そうやって出来上がった素材をウエアに落とし込んで製品化する段階でも苦労がありそうですが、その点はデザイナーの鎌田さんのお仕事ですね?
      
       
     
			   
       
      
        とても面白い素材が出来上がったものの、他にない素材だから「どのレイヤーのウエアに使うか」は社内でも様々な意見が出ましたね。また開発初期の段階で「この素材はかなり静電気がすごい」というのが分かったので、しっかり対策をしました。通常フリースなどには放電テープを入れる対策をしていますが、今回はそれ以上に「静電気を抑えたい」ということで、縫い糸を全て制電性のものに変えました。放電テープを入れなくてもいいくらいの効果で、かなり着用感も良くなりました。
      
     
			   
      
        登山では脱ぎ着が多いから街着以上に静電気が気になりますよね。しっかり対策してくれているのは嬉しいです。
      
       
     
       
      
        それと実は私、ウールのチクチクする感じがちょっと苦手で。でも、このグリッドウールはまったく痛かったりかゆかったりがなくて。そのあたりもぜひ注目してほしいです。
      
     
			   
       
      
        彼女のようにウールの肌触りが苦手な方もいるので、ミッドレイヤーとはいえ肌に触れることもある分、気を使いました。Foxfireが使っているウールは、エクストラファインメリノウールというカテゴリーですが、一般的なアウトドアウエアで使われるエクストラファインメリノウールの太さが19.5マイクロンが多いのに対して、さらに細い18.5マイクロンのウールを使うことによってチクチク感を軽減しています。
      
     
			   
      
        確かに肌触りがいいですよね。本当にふわふわです。実は私も乾燥肌&敏感肌でウールがちょっと苦手ですが、これなら安心して着られるなっていう感じがしました。
      
       
     
			   
       
      
        普通はミッドレイヤーのように生地が厚くなると、使う糸も太くなりますが、ウールが苦手な方にも、「このグリッドウールは大丈夫ですよ」と言いたいので、インナーにも使っているエクストラファインメリノウールをそのままミッドレイヤーに使って肌触りを良くしています。
      
     
			   
      
        25FWでこのグリッドウールを採用したミッドレイヤー3型が初めて登場したわけですが、先ほど鎌田さんからこの生地が開発された当初はミッドレイヤーに使う以外にもいろいろな意見が出たっていう話がありました。グリッドウールという素材は今後まだまだ伸び代がありそうですね。
      
       
     
			   
       
      
        そうですね。今年の秋冬に初めてグリッドウールが世の中に出て、これからいろいろな意見が入ってくると思うので、そういった意見も参考にしてさらに育てていきたいなと思っています。グリッドウールがこれからどう発展していくか楽しみにしていてください。