港湾部のライトソルトゲームに求められる様々な要素を満たしつつ、携帯性を確保したマルチピースライトソルトゲームロッド。その数あるライトゲームの中でもアジングの釣りを中心に開発したモデルになっています。マルチピースで統一されているワールドクラスビスタシリーズのコンセプト通りに、5ピースでありながら、ライトソルトシーンに求められる感度と軽快さを確保するために、軽量なセッティングに仕上げました。アクションはかけ調子寄りのミディアムファストで、ルアー操作時にはハリの強さを感じながらも、魚がかかってからはしなやかに曲がりこむブランクを設計にしています。ブランクが適度に曲がりこむことが、ライトラインを使った際のラインケアにもつながっています。

5ft台のレングスを活かした取り回しの良さを高めるために、無駄なパーツを排除したショートグリップを採用し、軽量化にも貢献。ルアー操作の面では、ジグ単の釣りでは1g前後が扱いやすく、プラグでの釣りでは5㎝前後を中心に操作がしやすくなっています。ティップ部はソリッドティップを採用し、ジグ単などの軽量ルアーのキャストを助けながら、食い込みの良さを両立。ベリーからバットにかけてのしっかりしたセクションを活かしていただくと、プラグのキャストを快適に行え、キャストの対応の幅が広いロッドになっています。ガイドをいたずらに増やすことはせず、先重りしにくいガイドセッティングにしています。エステルラインを使用する際は0.2～0.4号との相性が良く、PEラインは0.2～0.6号との相性が良くなっています。その汎用性の高さは、多様な魚種が釣れる港湾部でのライトソルトゲームの様々な場面で活躍します。

ワールドクラスビスタシリーズのラインナップ中でアユゲーム専用に開発されたモデル。キャスタビリティと繊細なドラグワークを重視するスピニングタックル派にはWCV96SL-5Jです。川下からの強い向かい風にもバックラッシュの心配なく自在にキャスト。ロッドの粘りだけでは対処できない突っ走りにはスピニングリールならではの滑らかなドラグは心強い存在です。

アユゲームを存分に楽しむために。ロッドに求めたのはルアーの操作性とハリ掛かりとバレにくさの調和。川の中でルアーをリトリーブすると川底の石の起伏で引き抵抗が変化し、流れが一定でないことがわかります。複雑な流れの中でリップに掛かる力の強弱を吸収し、不用意にルアーを上ずらせる事なく狙ったレンジに送り込むにはティップの柔軟性が重要です。それは同時にアユのアタックを弾くことなく適度に追従し、針掛かりに導く要素でもあります。硬さの異なるティップのプロトを試すと、穂先から穂持ちにかけての部分が柔らかいほど流れの変化を吸収しルアーの動きは安定し易くなりますが、柔らか過ぎるとハリが深く刺さりこむ力が逃げてしまいアタリが出てもハリ掛かりが浅く、バレやケラレが起きやすくなると感じました。

穂先から穂持ちにかけて、しなやかに曲がってルアーの挙動を安定させつつ頃合いの所で適度に張を持たせて針の刺さり込みをより深くする。スムースなフッキングとルアーの安定性をバランスさせる柔らか過ぎず硬すぎないしなやかさに設定しました。次にアユが掛かってからですが、アユのパワフルな突っ込みに身切れやハリ伸びで悔しい思いを経験したことのある方は多いのではないでしょうか。特にミドルセクションに強い張のある他の魚種用のロッドを流用してみるとバレやすさはより顕著に感じられるはずです。アユゲーム専用ロッドに必要なのはアユの突っ込みに追従してある程度溜めることのできるベリー部分の柔軟さ。友釣りのようにロッドが長くなればその分突っ込みを吸収し、かわしやすくなりますが、キャスティングゲームの場合あまりに長いロッドは現実的ではありません。ルアーの細やかな操作性と竿の取り回し、キャスタビリティなどを総合的に考えて行きついたのが9ft6inの長さです。

操作性を維持しながらも少し長めの9ft6inのレングスはベリー部分のしなやかさと相まってファイト中の安心感が伝わります。そしてバットセクションには十分なパワーを持たせ、型の良いアユをしっかりとタモまで導きます。9ft6inのロングロッドですが携行性を考慮してスーツケースなどに収まる5PCの小繋にしました。河川の規模も幅広く対応するレングスとオールラウンダー的なアクション。携行性と相まって遠征釣行にもおすすめです。鮎は英語で「sweetfish」とも呼ばれます。数多の釣り人を虜にする甘美なアユゲームをワールドクラスビスタシリーズで存分にお楽しみください。