さて、そんな青木さんとフォックスファイヤーの蜜月が始まったのは2013年、折しも氏が手がけるルアーブランド・DSTYLE※1のローンチ時期と重なる。「元々はBOIL※2のアイテムを提供してもらって、その流れでサイトマスター※3、フォックスファイヤーと契約しました」。バス釣りファンであればGORE-TEXのハードシェルでタフコンディションのトーナメントを制したり、”着る防虫”スコーロンのフーディを纏いフィネスな釣りでキッカーを仕留めたりといった姿が思い浮かび、さぞかしお気に入りのアイテムや偏愛ポイントが聞けるかと思いきや…、「元々がフライフィッシングのギア中心だったからぶっちゃけ最初は(お気に入りのアイテムが)なかったんですよ(笑)」という答えが返ってきた。
ただ、そこで両者は歩みを止めることはせず、青木さんはバス釣りに欲しい機能・デザインをフィードバック、フォックスファイヤーはそれに応えてプロダクトのブラッシュアップをこの10年重ねていったのだ。「サポートを受けている自分が言うのもなんですがフィールドで(フォックスファイヤーを)よく見るようになってきた」そう語る青木氏の顔は何処か自慢げだ。
※1 ルアーだけでなくロッド、アクセサリーも手がけるフィッシングブランド。青木さんの活躍に裏打ちされたアイテムで人気を博している。
※2 かつてTIEMCOが手掛けていたスポーツフィッシングシーンをターゲットにしたブランド。アパレルだけでなくギア類も豊富に展開していた。
※3 TIEMCOが展開するガラスレンズにこだわった高性能なフィッシンググラスブランド。プロをはじめアングラーから高い評価を受けている。