トラウトスタッフ望月 政宏「原種の血統」

お盆を過ぎ夏の猛暑が落ち着き始めた頃。
私は南アルプスの山岳渓流へアマゴを狙いに足を運んだ。
この支流は漁業組合が放流を行った記録がなく、南アルプスに古くから生息する原種のアマゴがいると言われている。
入渓までの道のりは少々過酷だが原種アマゴに会うため重い足を引きずりながら山道を歩く。

アップダウンの激しい山道を黙々と歩き続ける。やっとの思いで尾根に出ると、かすかに渓流のせせらぎが聞こえてきた。
入渓点まであと少し。再度気合を入れて歩く。そこからしばらく歩くと木々の隙間から渓相が見えてきた。

入渓点よりも上流は人工物がない。深い谷を流れる渓流は荒々しくも清らかで、人の手が加わっていない混じり気のない自然の姿に心を奪われる。
ザックを下ろし南アルプスの素晴らしい自然を目に焼き付けたところでタックルを組む。

今回の釣行で選んだロッドはfenwick GFS49SUL-5J リバーヘッド。
5ピースのパックロッドで携行性に優れている。また、ロッドのレングスが4.9ftのため山岳渓流を手返しよく遡行できる。
全体的にレトロライクなデザインでオールドリールとの相性も良い。自分の相棒とも言えるロッドである。
結ぶルアーはTIEMCOから発売されたバルサミノーのシュリュード50S。
サイズが50mmでウェイトが4.2gのシンキングバルサミノーだ。
この可愛げのある表情がなんともチャーミングで愛着の湧くデザインである。
今日はシュリュード50Sの特性を把握するためリーダーに直結して1日投げ倒すことに。

タックルを組み、再びザックを背負う。
釣りを開始すると早速アマゴがヒットした。
くっきりしたパーマークに鮮やかな朱点がなんとも美しい魚体である。早々にリリースしさらに釣り上がる。

瀬のヒラキをアップクロスにキャストすると流芯で魚が喰ってきた。
これまた綺麗な魚体のアマゴだ。
シュリュード50Sはバルサ特有の水馴染みの良さと、操作感に優れており、4.2gのヘビーウェイトとは思えぬほど動きにキレがある。
アップストリートにキャストしても流れに揉まれることなくアピールしてくれるため、バルサ材のルアーに慣れていない方でも使いやすいルアーだと感じた。

入渓してからずっと魚のチェイスがある。
3日前にまとまった雨が降ったおかげで今日は活性が高いようだ。
またしても瀬の流芯で魚が喰ってきた。白銀に輝く精悍な顔つきのアマゴだ。

ほどほどに釣れて満足しつつ、タイムリミットも近づいてきたので目の前に見えている大場所を最後に攻めて引き返すことに決めた。
この大場所は左から差している支流と本流とがぶつかるポイントで水深があり流れも効いている一級ポイントである。
今日の魚の傾向として流れの流芯で喰ってくることが多かったため、魚の着き場をイメージしてアップクロスにキャストをする。
ルアーが流芯を抜けたあたりで喰い上げるように強烈なバイトがあった。
今日1番の引きに胸が高鳴る。
丁寧に寄せてハンドランディングするとコンディション抜群のアマゴだった。
パーマークの鮮やかさ、体高、鰭の張り具合など見惚れてしまうほど美しい。

この素晴らしい魚と自然が未来永劫残されることを願い、元いた場所にリリースする。
今日の釣りを締めくくる最高な1尾だった。
このおかげでアップダウンの激しい過酷な帰路も足取り軽く帰ることができた。

【タックル】
ロッド: fenwick GFS49SUL-5J リバーヘッド
リール:大森製作所 MICRO二世301
ライン:VARIVAS ダブルクロスPE X8
ルアー:シュリュード50S

GFS49SUL-5J リバーヘッド

GFS49SUL-5J リバーヘッド

¥37,000(税別)

シュリュード50S(シュリュード50S  001ヤマメ)

SOLD OUT

シュリュード50S

¥4,500(税別)

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