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Trout Fishingプロスタッフフィールドインフォ 望月政宏 「南アルプスのヤマトイワナ」

2024.07.31

望月政宏 「南アルプスのヤマトイワナ」

陽の光がブナの木々を照らし、葉が瑞々しく輝いている。森の女王と形容されるブナの樹林帯はいつ見ても美しい。紫幹翠葉の木々に目をやりながら林道を歩く。車止めから入渓地点まで歩いて約1時間の道のりも季節の移ろいを感じながら歩けばさほど苦にはならない。今回は南アルプスの山岳渓流でヤマトイワナを狙う。

 

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入渓地点に到着。今日もフェンウィックのリバーヘッドを片手に渓を歩く。仕舞寸法が355mmと携行性に優れており、ザックにもすっぽりと収まる。イエローブランクスに銅製のリールシートというレトロライクなデザインも気に入っており溺愛している。結ぶルアーはイメル50s。まずは魚の反応を見るために自身のパイロットルアーであるイメルで様子を見る。

 

開始数投で魚からの反応はあるも追いが浅い。入渓地点には複数の足跡がくっきりと残っていたのでここ数日の間に釣り人が入ったのだろうと予想ができた。小さなポイントや竿抜けとなりそうなポイントを丁寧に打つように心がけると、反転流と岩とがぶつかる小さな巻き返しでイワナがヒット。南アルプスらしい鮮やかな朱点と鰓蓋の紫がかった発色が何とも美しいヤマトイワナであった。岩の下から出てきたこともあり黒みが強い。

 

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その後も竿抜けを中心に攻めるが、やる気のないチェイスばかりでバイトまで至らない。悶々とする時間が続く。しばらくすると羽虫のハッチが盛んになり、それに合わせて魚も上ずってきた。またしても反転流と岩とがぶつかるポイント。ここでイメルからムックリにルアーをローテーションする。フライポジションについてる魚に対し、バッタやセミなどの大型昆虫が流れてきたようなイメージで反転流の流れに乗せアクションする。すると岩の下からイワナが飛びつくように強烈バイト。尾びれが大きく尺はありそうなイワナが釣れる。

 

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次のポイントでも反転流の流れに乗せるように少し手前にルアーをキャストし、魚の着き場までノーアクションでルアーを漂わせる。ルアーが魚の着き場まで流れたらティップを小刻みに動かすようにアクションすると魚が下から突き上げてくる。今日一日はこのパターンがハマった。フライフィッシングから着想を得たアプローチである。

 

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ルアーカラーだが今日はムックリのマットファイヤータイガーへの反応が良かったと感じた。トラウトルアーにはあまりないカラーデザインだが虫を意識している魚に効果があるのか反応が良かった。

 

また、陸生昆虫を意識して上を向いている魚に対してフローティングミノーは一定の効果があるように感じた。水面を漂わせる釣りはシンキングミノーには再現できない。ヘビーシンキングが全盛の時代ではあるが、釣りの引き出しを拡げるためにもフローティングミノーをルアーケースに忍ばせておくことをおすすめします。

 

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【タックル】

ロッド:フェンウィック GFS49SUL-5J リバーヘッド
リール:18ステラC2000HGS
ライン:PE0.6号×フロロ1.2号
ルアー:ムックリ52F、イメル50S

 


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