Trout Fishing記事 | ティムコ

フィールドインフォ

Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 小林祐二 「初夏の遡上系ヤマメ」

2022.05.23

小林祐二 「初夏の遡上系ヤマメ」

5月の大型連休が過ぎ山では藤の花が満開を迎える頃、本流中流域では銀毛ヤマメの遡上が始まる。毎年この時期がいつになるのかと待ちわびているが、それは年によってまちまちでタイミングを掴むのが難しい。強いて言うなれば5月からとしか言えない。私の住む地域は冬に多くの積雪があり、春にはその雪代が大量に河川に流れ込む。その雪代が落ち着かなければ水位が高く釣りにならないし、水温も低くい魚の活性も上がらない。それがいつになるかが鍵だ。そして今シーズンは昨年の大雪の影響で雪代が長く続いた。

 

大型連休を過ぎた頃からようやく本流の雪代が収まりはじめたが、今度は田植えの代掻きが入りはじめる。それが収まりはじめたのが5月の第2週目を過ぎた辺りであった。水位、水温は安定したが、もう一つ気を付けなければならないのが気温である。まだまだ朝夕は寒く長袖が必要ではあるが、天気の良い日には日中は半袖でも過ごせるぐらいの天候が好条件だ。私はこの時期、もっともこの条件を一番重要視している。今回はそんな好条件が揃った日に狙い撃ちしてみた。

 

平日に時間が取れたのは午前のみ。早朝より河原に立つが、多少風もあって気温も低く寒い。この後の天気予報は気温が上がり、暑くなるとの事なので慌てず準備しポイントに向かう。平日という事もあり釣り人は他に誰もいない。先ずは目の前の長い深瀬からはじめる。時間は7時を過ぎた頃だった。ルアーは飛距離と棚を重視しラクス60Sを選択。瀬頭よりダウンクロスで探っていくが終わりまで釣り下っても当たりは無い。

 

「瀬には居ないのか?」と思いながらもまだ日は上がりきっていない事も考え、次の深場を探る。ここでは早々に魚からの反応があった。やはり深場には魚は着いているようだ。久しぶりに出会う本流ヤマメに感動しながら写真を撮り優しくリリースした。

 

k1

 

次は早瀬を打っていく。水深が腰くらいの早瀬はイメル50Sの出番。こう言ったポイントでは一番オートマチックに魚を呼んできてくれるルアーだ。ここも同じくダウンクロスで優しく誘いを入れながらスイングさせて探っていく。瀬の中ほどまで下った頃に魚信を感じた。硬い当たりとローリングでヤマメと確信。早くネットに入れたい気持ちをおさえ、慎重にやり取りし取り込む。ネットの中で暴れる魚は太さのある良い銀毛ヤマメだ。やはり瀬でかけるヤマメは引きが強く、バレやすい事もあてスリリングで面白い。

 

k2

k3

 

リリースし濡れた手を拭いふと空を見上げる。気付けば日が高くなり暑いくらいの気温になっている。風も止んでいた。私が重要視する好条件が揃った。今からが瀬で釣れるもっとも良い時間帯である。本流という事もありポイントは無数に存在するが、一つひとつ打っている時間はない。一気に本命ポイントまで下った。そこは長い瀬が終わり、ヒラキになって深場へと変わっていく一番の大場所で、瀬から落ちる流れは何本もの筋を作っている。

 

その中でも一番太い流れに狙いを定めた。そこに居る大型が狙いだ。気温が上がり表層を意識していることを考え、ここでもイメル50sを選択する。ダウンクロスで誘った2投目だった。グッとルアーが押さえ込まれ流れの中から動かない。「やはり居た!大型だ」。ジワジワとテンションを掛けてゆっくりと流れの筋からはがすが、また手前の流れに入って動かない。何度かこのやりとりを繰り返し、ようやく手元に寄せてネットイン。横たわったその魚は頭は小さく超幅広な銀毛ヤマメであった。体高もさることながら、お腹がでっぷりで沢山餌を食べている事がわかる。どれだけの量の餌を食べればこんな急成長をする事ができるのだろうか。しばし見とれて写真を撮り流れに帰ってもらった。

 

k4

k5

 

この時期は水生昆虫のハッチ、鮎の遡上、放流もあって川の中が生命感に溢れている。彼らの活性を上げるのも天候次第だ。それに合わせて遡上系ヤマメも動き出す。今回はそう言ったタイミングをうまく掴む事ができた釣行だった。皆さんも春先の釣行時はちょっと自然界の動きを観察しながら歩けば、自ずと良い結果に結びつける事が出来るのではないだろうか。

 

【タックルデータ】

ロッド:エンハンサーE51ML-2TW
リール:ダイワ2000SS-XH
ライン:ゴーセンワイルドジャークPE0.6号
リーダー:ゴーセンワイルドジャーク1.5号
ルアー:ラクス60S 003LHライムシャートヤマメORベリー、イメル50S 002MHアユⅡ・018ライムシャートヤマメORベリー

 

 


Like
フィールドインフォ:最新記事