長年様々なカラーをラインナップしてきたシュマリシリーズに、2025年新色として2色ラインナップにも加わった。
定期的に新色が発売されると思うが「どのシチュエーションでこのカラーを使おうか」とワクワクする半面、「どんな状況で使うのがいいの?」という疑問が生まれることもあるかと思う。今回はどんな狙いで作って発売に至ったかをお話しさせていただく。
まずは定番色としてラインナップに加わった「MHグリーンサワー」。
こちらのカラーはMR88F/MD90F/90Deep/110Fにラインナップされている。
笹濁りからクリアウォーターからまでのシチュエーションに使っていただいたいカラーだ。
テスト中は特にクリアウォーター時に多用していて、結果につながることも多かったと思う。
この色をラインナップしようと思ったきっかけなのだが、近年暖冬で雪が少なかったり、春の気温が高い日に一気に雪が解けてしまったりという年が多い気がしており、そうすると雪代が流れる期間が短くなっていく。
また、降雨の後の増水も早く収束してしまう傾向にあると思う。
そうすると雪代や増水が収まったと共に渇水気味になってくるのだが、渇水時はクリアウォーターになり、プレッシャーが高まっていく。
そんな際に信頼して投げたいと思えるカラーが欲しくと思ったのがきっかけだった。

《遠征組は特に釣行タイミングを選べないので、クリアウォーターの際の手札が必要になると思う》
色の特徴的にはボディのベースカラーはメッキホロベースのシルバー。
こちらのベースカラーを採用した理由は体感的なもので恐縮だが、フラッシング時はパキッとしたメリハリのある光り方をすると感じているためだ。
次に背中はクリアグリーン。
水馴染みの良さを狙ってのこの色のチョイスだった。
近年定番となった、蛍光やケイムラなどのUV発光系ではないグリーンとなっており、クリアウォーター時の魚が過敏になっている際に、UV発光系のカラーは警戒されやすいと感じているため、クリアグリーンを選んだわけだ。
また、このシルバーベースのグリーンバックは海ザクラだと定番なのに、川のサクラマスのルアーとなると意外とないカラーなのではないだろうか?
ショルダーのクリアイエローも蛍光ではないものを配色しており、同じグリーンバックシルバーでも、クリアイエローがないものよりも、クリアイエローがあるほうが水の中の発色が柔らかく感じている。
《UVライトを当てるとこのように見える》
ベリーはホワイトとブルーパールの組み合わせ。
ヤマメ釣りの際にクリアウォーターの際はホワイトとブルーパールの組み合わせが入っている方が反応がイイと感じている経験から、この色を使おうと決めた。
リップ裏は蛍光レッドとなっており、食いあげる際のバイトマーカーとしての役割を期待している。
それならばベリーのアイのところに配色するのがイイのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれない。
フィッシュイーターは顔に目がけてバイトをする習性があるということで、顔に近いリップ裏にしたわけだ。
実際、クリアウォーター時にサクラマスのチェイスからバイトを見た際に、下から顔側にかじりついているのを何度か目撃しているという経験からこの選択にした。
このカラーをシーズン通してテストして複数匹のサクラマスを手にできたわけだが、オススメの投入のタイミングは、前途の通りクリアウォーター時。
体感では黒銀系やブルーバックシルバーよりもホワッと柔らかい馴染み方をするように感じており、ルアーを馴染ませて見せたいときはMHグリーンサワーを選んでいただきたい。
逆にシルエットを出したい際はブルーバック系がいいのではないかと思う。
それと有効的な時間帯も感じており、朝2と呼ばれる8時くらいから夕マヅメまでにかけて多用して結果が出ていた。
いわいる光量がしっかり確保されている時間帯だ。
逆に朝マヅメに投げてみたこともあるが、反応がなかったものの、同タイプのシュマリの派手なカラーを投入したらすぐに反応を得たこともあった。
馴染みがイイだけに光量の少ない状態では目立たないのかもしれない。
《どちらも「MHグリーンサワー」に朝2以降にヒットした魚》
ちなみに小ネタとしてだが、シュマリシリーズのカラー名についている「MH」や「LH」の意味だが
・「MH」=メッキホロ
・「LH」=レーザーホロ
・「HG」=ホログラム
となっており、「MH」は一般的にメッキベースと呼ばれるものになる。
「LH」に関しては、一般的なプレーンなホログラムとなっており、「HG」はクラッシュホロやリフレクターホロなどと呼ばれたりするタイプのベースカラーだ。
《ベースカラーは好みがわかれるところなので難しいところだ…》
次にイベントとオンラインショップ限定で販売している「MHトリッキーゴールド」。
MD90Fだけで展開しており、アピール力特化のカラーが欲しかったことからスタートした。
先に紹介した「MHグリーンサワー」とは真逆で、濁り気味な際にオススメなカラーだ。
個人的にサクラマスで有効だと思っているカラーパターンをギュッと詰め込んだ感じだ。
まずベースとして、サクラマスで長年定番のアカキンをチューニングしていこうと思いスタート。
通常のアカキンと同じではつまらないという遊び心と共に、変化を加えられるカラーにしたかったので、シャンパンゴールドをベースカラーにすることに。
というのも市場を見てもこの薄めのゴールドのルアーが少ないと思っており、少しでも真新しい方が魚も反応することもあるだろうという目論見があってのことだ。
また、一般的なゴールドよりも水の中でほがらかな光り方をするイメージなので、シルエットを多少膨張させてアピールさせるイメージで採用した。
背中のレッドは定番のクリアレッドで、個人的には水の中でシルエットがハッキリするタイプの色のイメージだ。
そしてサイドのファイヤー模様は、横方向の動きの際に明滅を狙っているパターンで、色がグローなので、さらに紫外線発光でアピールしてくれるようにしている。
ベリーは蛍光イエローで、これもアピール力抜群。
下から見上げた際には蛍光イエローとサイドのグローの明滅が発揮され、アピールカラーの組み合わせでも色の差がしっかり魚に認識してもらえるのをイメージしての配色にした。
背中のクリアレッドはシルエットを出すためのカラー。
ベースのシャンパンゴールドは新鮮さと膨張系のカラー。
サイドのファイヤー模様はグローによる紫外線発光でアピール。
ベリーの蛍光イエローはサイドとも違った色のパターンとしてアピール。
といった具合で、
アピールカラーの中でもメリハリを意識した配色となっている。
《UVライトを当てた際の写真》
使いどころとしては、光量が少ないマヅメの時間帯や、雪代の時期、雨後の濁りの際に投入していただきたい。
他にもアピール力を活かして魚に口を使わせたい!と思う際にお試しいただきたいカラーだ。
《増水後のタイミングは外せないチャンスだが、濁りの克服が必要になることも》
去る2024年4月1日の秋田解禁日は雨後のタイミングで、濁りが入っていて多くのアングラーが翻弄されたのを記憶している方もいるのではないだろうか?
ちょうどそのタイミングで秋田に釣行しており、このカラーを投入したところサクラマスがヒットしてくれた。
《カラーの画像データを紛失してしまったため、SNSに載せた白黒の画像しかないが、4/1に手にできた立派な板鱒》
このカラーは一部のイベント現場か、ティムコオンラインストアのみで販売しているカラーなので、機会があればぜひゲットしていただきたいと思う。
クリアウォーター時や日中に出番が多い「MHグリーンサワー」。
濁り時やマヅメなどの光量の少ない際に出番の多い「MHトリッキーゴールド」。
2025年には両極のカラーをラインナップすることになった。
タイミングがつかみづらい近年のサクラマスシーンにこそ投入していただいて、使い分けによってカラーを味方につけていい釣果に結び付けていただけたらと思う。