Foxfire Brand Philosophy

それは4つのフィッシングベストからはじまった

 1982年にフォックスファイヤーブランドは誕生しました。そしてカナダ・クイーンシャーロット島での原野体験から着想を得たゴールデンスプルースが最初のシンボルとして選ばれました。フォックスファイヤーのものづくりは4型のフライフィッシングベストからはじまります。それは、この日本でフライフィッシングのパイオニアとして活動してきた私たちの知恵から生まれた作品でした。

 それから40年以上にわたり、私たちはいつもフィールドの体験から得た知恵をものづくりに反映させ、様々な製品を開発し続けてきました。そして現在、フォックスファイヤーは幅広いラインナップを揃えるアウトドアブランドへと発展しました。

True to nature

自然に対して正直であること。自然に挑戦するためではなく、自然と共生するために。

TIMELINE

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    最初のフォックスファイヤーは農家の納屋で産声を上げた

    1982

    Description

    最初のフィッシングベストが生まれた縫製工場。フィッシングベストは普通の衣類の数倍にも及ぶパーツ点数と縫製工程を要します。最初の4型のベスト製作において、数々の縫製工場をあたったものの、フィールドテストを終えたオリジナルべストは構造が複雑すぎて、請け負ってくれる工場がみつかりませんでした。そんな中、秋田県の寒村に創業したこの小さな工場だけがわたしたちのものづくりを受け入れてくださいました。1982年、茅葺屋根であった農家の納屋を改造したこの工場で、Foxfireの製品が産声を上げたのです。

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    Foxfireは4型のフライフィッシングベストからはじまった

    1982

    Description

    Foxfireは最初に4型のフライフィッシングベストをリリースしました。それまで手に入った輸入品は、サイズフィット感や機能性に満足のゆくものがなく、また国産品はチープな釣りベストしか存在せず、まずわたしたちの手で日本のフィールドを考えた究極のベストを作り上げることに取り組むことにしたのです。そして、最初にリリースしたのがこの4型のベストたちでした。マウンテンストリームベストは、日本に多い渓流のフィールド専用。オールラウンダーベストは、渓流から湖までをカバーする大きな収納力。トロフィシーカーベストは透湿防水素材を使用した全天候型。そしてディープウェーディングベストは深い立ち込みにも使いやすい機能性。耐久性に妥協を許さず、ポケットにタックルを入れて重たくなってもショルダーヨークで重量を分散し、首や肩にかかる疲労を軽減する設計になっています。たくさんのタックルを効率よく収納し、快適にフィールドワークできるこの設計思想は現在のFoxfireの全てのベストに継承されています。

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    オリジナル カモフラージュパターン

    1982

    Description

    Foxfireはフィールドテストを繰り返しながら、独自の研究開発を行ってきました。このオリジナルカモパターンもそのひとつです。実際に何度も水中から魚眼レンズを使って撮影し、実験を繰り返しました。この実験により、一般的な大きなカモパターンでは、どうしても魚眼レンズに写って目立ってしまうのですが、よりカモパターンを細かくすることによりレンズに写りにくくなることがわかりました。こうして研究を重ねた結果、この魚眼用カモフラージュパターンが開発されたのです。フライベストを裏返しにして、カモパターンを表面にして着れば、警戒心の強いトラウトに気づかれにくくなります。その後、自然環境の色彩に適応するため、グリーン、ブラウン、ストーンとカモカラージュのバリエーションも生まれました。

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    エマージェンシーブレーカー

    1982

    Description

    フィッシングベストをリリースした数ヶ月後に、Foxfireは次々とアウトドア・クロージングをリリースしていきます。この「エマージェンシーブレーカー」もそのひとつで、30デニールの極薄リップストップナイロンを使用し、超軽量を追及したウインドブレーカーです。この素材はもともと衣料用ではなく、実際に命を預けるパラシュート用に作られた強度に優れた産業資材でした。発売前、社内での評価は「こんなに薄っぺらい素材で売れるわけがない!」と酷評だったことを思い出します。その数ヵ月後、この商品は大ヒット作となりアウトドアメーカー各社が同じコンセプトに追従し、そしてフライフィッシングからはじまったFoxfireが、アウトドアクロージングの分野へと発展していく懸け橋となったアイテムとなりました。

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    ストリームウォーカーウェーディングシューズ

    1984

    Description

    Foxfireがスタートして1年後、どうしても製品化したかったウェーディングギアの開発に着手しました。輸入品ではなく日本のフィールドを考えたギアを開発することに大きな意義を感じたからです。長い距離を歩いても疲れない軽さと、機敏な動きを助ける排水性を求めフィールドテストを繰り返しました。日本の渓流を軽快に歩くための「ストリームウォーカー」シリーズが定番アイテムとなった後も、ウェーディングシューズの新たな改良とフィールドテストが継続して続けられています。

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    オールウェザーパーカにGore-Texを採用

    1987

    Description

    当時、60/40クロスを使用したマウンテンパーカはアウトドアスタイルの定番といえるほど代表的なアイテムでその着用感の良さも充分熟知していました。一方で、多雨、多湿な日本の気象条件下では、これまでの素材では充分雨を防ぐことはできず機能の不足も感じていました。わたしたちはレインギア同様の防水機能を備えたマウンテンパーカが必要と考え、その開発にとりかかりました。そして完成したのが、業界に先駆けてゴアテックス素材を採用した「オールウェザーパーカ」。その名のとおり、全天候型の快適なマウンテンパーカでアウタージャケットとしても違和感がないよう、雨具とは一線を画す素材感と質感についても重視しました。その後、マウンテンパーカのニュースタンダードとしてさまざまなアイテムへと進化していきました。

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    フラッグシップモデル「オーロラジャケット」発表

    2001

    Description

    アウトドアアクティビティも多様化の時代となり、日本では見ることのできないオーロラ観察を目的として海外へ旅行されるかたが増えてきました。極寒地の中、野外で長時間過ごすためヘビーな防寒ダウンパーカが必要ですが、日本に戻られてもこの高価なジャケットの用途がなく、購入を躊躇される旅行者のかたが多いことが開発の背景となりました。着雪を防ぐ「Gore-Texのロングアウターパーカ」プラス「取り外し可能な高品質のダウンインナージャケット」。分離しても使え、用途汎用性が高いこの組み合わせと顔面を守る天然ファー付きのフードの装備により高評価をいただき、Foxfireの寒冷地用アウターのフラッグシップモデルとなりました。

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    ブランドリニューアル

    2007

    Description

    2007年、Foxfire誕生25周年を機にブランドリニューアル。3本のフライロッドをモチーフとした「トライロッド」が新たなロゴマークに、ブランドステートメントも"True to nature"に刷新されました。また、わたしたちがフィールドで出会う美しい夜明けがFoxfireのテーマカラーとなります。夜から一日のはじまりへと切り替わる最も神聖な時間。地平線が輝き夜明けを告げる「デイブレイクオレンジ」、川の水のように深い空は「リバーランブルー」、そしてその間に現れる静寂な「クワイエットベージュ」。新たなFoxfireの歴史がはじまりました。

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    不快な虫がとまっても逃げていく「スコーロン」衣料を発表

    2008

    Description

    過去にも防虫剤を加工したクロージングが存在しましたが、揮散性がありその効果の持続性はきわめて限定的でした。アース製薬が開発した非揮散性タイプの防虫剤を、帝人の生地そのものに固着させるナノレベルの接着技術により洗濯耐久性が飛躍的に向上し、過去の製品とは一線を画す、きわめて実用的な防虫衣料『スコーロン』シリーズを開発しリリースしました。また昨今ではフィールドで不快な虫が媒介するさまざまな問題点について社会的注目を集めていることはご存知のとおりかと思います。

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    ウールとポリプロピレンのハイブリッド繊維「PPウール」シリーズ発表

    2010

    Description

    「化学繊維と天然繊維」 一見相反するその繊維の良いところを組み合わせて快適な素材を作り上げる。繊維の特徴を熟知していないとこの発想は生まれないでしょう。肌面には、軽量で疎水性に優れたポリプロピレン(PP)を、表面には汗冷えを防ぐウールを組み合わせたハイブリッド素材「PPウール」。肌面の汗や湿気をPPがすばやく引き離し表面に送り、モイスチャーコントロール機能があるウール面が急激な汗冷えをおさえて快適性を持続させるという効果があります。今まで重ね着によって得ていたこのコントロールメカニズムを1枚のハイブリット素材がかなえました。

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    SPRUCE LINEを発表

    2018

    Description

    2018年より新たに”FOXFIRE SPRUCE LINE”が誕生。ブランド創成期のクラシックなテイストに、機能的な生地や縫製技術を融合したヘビーデューティなシリーズです。

True to nature
True to nature
True to nature
True to nature
True to nature
True to nature

REAL CLOTHING

 フォックスファイヤーは一貫して、FashionやWearをつくろうとしているのではありません。またいわゆるApparelをつくろうとしているのでもありません。Real Clothingをつくりだそうとしているのです。Clothingという言葉には一番「道具」に近い意味があります。Wearは「着る」という行為に比重がおかれています。Fashionは広く生活全体の流動的な価値観が強まります。ApparelはWearの補足的な意味が強いのです。Foxfireはナチュラリストのためのリアルクロージングを目指しています。

QUIET SPORTS

 フォックスファイヤーが立上げ当時から取り扱ってきたテーマが「クワイエットスポーツ」です。クワイエットスポーツとは、その名のとおり、自然の中で騒ぎたてることなく穏やかに楽しむスポーツのこと。フライフィッシングは代表的なクワイエットスポーツのひとつと言えます。だから自然を壊してしまうようなスポーツのための衣服はつくりたくありません。フライフィッシングというスポーツが持っているエコロジカルなマインドを原点としていきます。フライフィッシング、クロスカントリースキー、トレッキング、バックパッキング、クライミング、カヌーイング・・・自然と共にあるこのすばらしさを知る人々に貢献するクロージングをつくっていきます。
それは、「自然への挑戦」や「自然の征服」とは異なり、「自然との融和」「自然との共生」をなす知恵から発生しています。そして、それはフォックスファイヤーの総てのものづくりの思想やテクノロジーに結びついています。