宮城のフィールドスタッフ水沼です。全国的な酷暑と水不足に悩まされた今年の夏。 私がホームリバーとして歩いている河川でも、一部の区間で完全に水が枯れてしまいました…。 現在は雨の影響もあって全域水が流れていますが、この川で釣りをするようになってから初めて見る光景でしたので、枯れた川を見てこの時はただ呆然と立ち尽くすしかありませんでした。 毎日のように続く酷暑を乗り越えて秋の産卵を迎える事が出来る魚は果たしてどれくらい居るのだろうか…と思いながらその後も川を見て回りましたが、いつもの年よりも川に行く足が重く感じ、川に入らず車から覗くだけという日も多かったように思います。 もちろん釣果も例年より少なく、魚の姿すら見ない日もしばしば。 このまま秋も厳しい状況で終わるんだろうなと思いながら、暑さを凌げる場所や少しでも流れが良い場所を探す中、久しぶりに訪れた沢で1つの発見をします。 春先に何度か入った事のある沢だったのですが、8月の炎天下になぜかその沢だけ水温が低く感じたのです。渓流釣りでは私は敢えて水温計は持ち歩かず、水に入った時の自分の体感で魚の活性や状況を想像するようにしているのですが、明らかにこの沢は水温が低く感じ、水量も他の沢よりも多く感じました。 この沢が本流に合流するまでの間も木に囲まれた昼でもやや暗い沢だったため、この沢水が逃げ場になってくれればと思い、数日後タイミングを見て合流から下の入渓が少し面倒なボサ区間に入ったところ、1匹との出会いがありました。 ハイアピールのシュリュード50Sに出てくれたのは全体的に黄色味の強いオスの尺ヤマメ。 思った通り、少しでも過ごしやすい場所を魚も探していたんだなと納得。 さらに10日ほど空けてやや下流の区間に入ったところ、日陰の岩盤ポイントでも尺ヤマメが出てくれました。 こちらはラクス50Sでの釣果。解禁当初からずっと私の釣りを支えてくれる頼りになる相棒です。 居るであろう場所に沈めながら送り込んでいくとフォールで食ってくれました。 数日後、上流エリアでさらに良い魚を見つけるもこの時は一瞬で走られて終わり。 時間帯と状況の変化を待ち、禁漁前々日となる29日にようやく仕留める事ができました。 この時はレンジを意識してラクス60Sを使用。 シーズン終盤のヤマメは3〜4投しても反応しない場合があり、着き場を予測して「きっとここにいる」と信じて何度も同じレーンを通す事が大事なポイントだと思っています。 この時は見つからないように藪漕ぎをして上流側に回り込んでラクス60Sを何度も通すと、怒ったようにルアーに噛み付く姿を見る事ができました。 そして禁漁前日の9月29日。 仲間と共にとある川に向かいました。毎年終盤に綺麗なヤマメが出る川なのですが、なぜかこの日は沈黙。 小型のヤマメとイワナを数匹見かけただけで退渓地点に辿り着いてしまいます。 私自身はもうシーズン終了のつもりだったので、最終日はどこに行こうと、仲間と一緒に釣りができればそれで良いと思っていました。 仲間によると近くに沢があるそうなのでそこを覗いて終わりにしようという事になり20分ほど車で移動。 初めて訪れる沢ですが、水が綺麗で景色も良かったので仲間と今シーズンの色々を話しながら釣り登ります。 しばらく歩くとちょっとした大場所があり、仲間が譲ってくれたのですが、なんと1投目で手前の木にルアーを引っ掛けてしまうという失態…。 仲間に謝罪しすぐ隣で数投してもらうと、着水位置やレンジ、ルアーの動かし方も完全に秋の魚を狙っている釣り方で「さすがだな…」と思う仲間の釣りなのですが、小魚1匹すら出てこない… 「なんか居てもいいですよね〜」 なんて話しながら、ルアーを外しに行き、もうこの場所に立ったら仮に何か居たとしても出てくる訳もないのだが、なんとなくラクス50Sを投げてボトムに着底したので巻いてくると、ルアーの後ろに大きな影が…。 こんな魚がいるとは思ってもいなかったし、規模的にもいる訳はないと思っていました。 仲間にも何投もしてもらっているし、その時は何も動く魚は見えなかった。 そしてこのサイズでまさかのパーマークの浮いている下顎の出たオスのイワナ。 この魚は生まれてからどのように生きてきたのだろうか。聞きたい事は沢山あったけど、魚が弱る前にリリースしなければと思い急いで写真を数枚撮り、元いた流れに戻っていただきました。 「よく今年の猛暑を乗り切ってくれたな。ありがとう」と魚に声を掛け、沢歩きを再開しましたが、その後の事はもうよく覚えてません。 きっとこの魚はあの沢の神様だったのではないか、と最近は考えています。 おそらく私の釣り人生で今後二度と出会えないであろう魚と出会えたあの沢は、私の中では“そっとしておきたい沢”として今後は釣りで入る事はせず、そっとしておこうと心に決めたシーズン最終日でした。 今シーズンお世話になった仲間、ティムコスタッフの皆様、川でお会いした釣り師の方々、家族、友人、そして沢山の驚きと感動と癒しをくれた魚達、皆様のお陰で今シーズンも駆け抜ける事が出来ました。御礼申し上げます。 ありがとうございました!! 【使用タックル】 ロッド:fenwick GFS49SUL-5J “River head” リール:C2000SHG ライン:PE0.6号 リーダー:LDLフロロティペット3x ルアー:シュリュード50S/ラクス50S/ラクス60S
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