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#アノヒトとフォックスファイヤー Vol.6 │MOBLEY WORKS 家具職人 / 鰤岡 力也
#アノヒトとフォックスファイヤー vol.6
MOBLEY WORKS / 家具職人 鰤岡 力也
MOBLEY WORKS / RIKIYA BULIOKA
Photographer __ Jin Yamamoto
Special thanks __ うらたんざわ渓流釣り場
様々なシーンで活躍するクリエイターのライフスタイルにフォーカスした連載コンテンツ“アノヒトとフォックスファイヤー”。第6回は、ウッドワークを中心とした工房・MOBLEY WORKS(モーブレーワークス)を率いる鰤岡力也さん。彼の仕事に対する姿勢やライフスタイル、趣味のフライフィッシング、そしてFoxfireとの関わり・出会いなどインタビューを通し迫っていく。
MOBLEY WORKS/家具職人
鰤岡 力也RIKIYA BULIOKA
ウッドワークを中心とした工房・MOBLEY WORKSを率いており、アンティーク家具の販売の経験などを生かし独学でオリジナル家具製造や店舗・住宅デザインを手掛けている。また、釣り人としての顔を持ち、プライベートでは岩手や山形などで渓魚との出会いを求める。
The path to becoming a furniture craftsman
「自分に馴染みのある会社で働いた方が面白いかな」
「家具を作りたいから空間もやってるって感じですね」……1日の密着を通してそんな言葉が一番印象に残ったのが、今回取材に応じてくれたMOBLEY WORKS(モーブレーワークス)の鰤岡力也さん。アルヴァ・アアルト、チャールズ・イームズ、名前を挙げればきりがないが、名作と呼ばれる家具の多くは使用される建物や空間を想定して設計されるため芸術・建築をバックボーンに持つクリエイターが携わること多い。だが、人の営みから生まれた素朴な魅力を持つシェーカースタイル※1を愛する鰤岡さんはまず家具ありきの職人的な考え方・モノづくりで、ゆえにMOBLEY WORKSの家具からはどことなくカルチャーの匂いをさせている。
※1 18世紀の後半、シェーカー教徒によって誕生した家具で、質素な造形とデザインが特徴。シェーカー家具研究家の藤門弘によって日本でも知られるようになる。
それもそのはず、鰤岡さんが家具・インテリア業界の窓口として飛び込んだのは、ヴィンテージ家具や古材の輸入で有名なGALLUP(ギャラップ)。「自分に馴染みのある会社で働いた方が面白いかな」と語るように、そこは渋谷の伝説的なアメカジショップ・BACKDROP(バックドロップ)※2、PROPELLER(プロペラ)※3を手掛けていた会社が経営しており、インテリアというよりもファッション・ライフスタイルを重んじる当時としては珍しいショップ。インポートアパレルと一緒に海外から買い付けられた感度・鮮度の高い一点もののアンティークなどに日々触れ、今に至るセンス・審美眼が育まれたのだ。そんなエピソードを聞きMOBLEY WORKSのスツールを改めて見てみると、ヴィンテージ、ミッドセンチュリー、そしてシェーカーとさまざまな国や時代の息吹を感じられから不思議なもの。
※2 1977年開店の老舗。2020年に惜しまれながらも店舗を閉店し、現在はオンラインストアにその名を残している。
※3 1988年に開店し裏原エリア隆盛の先駆けとなった。今も人気ストリートブランドが軒を連ねるプロペラ通りの由来にもなっている。
MOBLEY WORKS Today
「男の子はダメですね(笑)。女の子の方が根性ある」
まさに叩き上げの”家具職人”といった呼び名が相応しい鰤岡さんだが、いわゆる昔気質な親分とは違った雰囲気で、彼を慕い現在MOBLEY WORKSに参加するスタッフたちは全員女性。「彼女は元プロダクトデザイナーで…」そう言って紹介してくれたのはスタッフの一人、モエギさん。聞けば彼女はある有名文具メーカーからリノベーション関連の会社に転職するが、もっと自分で手を動かしモノづくりがしたいとMOBLEY WORKSに参加したというのだから筋金入り。「男の子はダメですね(笑)。女の子の方が根性ある」鰤岡さんはそんな風に笑いながら言う。
だが、女性の活躍推進が声高に叫ばれる昨今、時代に合わせるように自然な形で女性が活躍できているのは感心してしまうことしきり。実際、工房で働く彼女たちの仕事ぶりも実に堂にいっており、「この作業は彼女の方がうまいですよ」と今度は真剣な顔でお墨付き。木工と聞くと男性社会をイメージしてしまうものだが、従来の工房、徒弟制などを経ずに自分の感覚、センス、技術を信じて突き進んできた鰤岡さんだからこそできたのが今のMOBLEY WORKSなのかもしれない。
Fishing and Work
「大人になって熱中できることあるって結構素敵じゃないですか…」
さて、そんな鰤岡さんとFoxfireを繋いだのはやっぱりフライフィッシング。
「三多摩地区で育ったから父親の影響もあり子供の頃から釣りが好きで…」そんな風に語る鰤岡さんだが、独立したばかりの頃は釣りどころではなく、木工一直線で仕事に励み気が付けば40歳過ぎ。だがそんな折、偶然バイトに来た釣り好きのおじさんに感化され、そこからのハマり具合は凄まじく気が付けば10年、最近では単なるフライフィッシングでは飽き足らずハードコアな渓流泊にも熱を入れる。「大人になって熱中できることあるって結構素敵じゃないですか……それがちょうど釣りだった。しかも、ランディングネットとか、自分で作れるものがあると、なんかさらにハマっちゃう」そんな言葉の通りフライフィッシングへの熱は自身のアイデンティティでもある木工を通しFoxfireとの仕事へも繋がっていく。
「本当に偶然、Snow Peakの店舗を作ってるデザイナーに街でばったり会って今度ティムコ(Foxfire)との共同店舗を作るって聞き、それなら什器は俺しかないってお願いしたらあとはトントン拍子」そうして手掛けたのが”Foxfire LUCUA 1100”( https://www.mobley-works.com/works/foxfire/)。ここは、アウトドアアパレルはもちろん、ティムコのタックルなども取り揃えた実験的な店舗で、ロッドやリール、さまざまなタイイングマテリアルが理路整然と並べられる。「自然に行く前に訪れる都会の倉庫みたいなコンセプトがあって、釣具などが雑多ながらも自然に収まるように家具を作っています」この仕事に関しては什器のみの限定的な取り組みとのことだが、木工、フライフィッシングに造詣の深い鰤岡さんだからこそ、このフィッシャーマンの理想的な空間は出来上がったのだろう。
Fishing time with coworkers
「架空の釣り小屋を作り上げそこにタイイングデスクを置きたいんです」
さて、そんな鰤岡さんとFoxfireを繋いだのはやっぱりフライフィッシング。
木工の仕事を通して趣味の釣りもさらに極める鰤岡さんが現在、製作に取り掛かっているのがタイイングデスク。
実はMOBLEY WORKSでは来秋、展示会を予定しているらしく「架空の釣り小屋を作り上げそこにタイイングデスクを置きたいんです」と構想を教えてくれた。小屋ごと作るという力の入れようにその理由を掘り下げると「家具を作りたいから空間もやってるって感じですね。実際、”箱”に予算を取られて家具には予算が来ない状況が多々生まれる。それだと自分たちの持ち味は出ないから、丸ごと受けて空間作りをしたりもする」そんな考えから、ただタイイングデスクを作るだけでなく空間、ストーリー、ディテールにこだわり、先日も岩手県にあるモデルとなる小屋にスタッフを引き連れ現地調査へ出かけると言う熱の入りよう。さらに今日も釣りの世界観を共有しようとスタッフと共に工房から少し離れた場所にある管理釣り場に。
鰤岡さんの今日のフィッシングスタイルはニットを合わせたラフなスタイル。聞けばコーデのメインとなっている米富繊維のコラボも鰤岡さんが縁を繋いだらしく「以前に内装を手掛けたパドラーズコーヒー※4で米富繊維がPOP-UPをしてたことがあって、そこで社長に就任して間もない頃の大江さん※5と知り合い、のちにFoxfireを紹介しました」とのこと。縁もゆかりもあるブランドだからから、ノルディック柄の素朴な雰囲気が鰤岡さんのワークスタイルと自然とマッチ。そんなこんなで準備が整ったらMOBLEY WORKS入社後にフライ沼に引き摺り込まれたモエギさんを伴い、タックルに制限の掛かる上級者向けのC&R区間へ。
※4 幡ヶ谷エリアのハブになっている人気のカフェ。ボートランド直輸入の上質な豆と心地よい音楽・空間で多くのファン持つ。
※5 1952年創業のニットメーカー・米富繊維の3代目。同社のオリジナルブランド・COOHEMのディレクターも務める。
釣り場に着くと生憎の小雨模様だが、釣り好きの2人は魚の活性が上がるとこれ幸いにロッドを振るう。人気の釣り場ということもあり魚影は濃いが、ややスレ気味でキャストを繰り返すもなかなかキャッチには繋がらず、諦めかけたその時に先陣を切ったのがモエギさん。数秒のファイトの末にキャッチしたのが、綺麗に婚姻色が出た程よいサイズのニジマス。鰤岡さんもMOBLEY WORKS代表の意地を見せ遅ればせながらも続いてキャッチ。
まだまだ釣り足りない様子のふたりだったが、魚をリリースして踵を返す様子に声を掛けると「今日が釣り始めての子がいるから釣ったやつを燻製にしようかと思って、昨日からちょっとソースとか仕込んでるんで持ち帰り用も釣らなくちゃ」そう笑いながら他の若手スタッフを置いてきた下流エリアに足早に歩いて行った。
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