トラウトスタッフ 高橋伸雄「記憶に残る本流ヤマメ」
待ちに待った水位の変動が起こった。
4月の鬼怒川における最大のチャンスの到来である。
そして当日の朝の天候は曇りで最低気温も10℃を超えている為、早朝の勝負が可能になる。この早期の本流における最大のチャンスが二つ重なり、鬼怒川は必ず確率変動を起こしていると想像できた。
混雑の激しい鬼怒川本流だが、この時期の本流は基本的に日中水温が上がったタイミングがセオリーとなる。よって早朝は混雑を避けることができ、自由に釣りができるチャンスが増えることとなる。
当日現場に到着すると予想通りガラ空き、以前から目をつけていた目的のポイントへと向かう。できる限り速いテンポで多くのポイントを撃ちたかったのでラクス60Sでスタートするも反応を得られず、レンジを下げる為にナビア62FSにするも結果は変わらなかった。
以前反応があったのでこのポイントを選択したが、アプローチが少し雑なところがある私は手前側が流芯のポイントは少し苦手で、探っている途中も自分の行動でプレッシャーをかけてしまっている感覚があったのでポイントを移動することにした。
次に向かったのは私が得意とする流芯が奥にあるポイント、こういったポイントはルアーのコントロールは難しくなってしまうが、魚との距離が長くなりプレッシャーを与えにくいので、多少雑なアプローチでも魚にプレッシャーを与え難くなる。
再びラクス60Sの速いテンポの釣りで探るも反応は得られなかった。本来ならここで次のポイントへ移動し、活性の高い個体を探していくのがセオリーだが、どうしても気になる流れをムックリ52Fで攻め直すことにした。
攻め方は得意のドリフトターン。ムックリ52Fがターンしきったタイミングで確実にヤマメだと分かる首振りがロッドに伝わってきた。程よく曲がるパスプルーバー73SMLの追従性に助けられランディングに成功。30cm半ばは有るかと思ったが惜しくも34.5cm。テールフックをガッツリ食っていた。アプローチはコレが正解だったと感じさせられる喰い方だった。
正解のアプローチが分かり、後はコレでランガンするのみ。ラクス60Sやナビア62FSでのランガンに比べると多少スピードは落ちるものの1つのアプローチで攻められると格段にランガンの効率は上がる。
そして以前来た時に少し気になっていたポイントに差し掛かり、グンッとパスプルーバー73SMLが絞り込まれ、力強い首振りが伝わり少し経つと、流芯に向かってダッシュされる。ダッシュされる引きに少し他魚種を連想させられ、曖昧な気持ちになるも、数十メートル引きずられた後に魚体が見えると、それは立派な体高のヤマメ。
これ以上ファイトを長引かせると経験上外れる危険が高まる、意を決して魚を上流に誘導し下流にランディングネットを構え下から一気に掬い上げる。
『決まった』
心の中でそう呟いた。ネットに収まったのは素晴らしい体高の本流ヤマメ。この個体も30cm半ばを超していると思ったが惜しくも34.5cm。しかし読みが当たり、記憶に残る素晴らしいヤマメとの出会いに私は満足した。
【タックル】
ロッド:パスプルーバーPRV73SML-2
ルアー:ラクス60S、ナビア62FS、ムックリ52F、ムックリ52F C&Rモデル