開発者が語るTMCソリッドバイス・TMCソリッドバイスHD

開発者が語るTMCソリッドバイス・TMCソリッドバイスHD

フライタイイングバイスに求められる最も重要な事は「フックがしっかりと固定される事」です。タイイングしている時にフックが動いてしまうようなバイスでは、タイイングしにくい事この上ありません。その様なバイスでは仮にフックを固定したとしてもスレッドのテンションがしっかりと掛けらず、出来上がったとしても壊れやすいフライになってしまいます。軽い力でしっかりとフックを固定出来るバイスが理想です。

市場には様々な機構のタイイングバイスがありますが、私がバイスを選ぶときに重要視しているのは「ジョーが回転する事」、「ジョーの角度が変えられる事」の2つの機能です。

ジョー部分アップ

まず「ジョーの回転」ですが、タイイング中にフライの上部や裏側、腹側などを見ながらタイイング出来ることが最大のメリットと言えます。固定ジョーのバイスの場合、巻き上がったフライの裏側を見たらバランスがおかしかった、は良くあることです。タイイング中にいろんな角度からチェックする事が重要です。

ステー接合部分アップ

次に「ジョーの角度」ですがデフォルトで35~45度位になっているものが大半を占めています。そこに角度調整機能が付いているとジョーを好みの角度に微調整して使用することが出来ます。細かい話ですが、フックを固定する際、通常はシャンクが水平になるようにセットしますが、若干角度がずれた場合でも「フックを一旦外す⇒改めてセットし直す」のではなく、少しだけジョーの角度を変えて修正する、なんていう横着ができます。地味な事ですが意外に便利な機能です。他にはソルトウォーターフライやチューブフライなどジョーを水平にした状態でタイイングするパターンなどには角度調整はマストの機能です。

これらジョーの回転機能と角度調整機能を駆使すればシザーズを入れる、すなわちマテリアルをカットする際の自由度も増し、「切る」という作業が楽になるとともに、切り口もきれいになりフライの仕上がりも良くなります。TMCソリッドバイスシリーズは基本性能を押さえながらまさにこれ2つの機能を持ち合わせたバイスなのです。

サイズ比較

TMCソリッドバイスはコンパクト設計のためデイリーユースのみならず遠征のお供にも最適です。適応するフックサイズは#26のミッジサイズから#4位まででトラウト用フライのサイズであればほぼカバーいたします。そしてTMCソリッドバイスHDはソリッドバイスを一回り大きくしたレギュラーサイズで、どっしりとした安定感があります。この安定感もタイイングバイスには重要なポイントです。フックサイズは#26のミッジサイズからソルトウォーター用の#8/0まで幅広く適応します。

TMCソリッドバイスシリーズは飽きのこないシンプルなデザインで、初心者から上級者まで長くお使いいただけるお勧めのバイスなのです。

開発担当者 嶋崎了

白河写真(堀井さんへ送り済み)

基本性能のしっかりしたバイスだからこそTIEMCOのフライタイイングスクールでも使用されている。また、FOXFIREショップ白河高原ではタイイング体験用のバイスとして活躍中。

TMCソリッドバイス使用方法

ソリッドバイス(TMCソリッドバイス)

ソリッドバイス

¥24,000(税別)