際を狙いタイトに落とし込んでいく。着底し軽くラインを振ってヒラを打たせると、2アクション目で川底に光が生まれロッドにグッと重みが乗った!

 

「よし!狙い通り!」

 

ネットに収まったのは20cmを超える良型のゴギ!

 

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今シーズンのファーストフィッシュにしてはなかなか上出来だ!いい魚も出て足早に次の深みのあるポイントへ。そっと岩陰から覗くと、浮いている魚を見つけた。アップにラウドをキャストしスローにヒラを打たせながら引いてくると、狙い通りの場所でガッツリ咥えんでくれた!

 

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今度のゴギはオレンジベリーの美しい個体!これを見るためにこの沢に入ったと言っても過言ではない。この後しばらく沈黙が続く。小型の魚の姿も見えず、やはり魚の数が減ってきているのかなと思いながらここはいい魚がいるだろうと思われるポイントへ。落ち込みの白泡にラウドを放り込み深い川底までフリーフォールで送り込む。

 

底を這うようにゆっくりゆっくりヒラを打たせ岩を縫うように底波に乗せていると大きな黒い影が追ってきた!それは、ピックアップ直前まで追ってきて水面から出たルアーめがけてワンテンポ遅れて大口を開けて水面を割って出た!興奮を抑えつつ、少しポイントを休めもう一度同じコースを通すと、黒い影が見えたかと思うとロッドにしっかりとした重量感が伝わってきた!

 

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ネットに収まったのはでっぷりとした太いゴギ!尺には少し届かなかったが、ゴギのこのサイズにはなかなかお目にかかれない!

 

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大型個体の厳つい口と顔まわりの黒ずみには何度見ても感動と達成感を与えてくれる!この大きさの個体を次に見られる日はいつになるだろうか。そう思いながら再開を祈り、元居た深みにそっとリリースする。この後退渓直前に、かなりの源流部でありながら、ヤマメが顔を見せてくれた!

 

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今シーズン初ヤマメは、お腹のマダラが綺麗な薄っすらサビの残った個体!ようやく早春にしか見られない姿が久々に見られて、いい一日の締めくくりとなった。

 

ラウド45Sをメインに一日やってみて、この体高から繰り出されるフラッシングは、アップストリームは勿論クロスでもダウンでも魚に見つけさせ、誘うための大きな武器になり、トゥイッチ時の力の入れ方と抜き方次第でオールマイティーに使う事ができると感じた。

 

この日は3時間の沢歩き。シーズン初めなので退渓時には足が上がらなくなるであろうと不安に思っていたのだが、コンターラインWDシューズの軽さとホールド感のおかげで、よろけて足を踏み外すようなこともなく安全に退渓する事ができた。良い魚に出逢え、熊にも会わず、無事に車までたどり着けた時、最高の充実感と安心感に包まれた。今回あの地点までたどり着けたから、次はウェットの季節に久しぶりに最上流部を目指そう。ぼんやりと次回の冒険の終点に思いを馳せながら帰路についた。

 

Rod:fenwick FS53CL-3J
Reel:SHIMANO CALCUTTA CONQUEST BFS+Avail MicrocastSpool
Line:PE0.6号+フロロ7lb
Lure:ラウド45SMHコバルトヤマメ・ピンクヤマメORベリー、ラクス50SMHハクヤマメ、イメル50SMHアユⅡ

 


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