ブランク素材には従来通りグラスファイバーを採用しているが、今シリーズではその中でもUD-Sグラスをメイン素材として選定しました。
UD(ユニディレクション)とは、ブランクの元となるプリプレグ(=グラスファイバーのシート)が、平織りではなく、一方向に繊維が整列している構造を指します。これに対して、前モデルでは平織りのEグラスを採用。SグラスはEグラスと比較してやや弾性が高く、反発力にも優れています。これにより、ブランク自体がより軽量に仕上がり、反発力も増加。その結果「ブレ」が抑えられ、アキュラシー(精度)性能の向上に繋がりました。
すなわち、「軽量で、ブレが少なく、反発力の高いグラス素材」がUD-Sグラスであるということになります。
またUD-Sグラスは、グラス素材特有の柔軟性を保ちながら、同時に高い反発力も持ち合わせているという特異な素材です。向上したアキュラシー性能は、釣りのシチュエーションが目まぐるしく変化する渓流において、大きなアドバンテージとなります。
前モデルと比較してラインスピードそのものに大きな差はありませんが、「ブレ」の少なさや、程良い強さの反発力によりキャスティングは一段とスムーズになったと感じます。さらに、持ち重り感の軽減や、振り抜けの良さも明確に改善されている点もポイントです。
一言で要約すれば、「軽快感に富んだグラスロッド」に仕上がったと言えるでしょう。