トラウトスタッフ 下山大輔「解禁釣行」
2026年4月、私の住む山形県の渓流が解禁を迎えた。
解禁当初は雪代の影響により水量が多く、遡行が難しい河川が目立つ状況だった。そのため今回は、小渓流や沢といった小規模河川を中心に魚を探しながら釣りを展開した。
本稿では、その中から印象に残った釣行を紹介したい。
4月上旬
午前中の曇天から一転し、日差しが差し込み始めた正午頃。春になると足を運ぶ小渓流へ向かった。
現地に到着すると、林道には数台のタイヤ痕が残り、水溜まりも濁っている。午後からの入渓ということもあり想定内ではあったが、普段は人の少ない渓流だけに、わずかな不安を覚えた。
しかし、川の流れや森の空気に触れているうちに、その不安は自然と薄れていく。
釣果に固執せず、この沢そのものを楽しもうと気持ちを切り替えた。
準備を進めていると、林道を一台の車が下ってきた。挨拶を交わした方は、この沢をよく知る釣り人だったようで、しばし情報交換を行う。話によると餌釣りで釣り上がっていたとのことだった。
これまでの経験上、フライや餌釣りの後でも、ルアーならではのアプローチで反応を引き出せる場面は多い。それぞれの釣法で狙える魚や反応の出方が異なる点も、渓流釣りの魅力の一つだと感じている。
細かなポイントを丁寧に探りながら釣り上がると、流れ込みを伴う小さな淵が現れた。ここでパイロットルアーとして選択したのはラクス50S。
アクションに強弱をつけつつ、適度にフォールを織り交ぜるのがこの日の基本パターン。ルアーが一瞬沈み込む、あるいは動きが止まる“間”でのバイトが、この時期は特に有効だと感じている。
追わせてから食わせるまでの緩急を意識した展開を心掛けた。
そのアプローチに応えてくれたのは、斑点が鮮明に浮かぶ美しい岩魚。
山形でのシーズンファーストフィッシュに安堵するとともに、今シーズンのスタートを実感する一尾となった。
その後もしばらく釣り上がったが反応は続かず、別の河川へ移動することにした。
次に入ったのは、落ち込みのから浅い溜まりが広がるポイント。小砂利が敷き詰められた一見シンプルな流れだったが、一投目から反応がある。
再度アプローチすると、ルアーの後方に魚影が現れ、そのままバイト。ネットに収めたのは、赤みを帯びた体色が印象的な越冬山女魚だった。
再生途中の臀鰭からも、昨年の産卵を乗り越えた個体であることがうかがえる。
夏場には渇水傾向が顕著になる渓流だけに、近年の環境変化への不安も感じるが、こうした魚に出会えること自体が貴重な機会であると改めて実感した。
一尾一尾との出会いを大切にしながら、これからもフィールドに向き合っていきたい。
タックルインプレッション
「fenwick GFS410SL-5J」
トゥイッチンスペシャル”の名を持つ本モデルは、しなやかに食い込むティップセクションによりバイトを弾きにくく、安定したフッキングへとつなげてくれる。
さらに、適度な張りを持つベリーから力強いバットへとスムーズに移行し、渓流域における不意の良型にも安心して対応可能だ。
パックロッドでありながら操作性は高く、トゥイッチ主体の釣りにおいてもルアーの挙動を的確にコントロールできる点が印象的だった。
クラシカルな外観と実釣性能のバランスに優れた一本と言えるだろう。
【タックル】
ロッド:fenwick GFS410SL-5J
ルアー:ラクス50S テネシー
リール:アブ カーディナル3 100th model
ライン:PE0.6号
ショックリーダー:8lb