御岳山トレイル整備での学び / R.O.D Project vol.01

御岳山トレイル整備での学び

2025年のR.O.D活動初めは、東京で高尾山とならび親しまれている青梅の御岳山で行われました。同山域にある「ラニヘッドトレイル」はJR中央本線御嶽駅から徒歩2,3分で登山口にアクセスでき、高峰・日の出山・御岳山へとアクセスできる登山道です。

草や木が生い茂り廃道に近い状態でしたが、タレントでトレイルランナーの福島和可菜さんが代表を務める「RUN&BEER Forestry」のメンバーが道を切り拓き、数年前に復活させました。そして現在も、さらに安全に楽しく歩けるトレイルとなるよう、トレイルキーパーとして日々整備をされています。ちなみに「ラニ」はハワイ語で「天」、「ヘッド」は「頂き」。この「天の頂き」への道を、トレイルキーパーの皆様に教えていただきながら整備(研修)をさせていただきました。

今回集まったのはFoxfire直営店の店長達5人。皆、日頃から山には登っていますが、トレイル整備は初めて。また女性店長達は道具を触るのも初めて。そこでまずは、登山道についての基礎的な知識や道具の説明を、座学でレクチャーして頂きました。

ラニヘッドトレイルは自然にローインパクトになるよう、「近自然工法」という自然界の原理を利用した工法が採用されています。その象徴が「階段」のつくり方です。その目的・原理を理解するため、多摩川の河原で工法の実験もして頂きました。

元々は川を自然な流れに近づける治水法として始まった「近自然工法」。そういえば古の頃は、川は道でもありました。いま逆に、道を川に見立てて手を加えていく・・・自然のなかで得る知恵の真価とは、まさにこの様なことかと思います。

実験で確認しながら原理を学ばせていただき、いよいよ山へと入ります。

途中の施工済みの場所で例示解説いただきながら、自分たちが施工する場所へ上がっていきます。ちなみにこの箇所は2024年春にFoxfireの本社勤務スタッフ達で施工しました。しっかりと階段の役割を果たしながら、徐々に自然に馴染んできています。

まずは階段の資材確保・森の間伐・トレイルの安全確保を兼ねて、道の脇で腐り始めていた木を伐木します。細い木でしたが、それでも倒れた時の音や衝撃の迫力は相当なものでした。そして倒した木を担いで、施工現場へ向かいます。

いよいよ近自然工法を用いての階段施工です。設置場所は、赤土がむき出しになったカーブ斜面。ぬかるんでいた場合は、登りでも下りでもズルっと行きそうな場所です。その場にある自然物(木の根や大石)を利用し、歩きやすくて丈夫(流水でも浸食されないよう)な階段を、学んだ原理を考えなら組み上げていきます。

そして遂に完成。冬のため時間が限られ、1段のみの施工となりましたが、立派なステップができて大満足でした。とともに、まだまだ施工すべき危険箇所は数多くあり、この活動に継続的に参加していく必要性を実感致しました。

今回の活動(研修)は、Foxfireが掲げるテーマ「自然との共存」とはどういうことか?をリアルな現場で感じ・考えるために、トレイルキーパーであるRUN&BEER Forestryさんのご協力で実現となりました。改めて、RUN&BEER Forestryのメンバーのイガラシさん、キミさん、モトシさんへ、心から御礼を申し上げます。

壮大気味なブランドテーマに対して、今回の1日の研修でできたことは小さいことですが、それでも消化し切れないほど沢山の経験・知識・精神を、獲させて頂きました。「良い川は、良い森から」とはよく言われますが、その森に人が親しむにはトレイルが必須です。そしてトレイルを良くするために、川を良くするための方法が応用される。自然も、人が自然と接するための知恵も、「循環」していることが「共存」の前提のような気が致しました。

関連情報

【YouTube 山と溪谷ch.での紹介】
https://youtu.be/VcsS84a1r4k?feature=shared

【RUN&BEER Forestry 公式Facebook】
https://www.facebook.com/groups/542636300743675/