北極圏…北緯66度33分以北の世界。人は何故か極地に惹かれる。日常を忘れ、浪漫を求めて旅に出る。
今夏、8月後半の約2週間、その北極圏への旅を計画していた。極北カナダ・ユーコン準州のトゥームストーン準州立公園【Tombstone Territorial Park】で4泊5日のバックカントリーハイキング、その後車を北へ走らせ北極圏へ向かうプラン。春にその話をしたところ、Foxfireからこの秋冬シーズンの新商品『グリッドウールフルジップ』の最終サンプル品があがったので試用して欲しいという依頼を頂いた。夏とはいえ北極圏、8月中旬以降となるといつ雪が降ってもおかしくない。こちらとしても絶好のタイミングなので、喜んで持参させて頂いた。
バックカントリーハイクを前に天気予報を確認。日中は10度台後半から20度台前半、夜間から朝にかけては3度から8度ほどの予報なので、気温的に行動中に着ることはないだろう。バックカントリーでは極力荷物を減らしたいが、キャンプ地に着いてから丁度良さそうで、夜間寒ければこれも着て寝ることで救われることもあるかもしれないと思い、迷ったが持って行くことにした。予想通り、行動中はこれだと暑すぎるので着なかったが、キャンプ地に着いたら汗だくの衣類を脱ぎ捨て、こちらに着替えてリラックス。案の定冷え込んだ夜にはこれを着たまま眠った。
バックカントリーキャンプ場のクッキングシェルターにて
野生動物や風景など自然の中で撮影する自分にとって、衣類の快適さというのはとても重要で、集中して撮影出来たあとには衣類のおかげだなと感じることがよくある。優れたアウトドアクロージングというのは自然写真家の支えなのだ。疲れ切った行程のあと、湖畔のバックカントリーキャンプ場にてじっくりと撮影した際も、グリッドウールの快適さにしみじみと感謝の念が湧いてきた。
疲労困憊のバックカントリーでの撮影時にもグリッドウールが快適さを提供してくれていた
ポリエステル製グリッド素材は以前から使っていて、軽いのに保温性もしっかりあり、ストレッチ性もあって肌触りも良いためお気に入り。今回は裏側にグリッド構造のメリノウールと表側に吸汗速乾性と耐久性に優れたポリエステルのハイブリッド素材いうことでさらに期待が高まっていたが、見事に期待に応えてくれた。メリノウールが内側にあることで保温力はさらに増し、肌触りもさらに良くなった。適度な通気性があるため暑くなり過ぎず、逆にこれだけだと寒い時にはゴアテックスなど防風効果のあるアウターを重ねることで保温力をさらに高めてくれる。レイヤリング(重ね着)はアウトドアアクティビティの基本だが、この商品はミドルレイヤーとして理想的だと言える。保温力、着心地、ストレッチ性、通気性、重量、その全てが『丁度良い』のだ。今回の旅に向けてレインジャケットもクレストクライマージャケットを新調したのだが、ゴアテックスなのに軽くしなやかなこのジャケットとグリッドウールの組み合わせは秀逸で、その相性の良さに気付いてからは常にこの2着を状況に応じて単体で着たり重ねて着たりしていた。最終的に北極海に面する先住民の村まで行ったのだが、北極海から吹き付ける寒風の中でもこの2着の重ね着で過ごすことが出来た。
クレストクライマージャケットとは最高の組み合わせ
帰路に再びトゥームストーン準州立公園を通ったのだが、その際のデイハイクではバックカントリーの時ほど荷物が重いわけでもないのでグリッドウールで歩いてみた。ずっと登りだったので汗はかいたが、適度な通気性のおかげでじんわりと汗ばむ程度。Tシャツの上に着ていたのだが、生地が直接触れる腕もグリッド構造のおかげで面ではなく点で接する感じで汗で貼りつくような不快感は全く無かった。目指していた丘の頂上に着くとさすがに汗で少し湿っていたが、休憩している間に裏返して天日に干しておいたらあっという間に乾いたので帰路は再びサラサラの着心地。下りはほとんど汗もかかないので快適に下山できた。ちなみに二週間毎日着ていたが、全く臭くならなかったことも付け加えておきたい。メリノウールは消臭効果もあるとんでもない天然素材なのだ。
裏返すとグリッド構造がよくわかる 天日干しであっという間に乾いた
今回試用させて頂いたこの商品は、『中間着』というカテゴリーにおいて今まで着た中でベストと言っても過言ではない。単体でも、レイヤリングのミドルレイヤーとしても秀逸なので、今後はお気に入りの一着として一年中活躍してくれそうだ。
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